Notscape: The CyberGumshoe


サイバーガムシュー


  

#6---- 男性作家は三人寄ってもおとなしい



 
それでは、出版社の宣伝用ホームページを訪問してみようか。まず、書籍関係のホームページを集めたThe BookWire Index の ミステリ出版社紹介のページに行ってみた。  
最初の Avon Books のミステリ書籍のページ Mystery from the Sourceを見ると、日本で紹介されている作家では、ネヴァダ・バー、ロバート・バーナード、ジャン・バーク、フェイ・ケラーマンがペーパーバック版をエイヴォン社から出している。そのほかには、なんと、ローレンス・ブロックの紹介があるではないか。   
ブロックは1年に2回ニューズレターを発行している。インターネットとか、ホームページが話題になる前から、おれのところには印刷されたものを送ってくれている。なかなか情報豊かで、どっかのウェブ・サイトに掲示すればいいのになあ、と思っていたら、こんなところにあったのか。これは出版社の宣伝ではなく、ブロック自身のための広告である。もっとも新しい 96年1月号を読むことができる。  
彼のソフト・ポルノ『危険な文通』(三笠書房絶版)が豪華限定版(布装は125ドル、紙装は45ドル)で再刊されることが報告されている。そして、「夜明けの光の中で」がTVドラマ化される。96年に刊行されるブロックの新刊は、スカダーものの Even the Wicked である。  
もう一つのビッグ・ニュースは、ニューヨーク公立図書館の裏手にブライアン公園があって、そこに「マット・スカダーのベンチ」が置いてあることだ。ブロックは五千ドルをその公園に寄付して、40丁目とシクス・アヴェニューのそばのベンチに「マット・スカダーのベンチ」と刻んだ真鍮の銘板を付けてもらったのだ。「そうして生き残った木の陰でベンチに坐り、この町もまんざら捨てたものではないと思うのは悪くなかった」という『死者の長い列』(二見書房)からの引用文も刻んである。  
ランダム・ハウス/バランタイン社のミステリー関係のページは、 Mystery Sample chaptersというもので、ペイパーバック部門のバランタイン社から刊行された作品のサンプルを読める。日本でも紹介されている作家はジャネット・ドースン、スチュアート・カミンスキー、ハリー・ケメルマン、ジョン・D・マクドナルド、シャーリン・マクラム、B・J・オリファント、アン・ペリー、スティーヴン・ウォーマックがいる。
 
とくに、ランダム・ハウスは宣伝用の電子ニューズレターを配布している。Murder on the Internet のページをめくると、94年9月号から96年の最新号までのバックナンバーを読めるのだ。もちろん、ほとんどが宣伝だが、サイン・ツアーの日程やインタヴュー記事(たとえば、96年6月号には『ニューオーリンズの葬送』のジュリー・スミス)も載せてある。ここで購読を申し込んだらしたら、毎月電子メールの形で送ってきてくれるぞ。  
パトナム/バークリー社の作家リスト Putnam Berkley Author Index を見ると、日本でも紹介されているミステリ作家は、パトリシア・コーンウェル(スクリブナー社から多額の契約金で引き抜かれた)、ディック・フランシス、マクシン・オキャラハン、ロバート・B・パーカー、ローレンス・サンダーズ、デイナ・スタベノウ、ミネット・ウォルターズがいる。  
その中で、 ピーター・ロビンスンを紹介したくなったのは、彼がインターネットの井戸端会議である DorothyL でよく投稿しているせいだろうか。ロビンスンは1950年にイギリスのヨークシャーで生まれ、リーズ大学で英文学学士号を取得してから、カナダのウィンザー大学で修士号を、トロントのヨーク大学で博士号を獲得した。1987年にアラン・バンクス首席警部もの長篇1作目『罪深き眺め』(創元推理文庫)を発表した。91年刊のシリーズ5作目 Past Reason Hated でカナダ犯罪作家協会(CWC)からアーサー・エリス賞を受賞。そういうことは書いてあるが、このページはまだ更新されていないらしく、96年の近刊 Innocent のことは宣伝していない。  
バンクスものの舞台は生まれ故郷であるイギリスのヨークシャー峡谷付近だが、ロビンスンはカナダのトロントに住んでいる。CWCの会員でもあり、そこの会報に インタヴュー記事が載っていた。ミステリ作家になってから、ほかのミステリ作家仲間に会って、ロック・スターや詩人ほど高慢でもなく、利己的でもないことがわかったという。
 
いくつかのミステリ出版社のウェブ・サイトをサーフしていたら、 エド・マクベインの宣伝ページを見つけたぞ。そうか、最近のマクベインはワーナー・ブックスからハードカヴァーで出してるんだっけ。つまり、タイム・ワーナーのホームページの一部というわけだ。ホープ弁護士ものの『メアリー、メアリー』(早川ポケミス)や87分署ものの95年刊の新作 Romance のサンプルが読める。
「エド・マクベイン劇場」のページにはいってみると、『ロマンス』という劇の説明だった。ちょうどその新作が、『ロマンス』という題名の芝居にまつわる殺人事件を扱っているので、そのページを劇場に見立てたわけだ。「途中休憩なし」というアナウンスも面白い。しかし、このマクベイン劇場のページだけは、著作権所有者がワーナー・ブックスではなく、マクベインの会社(Hui Corporation) になっているので、マクベイン自身が原稿を書いたのだろう。でも、その新作が1995年刊なのに、著作権年度が94年になっているのはどういうこと?  
というわけで、次回は昔の懐かしい作家の懐かしい探偵さんたちを訪問してみようか。//

来月号に続く

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