オムツの色、臭いから推定する病気


 乳幼児の尿の色は普通、薄黄〜黄色です。新しいうちは臭いはほとんどしませんが、夏など、汗を沢山かく時は色は濃くなり、尿中の塩分や窒素成分の臭いがします。以下に説明する尿の性状は頻度は少ないが、あるかも知れない病気です。心配な時は診察を受けて下さい。

尿の色の変化

色の変化

病名

原因

症状

遺伝

治療法

黒い尿

アルカプトン尿症

ホモゲンチジン酸酸化酵素の欠損により、尿中に多量のホモゲンチジン酸が排泄され、尿が黒変する。

排尿後、時間がたつにつれ特にアルカリ尿で黒変する。小児期は尿の黒変以外は無症状。中年以降に関節炎、耳、鼻、頬に組織褐変症を発症する。

あり

有効な治療法はないが、生命に差し迫った危険なし。

青い尿

青いおむつ症候群

必須アミノ酸であるトリプトファンが小腸で吸収されず、大腸の腸内細菌により分解され、インドール化合物となり吸収され、尿中にインジゴ青として排泄される。

生後まもなくより尿によっておむつが青い色に染まるのが特徴。発熱、便秘、不機嫌、発育障害などの症状が現れる。高カルシウム血症、腎結石を伴う。

不明

低カルシウム食。抗生物質により腸内細菌を抑えトリプトファンの分解を防ぐ。

赤い尿

1.血尿

2.尿酸塩尿=多い


(レッシュ・ナイハン症候以外は心配なし)

血尿:腎臓、膀胱、尿道など尿路からの出血。
尿酸塩:1.生理的に濃い尿の時におむつに尿酸塩やシュウ酸塩のピンク〜赤い色がつく=心配なし。
2.レッシュ・ナイハン症候
=血中や尿中に尿酸が異常に増加する。

レッシュ・ナイハン症候:稀。
生後まもなくよりおむつに褐色〜赤褐色の尿酸塩結晶が付着。3〜4ヵ月ごろから運動発達の遅れ、運動障害、知能障害。2才以降に口唇頬部粘膜、指先を強く噛んだり、頭を打ち付けたりする自傷行為が出現。腎結石による腎障害、腎不全が致命的となる。

保因者は母親、男児に発症。

なし。
遺伝カウンセリングにより、出生を予防する。


尿の臭いの変化

臭い

病名、頻度

原因

症状

遺伝

治療

ネズミの尿の臭い

フェニルケトン尿症1人/8〜10万人

必須アミノ酸のフェニルアラニンを代謝する酵素の異常による。

生後6ヵ月頃から精神運動発達遅滞、けいれん、赤毛、白い皮膚。湿疹。

保因者(1/150〜160人)同士から25%の確率で生まれる =  常染色体劣性遺伝

フェニルアラニン制限食を生後1ヵ月以内にはじめる。新生児マススクリーニングで発見される。

カエデシロップのような甘い臭い

メープルシロップ尿症
1人/50万人

必須アミノ酸のロイシン、イソロイシン、バリンを代謝する酵素の異常による。

重症では生後1週間めから哺乳力低下、嘔吐、意識障害、呼吸困難、けいれんが始まる。
間欠型、中間型あり。

常染色体劣性遺伝

ロイシン、イソロイシン、バリン制限食を早期に始める。
新生児マススクリーニングで発見される。

汗くさい足の臭い

イソ吉草酸血症

ロイシンの中間代謝酵素の異常による。

生後2、3日目から嘔吐、嗜眠、低体温、出血傾向、汗くさい足様の臭い、昏睡。軽症もあり。

常染色体劣性遺伝

低蛋白食、グリシン療法。

ネコの尿の臭い

ベータメチルクロトニール尿症

ロイシンの中間代謝酵素の異常による。

生後数週間目から筋緊張低下、骨格筋萎縮、舌筋繊維収縮、ネコ尿様の尿臭。

常染色体劣性遺伝

なし