「北日本新聞」平成9年2月27日(木)社会2面

【アルコール依存症 脱却法教えます】

富山市民病院・吉本部長

ホームページ開設


 アルコール依存症の治療に取り組んでいる富山市民病院精神・神経科の吉本博昭部長がインターネットに「北陸・Goodbyアルコール依存症」と題したホームページを開設した。アルコール依存症のチェックリストや治療法などが紹介されており、吉本部長は「依存症についての知識を広く知ってもらいたい」と利用を呼び掛けている。
 アルコール依存症患者は全国で二百三十万人といわれ、県内でも二万千人がいると推計される。最近は若者や女性、高齢者の患者が増え、深刻な社会問題となっている。
 ホームページではアルコール依存症になっているかどうかを自己診断するチェックリストや治療への導き方、治療方法をはじめ、北陸四県の専門治療機関、断酒会などの自助グループなどを紹介。依存症に対しては内科医らと精神科医との併診治療が望まれることや、育った環境や家族の接し方が大きくかかわることから家族を含めた治療が必要であることが分かりやすく説明してある。
 勤務が終わって帰宅した後、こつこつとホームページを作ってきた。吉本部長は「患者を抱える家族や、相談を受けることの多い保健婦、医師に依存症についての正しい知識と、対処方法を知ってもらいたい。メールを使って質問などにも答えていきたい」と話している。