Notscape: The CyberGumshoe


サイバーガムシュー


#9----最近面白いミステリを聞いた?



では、マクラなしに作家関係の新しいウェブ・サイトを紹介しよう。  
The Beekeeper's Holmes Page はローリー・R・キングのホームページである。いや、ミススペリングではない。ホームズ・ページでいいのだ。。キングは93年刊の『捜査官ケイト』でエドガー新人賞を獲得して、2作目『愚か者の町』(いずれも集英社文庫)も翻訳されたレズビアンのサン・フランシスコ女性刑事ケイト・マルティネリもので有名だが、アメリカではメアリー・ラッセルもので有名である。  
メアリー・ラッセルは94年刊のシリーズ1作目 The Beekeep's Appren-tice で初登場した。15歳で、両親をなくしたあと、44歳のシャーロック・ホームズと知り合うのである。原題の「養蜂家の弟子」とはメアリーのことなのである。ここまで説明すれば、このサイトのタイトルがミススペリングではないことがわかっていただけただろう。  
このサイトによると、キングは祖父母の代からのカリフォーニア人で、神学の修士号を獲得していて、三十歳年上の宗教学教授と結婚し、二人のティーンエイジャーの子供がいる。現在はカリフォーニア州フリーダムに住んでいる。  
アメリカには Hounds-L というシャーロッキアンのためのメーリング・リスト(電子メールによる井戸端会議)があり、それからスピンオフ(枝分かれ)して、メアリー・ラッセルのメーリング・リスト Russ-L が開設された。これは毎週ダイジェスト形式(電子メールを一通ずつではなく、一括して)で送ってくれる。このサイトでバックナンバーが読めるし、ここからも購読できる。  
ウォルター・サタースウェイト(『リジーが斧をふりおろす』早川ポケミス)がおれの『ガムシュー・サイト』を訪問して、電子メールを書いてきてくれてから、ずいぶん親しくなった。彼はミステリー読者のメーリング・リスト Dorothy-L によく投稿している。その彼がセント・マーティンズ出版にウェブ・サイトを開設してもらったということで、 A HREF="http://freenet.vcu.edu/education/literature/Walter_Satterthwait.html">The Walter Satterthwait Homepageに訪問してみた。  
ここの作者略歴によれば、サタースウェイトはニューヨークやオレゴン州ポートランドのほか、アフリカ、タイ、オランダなどに住んだことがあり、現在はニュー・メキシコ州サンタ・フェに住んでいる。これまで、百科辞典セールスマン、校正者、バーテンダー、レストラン支配人という職業に就いたことがある。79年に Cocaine Blues で長篇デビューを果たした。88年刊の Wall of Glass は私立探偵ジョシュア・クロフトもの第1作で、おれはハードカヴァーで読んで、本誌でも紹介したような気がする。。95年刊の Escapade はアーサー・コナン・ドイルと魔術師フーディーニが登場する歴史もので、フランスの冒険小説賞(プリ・デュ・ロマン・ダヴァンテュール)を受賞した。  
96年11月にクロフトもの第5作 Accustomed to the Dark が刊行される。おれはゲラを送ってもらって、読んでみた。クロフトが8年前にサンタ・フェのモンドラゴン探偵事務所の探偵になった経緯と、現在の追跡場面が交互に描かれる。残念ながら、サタースウェイトによると、これがクロフトもの最終作になるらしいが、そのうちに気を変えてくれることを希望する。このサイトには初めの二章が掲示されているから、読んでいただきたい。最近の私立探偵ものには珍しく警句が小粋で、理知的である。しかし、彼は現在 Escapade の続編を執筆中である。  
それに、アフリカのケニア警察のムブツ部長刑事を主人公にした短篇集 The Gold of Mayani (Buffalo Medicine Books, 1995) の「序文」もここで読める。この「序文」を書いたのは、『かくてアドニスは殺された』(早川ポケミス)で有名なサラ・コードウェルである。1000部限定で、MWAアンソロジー『遠い国の犯罪』(早川文庫)収録の「けむり族」も含まれている。  
サイモン&シュースター(S&S)社が新しくウェブ・サイトを開設したことは知っていたが、そこの誰かからジェイムズ・リー・バークのページを作成したという知らせを電子メールで受け取ったので、さっそく The Dave Robicheaux Mystery Collection を訪ねてみた。  
ちょっと待ってくれよ。バークの版元は『ネオン・レイン』と『ブラック・チェリー・ブルース』はホルト社、『天国の囚人』と『フラミンゴたちの朝』はリトル・ブラウン社(日本版はいずれも角川文庫刊)、最近はディズニーの出版部門であるハイペリオン社じゃなかったっけ? そう疑った人はかなりの愛読者だろう。ところが、S&Sはデイヴ・ロビショーもののオーディオ・テープ版を制作しているのだ。アメリカでは車で出勤する人が多くて、車の中で本を読むことは無理なので、かわりに朗読を聞く人が増えている。それで、ミステリーのオーディオ・テープも需要が多いのだ。  
今のところ、『天国の囚人』を含む8作がオーディオ化されている。ちなみに、ウェブ・アドレスの長い番号は、最新刊 Cadilac Jukebox のISBN(国際標準書籍番号)を意味する。もちろん、著者ジェイムズ・リー・バークや、主人公ロビショーを紹介するページもある。朗読しているのはウィル・パットンという俳優で、『シルクウッド』『殺意のシステム』に出演したことがあるらしい。写真を見ると、見覚えがある。それに、ロビショーものの中で使われるケイジャン言葉を説明している。  
このサイトの目的はオーディオの宣伝であり、6本のテープのさわりを聞くことができるのだ。おれのコンピューターはマッキントッシュなので、AUフォーマットでダウンロードしたあとすぐにSound Machine で50秒の朗読が聞ける。RealAudioだと先にダウンロードしなくても、すぐに5分ほどの朗読が聞ける。もちろん、RealAudioのほうが長いという長所はあるが、まだまだ音質は不安定である。おれのコンピューターにはFPU(何なのかは訊かないでくれ)がないので、 28.8 RealAudio ファイルは聞けないのだが、ここは 14.4 ファイルなので聞けた。よく聞き取れなくても、感激!! //


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