耳鼻いんこう科・アレルギー科野垣医院
Tel.&Fax076(421)4073
耳鼻咽喉科の痛み
痛いということは誰でも非常にいやなものです。頭頚部の領域にもいろいろな痛みがあります。外来で見るよくある痛みについて簡単に解説いたします。

耳痛(耳の痛み)
耳の痛みは耳疾患のみによるとは限りません。耳に近い他の部分からの放散痛もしばしば見られ、関連性耳痛又は放散性耳痛と呼ばれます。また、一般に内耳疾患では訴えられません。外耳、中耳、隣接臓器(歯牙、鼻腔、副鼻腔、咽頭、扁桃、喉頭、口腔、顎関節など)の炎症や腫瘍からおこります。知覚神経に異常があるときには、神経性耳痛と呼ばれます。

前頭部痛(おでこの痛み)
あまり頻度の多いものではありませんが、時々経験いたします。右、左または左右の額に一致した重苦しい痛み、または非常に強い絶えられない痛みを訴えます。鼻閉、鼻漏とともにおでこのズキンズキンとした強い痛みを伴うことが多いようです。一晩中寝られなかった例がありました。これは、前頭洞というところに膿汁がたまりうまく鼻腔へ流れないからです。急性前頭洞炎といわれ、副鼻腔炎のひとつです。左右のコメカミ、後頭部の痛みを訴えることもあります。

咽頭痛(のどの痛み)
今日、のどの強い痛みを訴える人が来ました。2〜3日前から痛みが生じ、特に発熱はありません。鎮痛剤で一時痛みは和らぎましたが、今朝からはさらに増悪し口もあけられません。食事ものどを通らず、飲み込む動作ができません。口の開き方がやや悪くなってきました。
無理に開口させ舌を下方に圧迫し咽頭を検査いたしますと、右の口蓋扁桃が強く発赤し腫脹しています。発赤腫脹は正中を超え反対側にまで及んでいます。右口蓋扁桃の表面には黄色い膿栓子が少数見られます。もちろん開口障害が強く痛みによる嚥下困難があります。
診断は、右扁桃周囲膿瘍といい、右扁桃腺に限局していた炎症が周囲に拡大したものです。主に患側の咽頭から下咽頭の激痛があり同側の耳下部への放散痛を生じます。強力な抗生物質療法が必要ですが、ある程度度を越せば切開拝膿が必要です。


back to the top

耳鼻咽喉科のアレルギー

耳鼻咽喉科のアレルギーについて思いつくことを書いてみます.

一番多いのはアレルギー性鼻炎です。原因はいろいろありますが、花粉によるものを特に「花粉症」といっています。富山県では、2月下旬から3月の初めにかけて毎年「スギ花粉症」が始ります。アレルギー性鼻炎は昔はあまり見られませんでした。昭和30年頃に初めて日本で報告されています。なぜ急に増加したか、いろいろな説がありますが、戦後に植林した杉の木が現在大量の花粉を出している、大気の汚染が進んでいる、戦後日本人の食生活が変わり欧米並みになりアレルギー体質の人が増えた、等があげられます。

「花粉症」のとき、は長い間花粉にさらされていると、体が敏感になり、後年の同じ時期に再度花粉を吸入すると発作的に症状を出します。
鼻閉、鼻漏、くしゃみが主な症状で、ひどい時には眼球が充血し、掻痒感が強くのどがイガイガしたり、頭痛がすることもあります。よく風邪と間違うことがあります。はっきり診断が付けば治療になりますが、現在では薬剤による治療が主流になっています。

「スギ花粉症」は、富山県の場合、二月下旬ないし三月の初めから始まります。大体鼻の症状から出ますが、眼の症状、或いは喉のイガイガした感じから始まる人もいます。鼻の症状が強く出ますと、まったく仕事になりません。とりあえず薬剤で症状をコントロールすることになります。最近花粉の飛散時期の約二週間ほど前から抗アレルギー剤を内服する初期療法が強く叫ばれていますが、外来で指導しますが中々徹底いたしません。やはり発症しないと受診されないという事情があります。初期療法で成功しますと、うまく行けばシーズン中まったく症状が出ず、また出ても非常に軽くてすみます。しかし、花粉飛散量が増加しますと、うまく行ったと思っても悪化する人がいます。やはりケースバイケースでしょうか。

小児にアトピー素因がある場合、乳児期にアトピー性皮膚炎が発症し、幼児期に気管支喘息、学童期に花粉症の出ることが多く、アレルギーマーチと言われます。ところが最近、スギ花粉による感作の低年齢化が明らかになりました。スギ花粉に特異的な抗体の産生は4〜5歳に始まると言われますが、生後1年以内に抗体産生の上昇が認められた例が報告されており、1歳児の20%以上がスギ花粉特異的抗体陽性との発表もあります。「スギ花粉症」の低年齢化している事には疑う余地がありません。

鼻アレルギー(含 花粉症)の診断について
日本アレルギー学会では、「鼻アレルギー(含 花粉症)の診断と治療」のガイドラインを出しています。ルーチン検査として、問診、視診、鼻汁及び血液好酸球検査、副鼻腔レントゲン検査、皮膚反応検査、鼻誘発試験、血清非特異的IgEおよび特異的IgE検査をあげています。日常の外来では、問診、視診、鼻汁好酸球検査、副鼻腔レントゲン検査等で大体見当がつきます。抗原の検索には、血液検査をします。また、アレルギー体質かどうか、アトピー性皮膚炎や喘息があるかどうか、両親や兄弟にその様な人がいるかどうか、等を参考にします。抗原の検索で何か原因抗原が判明すれば治療に入りますが、1種類ならば比較的コントロールしやすいが、複数の抗原の場合ではそれだけコントロールは困難になります。



back to the top