---

◎内観法創始者吉本伊信先生逝かれて１０年になります。この会は、伊信先生が亡くなられて初めての日本内観学会が富山で開催されたことが縁で始まっており、是非記念事業を行いたいという希望もあり、いつもより時間やプログラムの内容を充実させて開催されました。
　現代社会は、経済の低迷、官僚機構の破綻、政治の混迷に揺れています。家庭においても、不登校児が１０万人を越えるなど子供達の危機や、父親や母親のあり方が問われています。個人においても、生きづらさを感じる時代です。
　そんな中で、「生きづらさに心のひとひらを」という総合テーマで、講演とシンポジウムが行われ、フロアの皆さんからの活発な意見交換が行われました。

---

第５０回北陸内観懇話会記念事業
総合テーマ 「子供が直面している危機とは」

　日　時：平成９年１０月５日（日）12:00-17:00
　会　場：富山市民病院３階講堂
　　　　　富山市今泉２９２（０７６４−２２−１１１２）

＜プログラム＞
総合司会　山本征彦（山本歯科医院）

１２：００〜	受付開始
１３：００〜	開会の挨拶　　草野　亮（北陸内観懇話会会長）
１３：１５〜	体験発表　　　門屋なつみ（上越教育大学大学院生、中学校教諭
１３：４５〜	基調講演『子どもをつつむ現代の危機とその克服』
	虚と実の世界から考える
	司　会　　草野　亮（北陸内観懇話会会長）
	講　師　　筒井健雄（信州大学教育学部教授）
１４：４５〜	休　憩
１５：００〜	シンポジウム　「子供が直面している危機とは」
	シンポジスト　　松平義麿（前・呉羽中学校校長）
	（現・親と子と教職員の教育相談）
	志麻愛子（まいけ編集室代表）
	吉本博昭（富山市民病院）
	長島正博（北陸内観研修所）
	コメンテーター　筒井健雄（信州大学教育学部教授）
	司　会　　　　　土肥由美子（富山警察署）
１７：００〜	閉会の挨拶　　土倉道之（北陸内観懇話会参与）
１８：００〜	懇親会「雅」

　今回は記念講演が行われたためか、１００人近くの参加者がありいつもよりさらに活気がありました。体験発表はいつものように感動的であり、自分と向きあうことの大切さを教えられました。筒井先生の記念講演は格調のある話でしたが、難しかったようです。しかし、シンポジウムのコメントは適切で基調講演の第１反抗期から第３反抗期の意味が納得できました。シンポジウム「子供が直面している危機とは」では、４人のシンポジストの話がありました。教育、医療、内観、主婦の立場からの子供の危機をめぐる具体的な話がありました。時間がなく討論が十分になされなかったきらいがあり、今後ミニグループでこのテーマを話し合ってはどうだろうかという感想を持ちました。

• 日時：平成９年７月２０日（日）ＰＭ２：００〜４：００
• 場所：富山市今泉２９２　富山市民病院３階講堂
  
• 内容：体験発表
  　　　　　　澤谷孝満（新川女子高校）
  　　　演題　「内観が拓く心と体」
  　　　　第２０回日本内観学会報告
  　　　　　　土肥由美子（富山県警）
  　　　　内観療法とホメオスターシス
  　　　　　　草野　亮（福井県立精神病院）
  　　　　摂食障害の母子内観
  　　　　　　長島正博（北陸内観研修所）
  

• 日時：平成９年５月１８日（日） 午後２時〜４時１月２６日（日）
• 場所：富山市今泉２９２　富山市民病院３階講堂
  
• 内容：体験発表　　
  　　　 講演：「癒しとことば」
  　　　　　　　　　　　　　　　　　大割範孝氏（北日本新聞文化部記者）
  

• 日時：３月１２日（水） 午後６時〜８時
  
• 場所：富山市今泉２９２　富山市民病院３階講堂
  
• 内容：「企業と内観」
  石井　光（青山学院大学教授）により、内観についてわかりやすい話しあり。
  同氏の通訳によりドイツ語圏の講師の話が続いた（フランツ・リッター、ガブリエル・フェルダー、クリストフ・ノイバヴアー、ジーメンス、フランツ・ラムスコグラー、ガブリエレ・ホフシュテッター、レオポルダ・パッサー、ヴァルター・プセナー、カレン・シュタントケ、クリスタ・カベスク氏ら１０名）。
  フランツ・リッター氏は、内観の体験が自分の人生を変えた。内観には、静けさと、自分と対決して自分を調べるという２つがあることがわかった。内観が企業の経営者にとっても有用であることを２人の人物を通しての紹介があった。
  フランツ・ラムスコグラー氏は、内観体験を通して、心の抵抗をなかなか越えることができなかったが、「トゲを抜かないでいるとずっと痛い。抜くときは痛いが、抜けばその後は楽になる。」と気づいたとき、静けさの中で、自動的に越えることができたと語った。
  ガブリエレ・ホフシュテッターさんは、内観によって父を知ることにより、夫との関係に大きな変化をもたらしたし、男性のお客に対しても、まったく新しい関係をもたらし、すべてに対してポジティブに対応できるようになった。内観による感謝の気持ちは、仕事のや家族に対しても、簡単で快適となった。周囲の人がそうであるのを、そのまま受け止められるようになった。このようにあるべきであるのではなく、そのまま受け止めれるようになったと語った。
  
• その他：元事務局であった土倉道之氏に、この会の参与として活躍していただくことが報告された
  
• ガブリエル・フェルダー氏より、第３回内観国際会議開催予定の連絡あり。場所は北イタリアのグリュクセンで古い修道院の会議室、日時は平成９年９月８日〜１２日の開催。音楽やダンスパーティ、中世の城や、ゴンドラに乗るなど楽しみも待ってますという開催者のおはなしがあった。

• 日時：１月２６日（日）　午後２：００〜４：００
• 場所：富山市今泉２９２　富山市民病院３階講堂
  
• 内容：体験発表　　谷地紀子
  　　　 講演：試練を乗り越えてこそ人生が見えてくる」
  　　　　　　　　　　　　　　　　　遠藤正信（常永寺住職）
  
• その他：事務局が長らく会を支えていただいた土倉道之氏から、酒井行雄氏に交代の報告
  
• ４７名の参加者があり、熱気のこもった会となりました。