サブグループ・シングル  



シングルとは

 サブグループ・シングルは、断酒会のサブグループとして、女性ア症者グループ「アメシストの会」と同じように単身ア症者のグループです。
 このグループは各地で単身者の集まりの活動が行われていたものを、平成5年4月からより全国的ネットワーク作りを始め、現在全断連主催の研修会や大会で「シングル」としての活動を行っています。
 このグループの構成員の単身ア症者とはどんな人でしょうか。非結婚者もいますし、離婚者もいます。家付き母付きを確保しながら一人アパート住まいの独身貴族から、ホームレスまで幅広い層がその対象者です。しかし、今までは、医療側にとっての単身者は厄介で回復しにくい人たちというイメージがあります。それは、ホームレスのア症者の治療に係わった場合、彼らが回転ドア症候群のように病院を出たり入ったりしながら死にいたる現場に立ち会うことにより持つ無力感から生じているのかもしれません。
 最近は、ア症の治療が外来治療に力点が置かれるようになるにつれて、そのイメージが変化しつつあります。私が勤務している富山県でも、サブグループ「シングル」の集いが開催されるようになってきています。その世話人は、入院体験者だけでなく非入院体験者も混じり活動が行われています。
 一方、断酒会のミーティングで十分でないかという意見もあるでしょう。確かに、かなりの部分は通常のミーティングで事足りるかもしれません。断酒会において夫婦単位での例会出席が叫ばれ、家族の出席が増えれば増えるほど、単身者にとってその寂しさは否めないものがあります。やはり、女性のア症者が女性グループでしか語れないことがあるように、単身者の集まりでしか語れない固有の問題もあるのも事実です。サブグループの出現は自然の流れとも言えるでしょう。
 男女の在り方が変わりつつあります。昭和61年に施行された男女雇用機会均等法により女性の労働市場への参加が増え、平成9年の均等法改正により女性の職場進出がし易くなり、女性は食べるための結婚をする必要がなくなってきています。さらに、過去には女児より男児が多く生まれ多く男児が死ぬことにより男女比のバランスがとれていたものが、医療の進歩により男性余りの時代となっています。これからは、結婚をしない女性が増え、離婚することに女性の勲章と考える女性も出始めている現代、単身の男性が増加し、単身ア症が増えるのは時代を反映しているとも言えるのです。シングルが活動の場を拡げるのも時代の要請とも言えるでしょう。
 最後に、サブグループ・シングルのホームページもありますので読んでみてください。