Notscape: The CyberGumshoe


サイバーガムシュー


#19--作品と命令は短くても気は長い



 
おれが参加しているミステリ関係のメーリング・リストの一つある Shortmystery-L には、ヘンリイ・スレッサーとか、ジェレマイア・ヒーリイ、バーバラ・ポール、シーモア・シュービンなどの有名な作家も投稿しているので、興味がある人は majordomo@teleport.com に電子メールを送れば購読できる。題名はブランクにして、本文には subscribe shortmystery-l-digest (真ん中の字は数字の「ワン」ではなく、リストを表わすアルファベット文字の「エル」)とだけ書く。機械が処理するので、時候のあいさつとかは絶対に書かないこと。署名もしないこと。  
このメーリング・リストの購読者は自動的に短篇ミステリ小説協会(Short Mystery Fiction Society, SMFS)の会員になる。おれはそこの記録係として名前だけの役員を務めているのだ。SMFSはほとんど季刊で機関誌を発行していて、希望者には電子メールで送信している。その機関誌 The Short Order の最新号(97年6月号)はウェブ上でも閲読できる。  
その中で、Shoot--I Mean, Ask Away というコラムを書いているのがジロー・キムラというおっさんで、わざわざ Ask Jiro というページを編集人のボブ・フォスターが作ってくれた。この号では、ローレンス・ブロックの短篇集とか、スポーツ・アンソロジーに関する質問に答えている。いちおう、短篇に関する資料をたくさん積ん読しているので、できるだけ答えているつもりである。本誌読者の皆様も短篇に関する質問があれば、電子メールで尋ねておくれ(原則として、質問者の本名を明記するので、差し障りがあれば、キュートなキーボード・ネームを考えてね)。  
そのほか、ダン・ソンタップが古いミステリ雑誌に載っていたローレンス・ブロックやエド・マクベイン、ジョン・D・マクドナルドの作品を紹介している。このソンタップという名前を覚えている読者はいるだろうか? 昔の《マンハント》によく寄稿していた作家であり、この短篇ミステリのMLに初めて登場したときに、おれはびっくりしたね。なお、この機関誌のバックナンバーは以前のThe Short Mystery Fiction Society にまだ残っている。  
この Shortmystery-l の購読者でもあり、TheCase のウェブマスターでもあるスティーヴン・シェイファーには97年5月にニューヨークで会い、そのときに、Mysteries on TV という新しいウェブ・サイトを開設するというパンフレットをもらった。TVのミステリ番組のサイトだが、50年代から90年代のミステリ番組の変遷を簡潔に説明しているのが興味深い。筆者はジャック・カーティンというフィラデルフィアのフリーランス・ライターらしい。おれも50年代からほとんどのミステリ番組はずっと見ているから、興味があるぞ。50年代はラジオ番組からTV番組に移ったものが多く、『探偵マーチン・ケイン』とか古典的な『ドラグネット』をおれは見なかったが、『ペリー・メイスン』『裸の町』『サンセット77』などは見たぞ。60年代には『アイ・スパイ』で黒人が初めて主演になり、『ハニーにおまかせ』では女性が主演になったことが画期的らしい。カーティンによると、70年代の代表番組は『刑事コロンボ』と『ロックフォード氏の事件メモ』らしいが、私立探偵ものファンのおれとしては、『追跡者』(探偵ハリー・O)も入れてほしかったね。80年代の代表番組は『ヒル・ストリート・ブルース』と『ジェシカおばさんの事件簿』で、90年代の代表番組は『ツイン・ピークス』と『X-ファイル』のような異常現象を題材にしたものらしい。  
7月のトリヴィア・コンテストにはこんな問題があるぞ。ジム・ロックフォードの車の後部席にはどういう機械があるか? 名刺印刷機かな。ハニー・ウェストのペットは何か? オセロットだったかな。毎月、正解者2名にはミステリ・ネットのマグが当たる。
[蛇足だけど、『新スーパーマン』でロイスの母親を演じているベヴァリー・ガーランドが、かつて『捜査網』で主役を張っていたって知ってた? ジミー・オルセンが急に老けてしまったときに、昔の『スーパーマン』でジミーになっていた俳優が登場したことに気がついた?]  
そのほか、『刑事コロンボ』については別のページで説明しているが、ミステリ専門用語の「倒叙形式」という言葉は使っていない。今月のミステリ番組のページは、アメリカに住んでいれば役に立つが、日本では外国番組が黄金期の50年代に比較して少なくなったので、ケーブルによるインターネット放映が実現するまで待たなければならない。  
A&E Television Networks はアメリカでイギリスのミステリ番組などを放映しているケーブルTV局である。『心理探偵フリッツ』(心理分析官もの)やアガサ・クリスティー原作の『名探偵ポワロ』『ミス・マープル』のほか、レジナルド・ヒル原作のダルジール&パスコーもの(ウォレン・クラークとコリン・ブキャナン共演)、R・D・ウィングフィールド原作のフロスト警部もの(デイヴィッド・ジェイスン主演)、コリン・デクスター原作のモース警部もの(ジョン・ソー主演)を放映している。  
さて、ここの A&E Mysteries ページには Online Mystery Database がある。「ミステリアスなことすべての究極の資料源」と銘打っていて、ミステリ作家やキャラクター、小説、映画についてのデータを検索してくれるのである。Donald Westlake と打ち込んで、検索ボタンをクリックすると、「ウェストレイク」のほか、「ドートマンダー」、「スターク」などという項目リストがまず現われる。でも、ページの下部を見ると、著作権所有者が copyright "c" 1994 by MACMILLAN*USA (A Prentice Hall Company) となっているではないか。もしかして、これはウィリアム・L・デアンドリアのエドガー受賞作(評伝部門)Encyclopedia Mysteriosa (Prentice-Hall, 1994) と同じじゃないのかな。比べてみると、確かに同じだった。しかし、著者や協力者(エド・ホックなど)の名前はどこにも明記されていない。デアンドリアは96年に亡くなっているのに、没年は書いていないし、「原書」の項目にあった誤りがそのまま転載されている。この事典の特徴は、ラジオとTVシリーズの項目が充実しているところ。デアンドリアの原書自体は27ドル50セントもするので、本誌読者の中でも所有している人は少数だろう。原書を持っていない人には便利だけど、おれは原書を所有しているので、このデーターベースは必要ないな。 //



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