Notscape: The CyberGumshoe


サイバーガムシュー


  

#4---- 男性作家はみんな子羊よ



 
さて、やっと男性作家のホームページを紹介できると思ったら、ミステリ読者の井戸端会議DorothyLで、デイナ・スタベノウのウェブ・サイト開設のお知らせがポスト(掲示)されたので、さっそく訪問したみた。
 
Dana Stabenow's Home Page には、96年5月に刊行されたばかりのケイト・シュガックもの6作目 The Blood Will Tell の宣伝ツアー、シュガックもの、SFのスター・スヴェンズドッターもの(3作)、著者紹介、FAQ(よく訊かれる質問)のページがある。
 
今のところ日本では、アメリカ探偵作家クラブのエドガー賞(ペイパーバック部門)受賞作『白い殺意』と『雪どけの銃弾』(いずれもハヤカワ文庫)しか紹介されていない。このシリーズは初めのうちバークリーのペイパーバック・オリジナルで出ていたが、評判がいいためなのか、5作目の Play with Fireからバークリー・ハードカヴァーで出て、前記の6作目からは同じ版元よりパトナム・ハードカヴァーとして刊行される。
 
スタベノウの筆が速いせいか、すでに97年刊の7作目 Breakup も、98年刊の8作目 Killing Ground も書き終えていて、6作目、7作目、8作目の一部をここでダウンロード(コンピューターにコピー)できるのだ。スタベノウはずっとSFを書いていたが、スー・グラフトンやサラ・パレツキーに影響されて、強い女性を主人公にしたミステリを何の当てもなく書いたあとに、原稿のはいったフロッピー・ディスクをガレージに2年間も放っておいたという。90年にそれを発見して、担当編集者に見せてから、このアラスカを舞台にした「狂気沙汰」が始まったという。
 
これはスタベノウがプロのホームページ制作会社に頼んで作成したものだが、版元のパトナム/バークリー(MCAの傘下)が宣伝のために作ったスタベノウのページよりもずっとずっといい。

 

それでは、男性作家が自分で作成したホームページを紹介しよう。まず、『殴られてもブルース』(ハヤカワ文庫)でエドガー賞(ペイパーバック部門)を受賞したスティーヴン・ウーマックのホームページ The Womack Web を訪問してみよう。
 
ブリンク(点滅)する電球をクリックすると、「スティーヴン・ウーマックです。ようこそ」というウーマックの声が聞こえる。この第4号では、デントンものの前にジャック・リンチ3部作を書いた経緯を説明している。ニューオーリンズの新聞記者として働いていたときに、1作目 Murphy's Fault を書いたが、20社以上の出版社から拒否された。35歳で失業してから、もう一度書き直して、やっと12年後にその小説がセント・マーティンズに売れたらしい。リンチもの3部作はすでに絶版になっているので、このサイトで一部をダウンロードできる。もちろん、96年5月に刊行された4作目のChain of Fools を含むジョン・ハリー・ジェイムズ・デントンものの一部もダウンロードできる。
 
ウーマックは The Writer's Edge Ezine でWriting Down the Blues というコラムを連載している。できれば、1号から3号までのバックナンバーも読めるように残しておく気配りがほしかったね。
 
男性作家が作成したホームページの中で一番よくできているのは、 Parnell Hall's Mystery Page だろう。ホールとその存在しない友人J・P・ヘイリーが文章を書いている。
 
96年3月にコロラド州ボールダーで開かれた《レフト・コースト・クライム》の報告、作品紹介(書き出しをダウンロードできる)、書評、アンケート、隔月クイズなどを公開している。日本では、ホールのスタンリー・ヘイスティングズもの初めの7作(『探偵になりたい』から『撃たれると痛い』までハヤカワ文庫)が紹介されている。8作目の Actor から版元がドナルド・ファインからミステリアス・プレス(ワーナーの傘下)に移ったので、タイム・ワーナーの巨大なウェブ・サイト、《パスファインダー》でホールのホームページが見られるのである。それにしても、ミステリアスが刊行しなかった初期の作品までこのサイトに再録させるのは、かなり寛大である。
 
ヘイリー名義の弁護士スティーヴ・ウィンスロウものを書き始めた経緯がおもしろい。1作目の The Baxter Trustは88年に刊行されたが、そのときはまだ覆面作家だった。ジャケットの作家紹介によると、ヘイリーは「この10年間フリーランス記者として、殺人事件の裁判を取材していて、ニュー・イングランド地方の小さな町に住んでいる」らしい。ホールのほうは元私立探偵のパートタイム俳優であり、妻と二人の息子と一緒にニューヨークに住んでいる。
 
ホールはアール・スタンリー・ガードナーが書いたペリー・メイスンものの大ファンで、ガードナーが死んだときに、メイスンものを引き継がせてほしいと未亡人に頼んだが拒絶された。そのときはもう50ページ分書いていたので、それをあとでウィンスロウもの2作目 The Anonymous Client に書き直したという。
 
このほか、94年にシアトルで開かれた《バウチャーコン》でのホールとドナルド・E・ウェストレイクとのやり取りを聞けるのだが、おれのリアルオーディオの調子が最近おかしいので聞けなかった(いちおう文章にも起こしてある)。それに、ホールが脚本を書いた誰も知らない映画 C. H. U. D.のヴィデオ・クリップもダウンロードできるのだ。
 
隔月クイズでは、ヘイスティングズもの10作目からの問題10問に一番早く答えた人1名にヘイリーのサイン入りハードカヴァー、全問正解者の中から2名にホールのサイン入りペイパーバックを差し上げるというものだ。なかなか商売がうまい。ちなみに、ホールのヘイスティングズもの12作目 Scamは97年2月に刊行される予定。
 
ほらっ、今回はなんとか約束を果たしただろ? 次回は版元が宣伝用に作成した作家のページを紹介するので、期待しないで待っていてほしい。//


来月号に続く

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