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胃透視
バリウムを飲んで行うレントゲン検査です。胃の粘膜や胃全体の形の異常をみます。粘膜の凹凸から病気を診断しますので、凹凸のない病変は診断が難しいといえます。しかし、日本ではこの診断技術が非常に発達しています。

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胃内視鏡検査
俗に胃カメラと呼ばれている検査です。口からファイバースコープを飲んで、胃のなかを直接観察します。粘膜の色の変化なども観察できるため、微少な病変も発見できます。同時に生検を行えることも利点と言えます。

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生検
胃の組織の一部を採取して、顕微鏡で検査することをいいます。これによって、癌細胞が証明されれば、癌と確定診断されます。

細胞の悪性度はグループで表現され、

グループ1は正常

グループ2は炎症など

グループ3は良性腫瘍(腺腫)

グループ4は癌の疑い

グループ5は癌

を表します。

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超音波内視鏡検査(EUS)
先端に超音波装置がついた内視鏡をもちいて、表面から見えない腫瘍の広がりを 調べます。体外から行う超音波検査に比べて、腫瘍に近いところで超音波が出されるため、より詳細な情報が得られます。ただし、検査には熟練が必要です。

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腹部CTスキャン
レントゲンをもちいて、人体の輪切り像を見る検査です。胃癌においては、肝臓やリンパ節への転移の有無や腫瘍の広がりを調べます。造影剤を用いない「単純CT」と造影剤を静脈注射しながら撮影する「造影CT」があります。通常、1回の検査で両方の撮影を行います。造影剤を用いることにより、腫瘍の存在がより明確になります。

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腹部MRI
CTのような輪切り像に加えて、縦切り像も得ることが出来ます。胃癌においては、肝臓やリンパ節への転移の有無や腫瘍の広がりを調べます。CTのようにレントゲンに被爆することがありません。造影剤を用いなくても、かなり詳細な画像を得ることが出来ます。

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腹部超音波検査(エコー、US)
エコーとも呼ばれています。超音波を用いて、内臓の様子を観察します。胃癌においては、肝臓やリンパ節への転移の有無や腫瘍の広がりを調べます。体に害のない検査なので、比較的頻繁に用られます。ただし、体型などによっては、臓器の観察が容易でなかったり、検査を行う術者の技量によって、診断の信頼性に差が出るという欠点があります。

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腫瘍マーカー
血液に含まれる、腫瘍が分泌する特有の物質を測定します。腫瘍の有無や再発 の発見にもちいます。胃癌ではCEAやCA19-9、AFPといわれる腫瘍マーカーが有効です。ただし、腫瘍マーカーは、癌があっても必ずしも上昇するとは限りませんし、また癌以外の要因でも異常値となることがあるため、あくまで診断の助けとして用いることになります。
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基本方針
癌の広がりに応じた切除が基本となります。早期のものでは内視鏡的切除でも完治する可能性があります。標準的には、胃の切除と周囲のリンパ節切除が基本となります。
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早期胃癌
早期胃癌に対しては、切除を最小限にしようとする縮小治療が現在の主流です。方法は内視鏡的胃粘膜切除(EMR)、腹腔鏡下手術、開腹術の3通りに分けられます。EMRの適応はリンパ節転移がない癌で、具体的には「隆起型の場合、大きさが2cm以下、組織型が分化型、深達度が粘膜内癌」また「陥凹型の場合、大きさが1cm以下、組織型が分化型、深達度が粘膜内癌、潰瘍を伴わない」ものとしている施設が多いようです。腹腔鏡下手術の適応もリンパ節転移がない癌が基本となりますが、EMRで切除が困難な部位の癌などとなります。ただし、最近ではリンパ節郭清を腹腔鏡下に行う試みがなされており、施設によって適応は異なります。開腹手術は、従来から行われている方法ですが、切除範囲を最小限にとどめる手術に移行しつつあります。具体的には、胃部分切除、胃分節切除、幽門温存胃切除など出来るだけ切除範囲を縮小し、リンパ節郭清は胃周囲にとどめる方法です。
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進行胃癌
進行癌では、癌の根治性を重視するために縮小手術は行いません。広範囲胃切除もしくは胃全摘術に2群リンパ節までの郭清を標準とします。胃周囲の臓器に癌が進展している場合は、合併切除を行うこともあります。
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再発例
残胃の再発例では、再切除によって長期延命を期待できることもありますが、腹膜、リンパ節、肝転移などでは切除は不可能で、抗癌剤、免疫療法、温熱療法などが試みられていますが、2年以上の延命がみられることはほとんどないのが現状です。
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