
喉頭周辺(右図)が狭くなって空気を十分に吸い込めなくなる状態をクループと云います。原因は主に喉頭周辺の炎症ですが、他にアレルギー性、心因性の原因も含めてクループ症候群と呼びます。
症状:
1. 犬が吠えるような、特徴的な咳(犬吠様咳嗽)。その咳の様子からクループと推測できる
2. かすれ声(嗄声)
3. 息を吸うときにゼーゼーやヒューヒューする(吸気性喘鳴)
が3大症状で、種々の程度の呼吸困難(努力性呼吸)を伴う。気道の狭窄であるため、呼吸困難は極めて重症のこともあり、多量の唾液を出し、チアノーゼ、不隠状態、呼吸停止を起こして救急処置を要することもある。クループは部位によって声門上部狭窄と声門下部狭窄とがあります。
炎症の原因:
細菌、ウィルス、マイコプラズマ(説明のページはここをクリック)、真菌(カビ)などの感染が原因の大部分を占めるが、アレルギー性要因や心理的要因が関与する場合もある(後述)。なかでも細菌、特にヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)による急性喉頭蓋炎が最も注意を要する。ジフテリア菌の感染によるものは真性クループ(喉頭ジフテリア)と呼ばれ、仮性クループとは異なる病態であり、今日ほとんど見られない。
パラインフルエンザウィルス1型、2型が最も多く、約70%を占める。インフルエンザウィルス、アデノウィルス、RSウィルス(RSV)などがこれに次ぐ。RSVは毎年冬期に大流行する。麻疹ウイルス、風疹、水痘ウイルスがクループ症状を起こすこともある。
小児期にクループの多い要因:
・小児の喉頭組織が粗である。
・小児では喉頭の位置が成人より高い。
・喉頭蓋が声門に近く、喉頭蓋と声門の作る角度が小さい。
・喉頭蓋が軟らかく、浮腫を来しやすい。
・輪状軟骨部が上気道で最も狭い。
診断:
・臨床症状。
・高圧X線写真撮影で確定診断と狭窄の程度を把握する。
・血液培養。
・声帯より上部の病変は喉頭鏡やファイバスコープで直接みることができるが、声帯より下の病変は麻酔下での観察に限られる。
感染以外の病因:
・アレルギー性機序によるものが多いと考えられているが、その病因や程度は症例により異なる。
・アレルギー素因のある児がなんらかの刺激により喉頭の血管運動性浮腫を来し、クループ症状を呈することがあり、反復性の場合が多い。
・食事アレルギーのある児が食物抗原を摂取して、喉頭狭窄を来す場合もある。卵アレルギーで時にみられる。
・アレルギー反応以外には,低カルシウムによっても喉頭けいれんが起き、クループ症状を示すことがあるといわれている。