アルコールについてのABC 




【人類とアルコ−ルの関わり】 【依存が形成される要因とは】
【依存をもたらす薬物とは】 【不眠とアルコールについて】
【上手な飲み方10則】 【飲酒とストレス】
























 人類とアルコ−ルの関わり 



アルコールの出現
 アルコールは、人類が地上に現れる前に、落下した果実にアルコールを発酵しやすい酵母が入り、アルコールが誕生したものであろう。ただ、動物もアルコールを口にする機会があったであろうが、酔いは死と隣り合わせであるのか、本能的に避ける傾向がある。意図的にお酒と関わりを持つようになったのは、やはり人類の誕生を待たねばならないでしょう。人は動物より賢いのか、愚かなのか?。
 酒の始まりは葡萄酒と考えられている。容器に物を蓄える技術を持った後に、蓄えていたブドウから葡萄酒ができるのを人類は発見したのでしょう。エジプトのピラミッドから酒壺が見つけだされたり、壁画に葡萄酒の製造過程が示されており、紀元前5000年頃には酒を自分たちのために人類は持つようになったのでしょう。考古学的な発見によって、この歴史的事実の証明はさらに昔にたどられていくかもしれません。
 石器時代には、少数の民族を除いて人類はアルコールに親しむようになる。それは、単に楽しむだけでなく、宗教的儀式や医療技術にも使用されるようになる。
 その後、人類は生産力を高めた。しかし、一般民衆はその中でも特別な人が、特別な時や場所でしかアルコールと接することはなかった。それに反して、一部の特権階級にのみ、アルコールを常時、思うままに飲酒することができ、アルコ−ル関連問題が発生(例.毛利元就の父や兄)した。
アルコールの大量生産時代
 産業革命に入ると、大量のアルコ−ルの生産、消費ができるようになり、アルコ−ル関連問題の大衆化がここに出現した。イギリスでは、「ジンの時代」と言われたように、安いジンによって、ロンドンの街を酔っぱらいで埋め尽くされるという光景まで出現した。
 人類は、自然界で見つけたアルコールを、さらに蒸留という方法で高濃度のアルコールを大量に手に入れることになり、大量消費時代に突入することになった。
現代社会とアルコール
 現代社会を維持するためにアルコ−ルが必要であったと言う人もいるが、日本ではアルコールの消費量の毎年の増加や、安い飲み物として、女性、老人、そして中学生や高校生まで飲酒が拡がってきている。ジョニ黒やナポレオン慎重された時代は、昔話として語られるに過ぎなくなったのだ。日本では、国民に対して積極的にアルコールの飲酒について、その長短について十分な啓蒙がない限り、当分の間ますますアルコール依存症は増加傾向を示すであろう。






















 依存が形成される要因とは 



 アルコ−ルやモルヒネなどの麻薬がどうして人に薬物依存をもたらすのだろうか。それには、3つの要素が複雑に絡み合って発生していると考えられている。
 @人の要素 
  薬物摂取によって快感効果をもたらす強さの個人差
   麻薬を使用しても、快感は個人差があり何とも思わない人から、最初から感じる人と違いがある。
  性格傾向
  生育過程
   ACに認められるように、薬物に逃避しやすい傾向がある。
 A環境の要素 
  薬物の生産拠点との関係
   アメリカと南米に認められるように、薬物が生産される場所に近いか運搬しやすさがある。
  薬物に関する情報
  経済社会問題
   ベトナム戦争後に認められた米国での多剤乱用例がある。
 B薬物の要素 
  依存に成りやすい薬物 との出会い
   次の表でわかるように、依存になりやすさが薬物によって異なります。

サルの実験による精神依存の強さ(柳田による)

 カ フ ェ イ ン   100 
 ニ コ チ ン   800−1600 
 ア ル コ − ル   3200−6400 
 ア ン フ ェ タ ミ ン   3200−6400 
 ペ ン タ ゾ シ ン   3200−6400 
 モ ル ヒ ネ   1600−6400 

 この実験は、カフェインであれば、100回以内のレバー押しであれば、サルはカフェインを求めてレバーを押し続け、100回以上押すのであればあきらめる限界の値である。この表から、アルコールはタバコ(ニコチン)に比較して4倍ほど精神依存が強いことになる。さらに、アルコールは次の表で示されるように、身体依存がかなりあることより、タバコと比較して、アルコール依存から脱却しにくいのがわかっていたたけると思う。



























 依存をもたらす薬物とは 



 依存をもたらす薬物は、すべて脳に働く薬物で、強さは別にしても精神依存をすべて有している。しかし、薬物を急に減量ないし中止したさいにあらわれる離脱症状(退薬症状)の有無によって、つまり薬物に対する身体依存の有無により、次のようなタイプに分類されます。アルコールは、バルビタ−ルならびにアルコ−ル型に位置づけられており、精神依存よりも身体依存が強い薬物です。
 アルコールも長期間大量に使用すると、なかなか危険な薬物だということが理解できますね。私たちは、アルコールとうまくつきあうマナーを獲得する必要があります。
 @モルフィネ型
 Aバルビタ−ルならびにアルコ−ル型
 Bコカイン型
 Cアンフェタミン型(覚醒剤)
 Dマリファナ型(大麻)
 Eカ−ト型(アフリカ産の植物の葉の成分)
 F幻覚型(LSD、シンナ−など)

 依 存 性 薬 物 の 特 徴 

 依存性薬物名   中枢作用   精神依存   身体依存   耐 性 
 アルコ−ル   抑制   +2   +3   +2 
 モルヒネ   抑制   +3   +3   +3 
 コカイン   興奮   +3     0     0 
 アンフェタミン   興奮   +3     0   +2 
 有機溶媒   抑制   +1    ?    ?