平成8年度後期アルコールセミナーたより(No.4) 

(平成9年1月17日)



 雪が降り続く日もありますが、梅の便りもちらほらと聞かれる頃となりました。春の足音が少しづつ聞こえてきますが、皆さんいかがお過しでしょうか。 さて、新年に入り最初のアルコール・セミナ−が1月17日に開催され、寒い日にもかかわらず20人余りの方が参加されました。
 今回は、富山市民病院臨床心理士、山野先生による「アルコール依存症者への接し方」についての講演でした。その内容についてご紹介します。
(1)アルコール依存症の人がいる家族の変化
 ●家族がまとまるためにお酒の問題を話そうとしない、信じようとしない
 ●依存症者が働かないと家族が働いたりして役割が変わる
 ●安定した状況がなく、予想がつかないため、しきたりが変わる
 ●会話が変わるか、途絶える
(2)世話焼き(愛情から生じる)のパターン
 ●酒を隠す、量を加減する、捨てる等飲酒のコントロール
 ●仕事、家族、ストレス等飲酒の理由をコントロール
 ●物を壊す、自動車事故、欠勤の言い訳等飲酒の結果をコントロール
 ▼これらは 飲 酒 の 助 長につながる。
 そこで、家族にとって見ている事はつらいが、飲酒と痛みのつながりが見える事が必要
(3)家族の対応の仕方
 1.病気について理解する
   慢性で進行性の死に至る病気。飲むこともやめることもできない
 2.飲酒に振り回されない
   飲酒のコントロールができない病気。節酒や適量、上手な飲み方などの約束は無駄
 3.飲酒の理由に振り回されない
   アルコール依存症だから飲む。
   他の問題があるから飲むのではない。妻のせいでも、仕事のせいでもない。
 4.責任と役割を果たすように
   後始末は結果として飲む行為を助けることにしかならない。
   片方が愛情を注ぎ、片方が受けるだけでは夫婦関係が親子関係になってしまう
 5 尊敬と信頼を取り戻す
   責任のとれる人として接する。世話焼きや後始末は子供扱いすることになる。
 どれほど一生懸命にやってきたか、どれほど大変だったか、自分自身が傷ついた体験を語って、聴いてもらって、癒すこと。そうやって、家族が自分を取り戻す事が必要。自分が自分を認めてあげることが大切。
(4)ものの見え方感じ方
 出来事が感情を引き起こすのではなく、出来事をどう考えたのか、どう受け取ったのか(思考)で感情が決まる。
 出来事→思考→感情→認 知
(5)認知療法的な考え方の話

 今回のアルコール・セミナ−は雪の降る中、多くの方々に集まっていただきました。アルコール依存症者への接し方についてはみなさんが共通して、悩まれるところだと思います。
 山野先生の講演のなかでも話題になったように、家族はとても愛情が深くてどれだけ愛情を注いでも足りないと思ってしまいがちです。そして自分を責めてしまいます。でも、家族のせいではないということを今回のお話でもう一度確認できたのではないでしょうか。
 吉本先生や山野先生を交えた話し合いの中で、参加された方が、みんなに会うために来た、来て良かったと話してくださいました。(文責:杉本留美)