さて、今度はタラシの長さと錘の廻しスピードに関して松の字の考え方を書きます

この動作は次の動作の振込みと密接な関係があり分けて書く事が非常に難しい事で

判りにくくなってしまったようです、ましてや松の字我流でありますから間違った

事も書きます、皆さんの指摘、ご指導をよろしくおねがいします

 

対象は、初級〜中級を目指す方とします、決して入門者向けではありません、なぜ

入門者向きではないかと言うとある程度感覚的に判る経験者、失投の危険性を十分

判る方となります、入門者にいきなり説明してもそれは我々が「逆手で投げる」事

に等しいと思います

又、くれぐれも実践は 安全な場所で

対象は回転系V字がメインです、そして右利き(サウスポーの方は裏返して読んで

ネ!) 「コラ! 松の字のアホ! 誰かザブトン とっちゃえ」

       「スイマセン 左右入れ替えて読んでください」

 

みなさん投げるとき、オバースロー、V字、回転系 一体どれほどの垂らしを取っ

てますか? 松の字は回転系 30号で大体 3.03.1m 位です、ずいぶん長いで

す スリークオーターで投げるときは 2.02.5m 位です、投げ方 錘負荷 竿

の硬軟 に依ってなぜ違うのか ましてやタラシは必用なのでしょうか?

以下は、松の字の考え方です

 

錘の垂らしとは、一体どんな働きをしているのでしょうか

みなさんルアーキャスティングを見た事がありますか、我々の投げ釣りのフォーム

ずいぶんと違ってルアーの場合はいったん竿を後ろに振って間髪をいれずに前に振

ります、投げ釣りの場合はルアーの様に後ろに振る事は在りませんね 

(スイングの様に後ろに振っているように見えますが後ろに振っているのではない)

前に飛ばす事は同じなのになぜ硬違うのか、投げ釣りはタラシがあるからです

タラシがある為に錘がオクレて動く (このオクレると言う言葉は松の字の考え方

のなかに於いて重要な言葉です) 一体オクレると言う事はどんな事なのか説明す

ると

 竿先の動きに対してタラシの長さだけ時間的、距離的にオクレて動くと言う事で

竿を振り込む位置(例えば、竿先が投げる方向の海と正反対)に来た時廻されてき

た錘はその位置では無くまだタラシの分だけ竿先の後ろにいると言う事です、又タ

ラシがある事に依って振り出し半径(錘の動く半径を“振り出し半径”と記す)が

大きくなり同じ角速度で廻した場合錘の持つ運動エネルギーが大きくなります

 

廻しから振り込み、リリースまでのエネルギーの変化

回転系V字で説明すると 海に背を向けたキャスターはいったん海と反対側に錘を

廻します、すると 錘は投げる方向とは逆の力(ベクトル=負の力、エメルギー

と記す)が生まれ、そして今度は竿を海側に振り出しますと錘は徐々に方向を変え

ながら竿を曲げる事に依ってその負のエネルギーを一時的に竿に転化します

さらに振り込む事(正方向)により竿は依り大きなエネルギーが蓄積され、錘も正

のエネルギーを与えられ海側に動き始め竿の加速度比が(キャスターのパワーが

竿を曲げるパワーを下回る)1以下になると竿は反発を始め今度は錘にエネルギー

を戻します、その大きな正の力を持った錘は地球の引力に逆らい上空へ飛び出し美

味しいエサをキスちゃんの元へ飛んで行くのです

 

それでは、肝心なタラシの長短はどう違うのか

短い: 振り半径が長い方に比べて小さくなります、余り短いと前記の負の力を大

きくするには廻し速度を早くする必用がありその速度以上に早く振り込まなければ

さらに竿を大きく曲げられなくなります

 

同じ角速度で廻る錘のエネルギーは次式に依って表されます

 

円運動をしている錘のエネルギー = 錘の重量 × 円周速度

  (錘の重量が同じならば円周速度に比例します)

円周速度 (一周廻る速度)= 2 × 円周率 × 半径(擬似) ÷ t()

で、同じ時間で廻した場合、錘のエネルギーは擬似半径に比例します、この事は擬

似半径が2倍になればエネルギーも2倍となり又2倍の半径を持った錘は2倍の時

間を掛けても同じエネルギーが生まれる事になります

       長い方はユッタリ廻せば良い事に

 

長い: 錘がオクレてくる、極端に長いタラシは廻して外に出しエネルギーを短い

タレシより大きく得る以前に上手く錘が出せるか、と言う問題が出てきます

(スイングの長いタラシと廻し込みは別です あれは、本当に良く出来た投法だと

思います)

タラシが余り長いと上手く外に振り出せないのです、出せない所か廻す竿先よりも

錘が内側に入ってしまう事さえあるのです、竿先は円の弦を描くのに錘は弧の部分

を通過し、弦と弧は同じ時間を掛けて動きますから 速度比は 弦 ÷ 弧

1< となりスピードが遅くなってしまいせっかく遠心力に依ってパワーを得る

事が効率よく出来ません

しかしですよ! 長いタラシと言うのは上手く出せればユックリ廻せると言う魅力

があります  

次に何とか上手く外に出せる限界の長さ(長い)で加速が出来たらどうでしょうか

エネルギーの増加に対しては理想的になるのですが次のステップ(降り込み編)

の時に錘が竿を曲げる為にチャント乗ってくるか?  と言う疑問が出てきます、

     ・・ 錘が “オクレ” て来るから

 

それでは、振込みを開始する時に錘は一体どの位置にいるのでしょうか(松の字

振り込み開始の錘の位置は重要なポイントとして捉えています)

 

タラシが無い場合 : 当然竿先です、振り出し半径は竿の長さだけとなり負のエ

ネルギーの増加は早く廻さないと得られません、そして“オクレ”がないので振込

みはさらに早くなります

適正なタラシ : 錘はタラシの分だけ“オクレ”て来ますが過大なオクレではな

いので振込みの時にわずかに竿を持ち上げる時点から錘の負のエネルギーで竿が曲

がり始めます(最初から上手く乗る)

長すぎるタラシ : “オクレ”の度合いが大きくて竿をかなり振り込んだ位置か

らようやく竿が曲がり始めて更に振り込もうとしても腕が伸び切ってしまいます

       過大なタラシは錘をセットした時点でかなり“オクレ”ているのですぞ !

       色々なキャスターの振り込む時のタラシの長さと錘の位置を注目して下さい

 

みなさん、一体タラシの長さはどういう方法で決めていらっしゃるんでしょうか

短いタラシからだんだん長くして力糸を掛ける指が痛くならない位置が一般的だと

思いますが、結構、的をえた決め方の様な気がします(今まで長々と書いたの

は何なの?・・・と言は無いでサー)

指の痛みは次の理由で起きると松の字は考えます、タラシが短いと錘と竿のなす角

度が90度より大きくなりラインを引き出す力が大きく、タラシが長いとオクレを

生じ竿と錘のなす角度が90度以下となりラインを引き出す力が小さい、この大小

が指の痛みを感じさせていると考えます

痛みを感じなくなったタラシと言うのは竿と錘が90度に近く又、この角度は竿を

一番曲げやすい角度なのであります、

しかし、このタラシの長さは錘を“長く乗せろ”と言う事になると実際には少し

短めがベストだと思います(竿乗りを早めにしてMAXパワーの時間を長く取る為)

 

先調子、胴調子とタラシ  エ!ど〜ゆう事

先調子の竿が曲がりその先に錘が付きますこの錘と曲がった竿が一直線になった所

までが見かけ上のタラシになります、柔らかい先調子の竿ほど錘に引っ張られて一

直線の部分が長くなりますネ、振り出し半径の減少、オクレの発生、硬く胴調子の

竿では竿先が余り曲がらないのでタラシの長さはさほど変わりません、この結果、

先調子の竿は胴調子の竿に比べて振りやすいと言う感覚になるのでは、と考えてい

ます。

したがって、先調子の竿はタラシを少し短くする必要があると思います

 

短めのタラシで力いっぱいの振り込み、竿は途中から松の字当りではどうの、こう

のと出来ない位、重く硬く感じる、あと二押し いや一押しだろうか、この当りか

らがハイレベルキャスターの領域で」あろう・・・

垣間見た気がする別世界の入り口、  アーア、又竿に笑われた

 

始めに出て来たルアーキャスティング、いったんバックスイングで負の力を大きく

そして一気に振って正の力、上手く曲がったでしょう、どこで結びつくかハラハラ

しましたネ!

 

 「お〜い、だれか、松の字にザブトン一枚」  おあとが、よろしいようで

                               m(__)m