5. アレルギー反応の4つの型


 アレルギー反応は現在のところ次の4型に分類されています(1、2、3、4型)。生体ではこれら4つの反応が互いに独立して起こるのではなく、いくつかの型が同時に起こっていることもあります。この分類は20年前から行われている旧いものですが、現在のところアレルギー反応を理解するためにこれに代わる明確な分類はありません。

1型アレルギー反応

 前ページで説明した即時型反応で、肥満細胞と結合しているIgE抗体に抗原が再結合して、肥満細胞に連鎖反応が起こり化学伝達物質が放出されて組織障害を起こすタイプです。気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの一般的アレルギー疾患の大部分がこの1型の反応で起こります。したがって 通常、アレルギー反応とは1型アレルギー反応を指します。

2型アレルギー反応

 は細胞溶解型ともいわれます。細胞表面の構造が変化したり、もともと抗原となり得ないような薬剤が付着して抗原となり、結合したIgMまたはIgG抗体に補体が作用し、細胞膜に穴を開けて細胞を溶かす反応です。これとは別に抗体の結合をうけた細胞にマクロファージやK細胞(キラー細胞)が作用して傷害物質を放出し、細胞や組織を破壊する反応もあります。溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、重症筋無力症、グッドパスチェア症候群などが代表です。

3型アレルギー反応

 は抗原と抗体(IgG抗体)が結合した抗原抗体複合体が食細胞に処理されきれずに組織に沈着し、そこへ補体やマクロファージ、好中球が集まって炎症を起こし、組織を障害します。溶連菌による急性糸球体腎炎、関節リウマチや膠原病、血清病、ウィルス性肝炎、アレルギー性肺胞炎などがあります。

4型アレルギー反応
 は1〜3型と異なり抗体は関与しません。アレルギー反応は司令官であるT細胞が指揮します。
T細胞はマクロファージ(皮膚ではランゲルハンス細胞、肺では肺胞マクロファージ、これらを抗原提示細胞といい、軍隊の斥侯のような役目を持っています)から抗原の情報を受け取り、次に抗原が侵入したときに迎え撃つ準備が完了します。これを「感作が成立した」状態といいます。
 再度抗原が侵入すると、情報をマクロファージから引き渡されたT細胞はサイトカインというホルモン様物質を放出して、リンパ球、好中球、マクロファージなどの免疫部隊の兵隊を呼び寄せ、抗原を破壊しようとします。これら兵隊たちは炎症という組織の戦場が大好きで、自らも炎症を起こし、見境なく組織まで破壊してしまいます。ここでのマクロファージは抗原提示細胞とは異なり、抗原を喰食したり、サイトカインの援助で産生した活性酸素や塩基性蛋白のような毒性物質を用いて抗原や組織を障害する作用を持ち、4型アレルギー反応の主力部隊です。
 侵入した抗原が細胞であれば司令官のT細胞は細胞障害性リンパ球(
キラーT細胞)を派遣して破壊させます。反応が完了するのに1〜2日かかるので遅延型アレルギー反応とも呼ばれます。ツベルクリン反応、結核病変、臓器移植後の拒絶反応、うるしかぶれ、化粧品かぶれ等の接触性皮膚炎などは4型アレルギー反応です。


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