乳児死亡の3大原因の一つと云われたくらい恐れられていた肺炎は、抗生物質が登場してからはその死亡率がかなり減少しました。しかし、肺炎は乳幼児ほど罹りやすく重症となる場合もあり軽い病気ではありません。また、ウイルス性肺炎も乳幼児では多く、時には致死的な場合もあります。現代の肺炎はカゼなどのウイルス性の上気道炎を引き金に、細菌の二次感染による細菌性肺炎が普通にみられるパターンです。
このページでは小児科医院(診療所)で普通に見られる肺炎を解説します。したがって、例えばカリニ肺炎や真菌性肺炎などの特殊な肺炎は除外しました。
A. 細菌性肺炎 |
| ★インフルエンザ菌性肺炎 |
| ★肺炎球菌性肺炎 |
| ★黄色ブドウ球菌性肺炎 |
| その他の細菌性肺炎:A群溶血性連鎖球菌、レジオネラ菌、肺炎桿菌など |
B. ウィルス性肺炎 |
| ★RSウィルス肺炎 |
| ★パラインフルエンザウィルス肺炎 |
| ★インフルエンザウィルス肺炎 |
| ★アデノウィルス肺炎 |
| その他のウィルス性肺炎:麻疹ウィルス、水痘ウィルス、サイトメガロウィルスなど |
C. マイコプラズマ肺炎 |
D. クラミジア肺炎 |
| ★クラミジア・トラコマチス肺炎 |
| ★オウム病 |
| ★クラミジア・ニューモニエ肺炎 |
| E. ニューモシスチス・カリーニ肺炎 ・・・免疫不全疾患に発生しやすい |
| F. 真菌性肺炎 ・・・基礎疾患を有する人に発症しやすい |
| G. 嚥下性(吸引性)肺炎・・・主に誤飲でおこる、高令者に多い |
細菌性肺炎には細菌感染が直接の原因である原発性のものと、ウイルス性の上気道炎が引き金になった細菌の二次感染によるものとがあり、原因菌として主なものにインフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などがあります。
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| 肺は胸膜に包まれ、右肺は上葉・中葉・下葉の3葉に、左肺は上葉・下葉の2葉に分けられています。肺炎はレントゲン所見から大葉性肺炎と気管支肺炎(小葉性肺炎)、および間質性肺炎とに大別されます。 大葉性肺炎では病変が短期間に一葉全体に拡がり、胸部X線写真で肺葉に一致した均等な濃い(レントゲンフィルムでは白い)浸潤陰影を呈します。さらに、炎症により肺胞腔のガスが浸出液で不透過性となった肺実質に対して気管支が陰性に描出される気管支気像(air bronchogram)、あるいは病変に侵されていないガスを含んだ肺胞の集合したものが周囲の不透過性となった肺実質に取りかまれるとガス泡となって描出されるair alveogramを伴うことが多い。 これに対し、吸入された病原体が末梢の気管支のいずれかに引っかかり気管支周囲の肺胞内に炎症が拡がると、気管支の枝に多数の花が咲いたような淡い周辺が不鮮明な2cm以下の多発性の陰影ができます。これを斑状影と呼び、陰影の大きさが小葉大なので小葉性陰影と呼びます。小葉性陰影は気管支に沿った部分的あるいは肺全体の多発性の陰影で、気管支肺炎(小葉性肺炎)とも呼びます。 肺の気管支や肺胞、血管などの周囲組織を肺の間質と呼びます。間質の炎症である間質性肺炎ではびまん性、散布性で左右の肺が同時に侵されることが多い。侵される間質が気管支璧ではtram lineと呼ばれる路面電車の線路のような陰影が、血管璧では血管璧のボケ像が、肺胞璧ではスリガラス様陰影と呼ばれる微細顆粒影が生じます。間質性肺炎の原因として多いのはウィルス性肺炎と、後述するマイコプラズマ肺炎があります。 |
新生児を除く全年令、特に6カ月から4才の乳幼児が好発年令です。以前より少なくなりましたが、ウィルス性上気道炎の多い冬と通園開始後の5〜6月が発病の多い時期です。成人では他の菌による肺炎が稀なため細菌性肺炎の第一位を占めています。高熱や咳がはげしく、初期(1〜2日間)は乾いた咳、その後は膿性の痰咳となる典型的な肺炎です。胸部レントゲン写真では肺葉に一致した均等な陰影を呈することが多い(大葉性肺炎)。 乳幼児では機能的イレウス(腸の内部に食物が滞る以外の原因で腸の通過が障害される状態)により腹部膨満や腹痛をおこすことがあります。また、中耳炎、髄膜炎、副鼻腔炎、心内膜炎などをおこす菌です。 かっては抗生物質で容易に制圧できた肺炎球菌は、近年ペニシリン低感受性菌(PISP,30%)やβーラクタム薬に対して耐性を示すペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP, 20〜50%, 中耳炎で最も検出頻度が高い)が増加し、特に十分な髄液中の薬剤濃度が得られにくい髄膜炎では注意が必要となっています。Hibと同じように抗生物質に対して耐性化(効かない)が進んで治療が難しいため、予防接種が現在最良の対抗手段です。 わが国で任意接種として認められている23価ワクチンは65才以上の高齢者向けであって、2才未満の小児には効果がありません。ほとんどの先進国ではすでに生後2カ月から接種できる7価ワクチンの定期接種が行われていて、効果をあげています。Hibと同様に7価ワクチンの一日も早い定期接種化が待たれます。 |
| 細菌性肺炎の治療には通常、細菌の細胞膜を障害して細菌を溶菌、殺菌するペニシリン系、ペニシリンと一部同じ骨格を持つセフェム系などのβーラクタム系抗生物質が使われます。しかし、これら抗生物質を使っている内にβーラクタム系抗生物質を分解してしまうβーラクタマーゼという酵素を産生する株(耐性菌)が出現し、βーラクタム系抗生物質が無効な株が増加しました。これに対し人類はペニシリンを改良したメチシリンやクロキサシリン、セフェム系には第二世代、第三、第四世代のものを開発して対抗してきました。しかし、新しい抗生物質に対して次々に耐性菌が出現して菌と抗生物質との間に際限ない戦いが続いています。 インフルエンザ菌の抗生物質耐性の主な機序はβーラクタマーゼ産生であり、呼吸器から分離されたβ-ラクタマーゼ産生インフルエンザ菌の比率は近年10〜20%です。さらに近年、βーラクタマーゼ産生以外の耐性機序による耐性菌(β-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性菌=BLNAR)の増加が報告され、時には治療に苦渋することがあります。 |
1才以下が70%と乳児に多く、先進国では激減しましたが発症すれば進行の早い重症感染症で、最近は院内感染(入院治療中の患者に発症する肺炎で、入院時すでに潜伏感染にあって発症するものを除外するために、一般的に入院後48時間以後に発症したものを指します)が問題になっています。
ウィルス性上気道炎の二次感染によるものが最も多く、膿痂疹(とびひ)などの感染巣から血行性感染により発病する場合もあります。
はじめは上気道感染症状ですが、肺炎をおこすと急変して呼吸困難、陥没呼吸、多呼吸、苦悶状となります。急速に大葉性肺炎から肺膿瘍、膿胸となることもあり、死亡率は現在でも10%で警戒すべき肺炎です。胸部レントゲン写真では初期は小斑点状または淡い均等陰影、次いで気管支肺炎像となり急速に一葉または一側肺全体の大葉性肺炎像を呈し、肺膿瘍、膿胸、膿気胸を合併します。黄色ブドウ球菌は現在有効な薬剤が限られているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が病院で約50%検出されています。
<メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)>
| mec A遺伝子(メチシリン耐性遺伝子)を持ち、メチシリンをはじめとするβーラクタム系抗生物質に耐性を示す黄色ブドウ球菌をメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)と呼びます。最近はその分離(検出)率は全国平均で60%を超えています。さらにβーラクタム系だけではなく、テトラサイクリン系・マクロライド系・アミノグリコシド系などの多くの抗生物質に耐性を獲得している菌株が近年急増してきたため、治療薬を選択することが難しくなってきました。 |
呼吸器感染症の病原ウィルスのうち、RSウィルス、パラインフルエンザウィルス、インフルエンザウィルス、アデノウィルスなどが肺炎を起こしやすいウィルスです。このほかに麻疹ウィルス、サイトメガロウィルス、水痘ウィルスなどが起因ウィルスとなります。ウィルスが判明した場合はそのウィルス名をつけた病名とします。
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RSウィルス(RSV
)は生後1才までに70%が、2才までにほとんど全員が感染するウィルスです。乳幼児、特に1才以下の気管支炎や肺炎をおこす頻度と重症度が最も高いウィルスとして有名で、初感染乳幼児の1%が肺炎になると報告されています。また、再感染が高率に見られることが特徴で、乳幼児では毎年罹患する例が多く、学童・成人では軽症で肺炎になることは少ないが、乳幼児の重要な再感染源となります。RSウィルスはインフルエンザウィルスのように毎年冬に流行を繰り返し、インフルエンザウィルスが流行すると、その干渉を受けてが下火になる現象が見られます。感染防御には,分泌型抗RSウィルスIgA抗体が重要で、血中抗体価は長期持続するが、分泌型IgA抗体は短期間で消失するため再感染が起こります。
慢性呼吸器疾患や重症心疾患などの基礎疾患を有する小児ではRSウィルス感染が致命的となることがあるため、院内感染の原因として重要なウィルスです。診断は鼻咽腔分泌物中のウィルスの抗原を検出する迅速診断用キット(イムノカードST-RSV、右図)を用いることにより容易ですが、入院中の2才未満児にのみ健康保険が適用されます。アメリカでは呼吸器の弱い(気管支肺異形成症)2才以下の未熟児の死亡率が高いことから、RSウィルスの流行期に毎月1回免疫グロブリン(RespiGamTM、SynagisTM)の予防投与を行うことが勧告されています。
| 病原体の再感染を防ぐ抗体にはIgM、IgG、IgA、IgD、IgE抗体があります。IgM抗体は病原体の侵入にもっとも早く立ち上がり、IgG抗体は血液中や体内にあって、内部へ侵入した病原体を攻撃する主たる抗体、IgA抗体は血液中よりむしろ鼻、口腔などの気道、涙液、腸管などの外分泌腺から分泌され、粘膜面の免疫に携わっています(分泌型IgA抗体)。IgD抗体の役割は不明、IgE抗体はアレルギー反応に関与する抗体です。 RSウィルス再感染の予防には気道分泌液中の分泌型抗RSウィルスIgA抗体(ここでは単に分泌型IgA抗体と云います)が重要な役割を果たします。分泌型IgA抗体は感染後しばらくは局所にあって、粘膜面の再感染を防いでいます。時の経過とともに分泌型IgA抗体は消失し、血液中の抗RSウィルスIgG抗体だけが残ります。年長児や成人はRSウィルスの再感染の際、ウィルスの侵入口である粘膜面の分泌型IgA抗体がないため、ウィルス侵入を一旦は許してしまいます。しかし、初感染と異なりIgG抗体が体内に浸入したウィルスを迎え撃って重症化を防ぐため、軽いカゼ症状だけですみます。 |
パラインフルエンザウィルスは1〜3型の3型があり、乳幼児呼吸器感染の起因ウィルスとしてはRSウィルスに次ぐ重要なウィルスです。特徴は初感染では症状の激しい顕性感染、再感染は軽い上気道炎または不顕性感染です。
3型は肺炎を起こしやすいウィルスで感染力が強く、毎年年間を通して発生し、1歳までに約50%、3歳までにほとんど感染します。1・2型は5ヵ月〜6才の年令層に秋から冬にクループ症候群をおこす傾向があります。クループ症候群とはノドの奥にある声帯の周辺が急に炎症を起こし、ノドが狭くなって犬が吠えるような咳としわがれ声やゼイゼイという喘鳴、更には呼吸困難を起こし、時には致命的となることもあります。パラインフルエンザウィルス1、2型では声帯下部の炎症による急性喉頭気管気管支炎を、先に述べたインフルエンザ菌では声帯上部の炎症による更に重篤な急性喉頭蓋炎を起こすことがあります。(クループ症候群へのリンク)
インフルエンザによる肺炎は原発性のウィルス肺炎、細菌の二次感染による細菌性肺炎がありますが、細菌性肺炎の頻度がはるかに多い。
(インフルエンザのページへのリンク)
アデノウィルスには呼吸器、眼、消化器、膀胱など様々な部位に炎症をおこす多くの型があり、高熱が持続することが特徴です。乳幼児の急性気道感染症の約10%がアデノウィルス感染症と云われています。
1〜7型が上・下気道炎に関連する型で、なかでも7型は重症化しやすく、7型による肺炎の3割以上を1才以下の乳幼児が占めます。アデノウィルス7型肺炎の特徴は40度以上の高熱を示す率が高く、有熱期間が長いことです。高校生でも平均有熱期間は4日、乳幼児の入院例では平均10日であり、約10%の死亡率が報告されています。発熱や咳のほかに意識障害、けいれん、胸水、肝障害、胃腸炎、ウィルス関連血球貪食症候群など多彩な合併症が高率にみとめられます。
地域的流行、集団内流行、院内感染はありますが、発生は散発的で、概ね小流行にとどまることが多い。また流行には季節性はありません。診断については咽頭結膜熱のページを参照してください。
| ふだん健康な年長児や若年成人に多い肺炎にマイコプラズマ肺炎があります。秋から冬に家族内・幼稚園・学校・職場内など集団生活で感染しやすいこと、頑固な咳が長びきやすいことが特徴です。 病初期に発熱はするものの、成人は軽症ですむと云われています。5〜10才の小児では重症化したり、下痢・嘔吐などの消化器症状、髄膜炎、脳炎、神経系症状が見られることがあります。 原因の肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)は細菌の一種ですが、細菌の特徴である細胞壁を持っていません。細菌感染症の第一選択として使われるβーラクタム系の抗生物質(ペニシリン系、セフェム系など)は細菌の細胞壁を障害して菌を殺す作用を持つため、マイコプラズマには無効です。有効なのは蛋白合成阻害剤のマクロライド系抗生剤やテトラサイクリン系抗生物質、ニューキノロン系抗生物質ですが、マイコプラズマ肺炎の確信なしに蛋白合成阻害剤を処方することは難しく、早期診断、早期治療をすることが病状の遷延化や流行を防止するために必要です。 近年、細菌性肺炎が激減した中で肺炎全体に占めるマイコプラズマ肺炎の比率は高まっています。 |
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| 前述のマイコプラズマ・ニューモニエ(偏性細胞外寄生体)より少し大きい直径300nm程度の、ウィルスのように寄生した生物の細胞内でのみ増殖可能な偏性細胞内寄生体です。ウィルスとは増殖する細胞内で2分裂することが、マイコプラスマとは増殖に生きた細胞を要し、細胞壁を持っていることが異なります。クラミジアもマイコプラスマによく似たβーラクタム系の抗生物質が効かない細菌の一種です。 鳥類および哺乳類に広く不顕性、持続感染を示し存続します。トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマチス)、オウム病クラミジア(クラミジア・シッターチ)、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)の3種のクラミジアによる肺炎があります。 |
クラミジア・トラコマチスは成人では非淋菌性尿道炎などの性行為感染症(STD)の病原体として知られています。妊娠年令の4%を占めると云われる感染妊婦(不顕性感染が多い)から出産時に産道感染で母から子に感染し、新生児の20〜50%に封入体結膜炎を、10〜20%に2〜12週のうちに、遅くとも6ヵ月までに肺炎を発症します。生後2ヵ月以下の肺炎の原因ではRSウィルスに次いで多く発生しています。
鼻水や軽い咳で発症し、次第に咳がひどくなり百日咳のような痙攣性の咳や多呼吸を認めることが多いが、無熱性経過が普通です。時に嘔吐や体重増加不良を訴えることもありますが、全身状態は良好なことが多い。胸部レントゲン写真では両側性間質性肺炎像ですが、他の肺炎との鑑別は困難です。診断には鼻咽腔分泌物中のクラミジア・トラコマチス抗原を検出することが最も小児に負担がかからない方法です。
| 最近はあまり聞きませんが、以前はトラコーマという病名は眼科の代名詞でした。トラコーマと封入体結膜炎とは病原菌は同じクラミジア・トラコマチスですが、両者の症状は大いに異なります。トラコーマは風土病で慢性に経過し失明する恐れがありますが、封入体結膜炎は先進国に発生し、急性または亜急性で失明の恐れはありません。 |
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| 発生地域 | 開発途上国 | 先進国 | 先進国 |
| 発生状態 | 風土病、流行性あり | 散発性 | 散発性 |
| 感染経路 | 眼→眼 | 生殖器→眼 | 生殖器→指・タオルなど→眼 |
| 潜伏期間 | 5〜12日 | 生後5〜12日 | 5〜12日 |
| 経過 | 慢性 | 急性、または亜急性 | 急性、または亜急性 |
| 血清型 |
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| 結膜の瀘胞形成 |
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| 角膜の瘢痕形成 |
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| 角膜血管新生(パンヌス) |
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| 失明の可能性 |
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人畜共通感染症で、オウム病クラミジア(クラミジア・シッターチ)がオウム、インコ、ハトなどの鳥類からヒトや動物に感染し、肺炎をおこします。稀にヒトからヒトへの感染もおこります。。高熱で発症しクラミジア感染症のなかでは最も重症化しやすいので鳥類を飼育するには注意が必要です。
[潜伏期間]:1〜2週間
[好発年令]:年長児〜成人
[臨床症状]:悪寒を伴う高熱で発症し、全身倦怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛、頭痛などインフルエンザ様の症状を伴う。咳は乾性のことが多く、痰は小量で時に血液の混入があり、老人では重症になることがあります。適切な抗生物質が用いられないと10〜14日間発熱が続きます。
[胸部レントゲン写真]:特徴的なものはありませんが、マイコプラズマ肺炎に似る所見です。
[診断]:喀痰中のクラミジア・シッターチ分離、抗原検出、遺伝子検査(PCR)、血清抗体価の有意な上昇。
[治療]:マイコプラスマと同じようにテトラサイクリン系、あるいはマクロライド系抗菌薬を用います。ペニシリン系セフェム系抗菌薬は無効です。クラミジアは潜伏感染しますので治療が不十分であると再燃する可能性があるため、症状消失後も抗菌薬を投与する必要(約1週間)がります。
肺炎クラミジアはヒトからヒトへ感染し、トラコマチスと同様に熱はあまり出ず、比較的軽症で経過し、咳は乾性で咽頭痛やしわがれ声がが主な長引くのが特徴です。小児よりも成人に多い肺炎です。最近、動脈硬化部位から肺炎クラミジアが検出され、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患と肺炎クラミジアとの関係が注目されています。
[好発年令]:4才以下では比較的稀で、年長児〜成人
[臨床症状]:発症は緩徐ですが、乾性の咳が遷延するのが特徴です。
[胸部レントゲン写真]:特徴的なものはありませんが、マイコプラズマ肺炎やオウム病に似る所見です。
[診断]:鼻咽腔あるいは咽頭擦過物中のクラミジア・ニューモニエの分離培養あるいはPCR法、ELISA法による抗体価測定(保険適用)。
[他の疾患との関連]
最近、動脈硬化部位から肺炎クラミジアが検出され、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患と肺炎クラミジアとの関係が注目されています。