Notscape: The CyberGumshoe


サイバーガムシュー


#25--ブラウザーを更新してそこに見たものは?



   
恥ずかしながら、おれは98年にはいってからも、まだネットスケープ・ナヴィゲーター2.0というブラウザー(閲覧ソフトウェア)を使っていた。アップル社とマイクロソフト社が提携を結んだあとでも、マック・ユーザーのほとんどは無料配布のインターネット・エクスプロアラーを使いたがらず、まだナヴィゲーターを使っている。2月になってやっとナヴィゲーター4.0にアップデートしたのには、以下の経緯があったのだ。  
新しいホームページ開設したので、ぜひリンクを張ってほしいという依頼がときどき電子メールで届く。複数の相手に送っているプレス・リリースなら無視してもいいのだが、個人的に送ってきたのなら、いちおうそのウェブ・サイトを訪問してから、リンクを張ることにしている。というわけで、オーストラリアのキャンベラに住むレオニー・モファットという女性から Mystery Women Authors という新しいウェブ・サイトを開設したので、リンクしてほしいという依頼が来たので、さっそくそのサイトを訪問した。そこのホームページに着いたとたん、小さい別のウィンドウが左上に現われた。そこには何も画像もテキストも出てこないので、そのウィンドウをとじて、いろいろなページをめくりながら、ホームページに戻ると、突然、「タイプ2のエラーが生じました」というメッセージが出た。再起動して、そこに再訪問しても、同じエラー・メッセージが出てくる。これは古いナヴィゲーターのせいだなと判断して、夜中のテレホーダイの時間に約50分かけて無料配布になったナヴィゲーター4.0をダウンロードしたわけである(一般ユーザーは容量の大きいネットスケープ・コミュニケーターをダウンロードする必要はない)。これで再訪問すると、左上のウィンドウに "some words from our sponsors" という広告が出てきたぞ。おいおい、おれは広告を見るために、わざわざブラウザーをアップデートしたのかよ。広告の "close" (とじる)をすぐにクリックすることをお勧めする。  
このサイトでは女性ミステリ作家の略歴や作品リスト、関連リンクを掲載する予定らしいが、まだまだ工事中である。いちおうできあがっているのは、スー・グラフトン、バーバラ・ポール、キャロル・オコンネル、ネヴァダ・バー、ローリー・キング、カレン・キエフスキーなどの10枚足らずのページ。奇特な読者諸君がこのコラムを読む頃には、もう少し増えていることだろう。
 
Mystery Writers of America (MWA、アメリカ探偵作家クラブ)本部がホームページ を持っていることは以前にお伝えしたが、最近フロリダ支部のウェブ・アドレス Mystery Writers of America, Florida Chapter が変更になった。ほとんどは、フロリダ支部主催で毎年3月に開かれる《スルース・フェスト》の宣伝に費やされる。  
そのほかの新情報は、フロリダ州サラソタ在のスチュアート・カミンスキーがMWAの新会長に選出されたことと、スチュアート・マッキヴァーが支部長に任命されたことである。ダニエル・キイス(『眠り姫』早川書房)もこの支部の理事の一人である。カミンスキーの紹介を読むと、彼はフロリダ州立大学映画学科長をやめたらしい。長編シリーズを4つも書いているから忙しいのだろうか、もしくは定年退職したのだろうか。カミンスキーの作品3作(ペイパーバック部門で1作、短篇部門で2作)が97年度のエドガー賞候補にあがっている。  
ここが主催するプロ作家のための《スルース・フェスト》の常連参加者ジェレマイア・ヒーリイ(『湖畔の四人』ハヤカワ・ポケミス)がインタヴューに答えている。ヒーリイは大学法学部教授をやめて、今は執筆に専念している。98年にはジョン・カディもの新作のほかに、単発のリーガル・スリラーを発表する。  
そこのリンクにT・J・マグレガーの名前があったので、T. J. MacGregor を訪問してみた。マグレガーはトリッシュ・ジェインシュッツ名義で初めて売れた小説『ささやく影』と『霊能者狩り』を発表している。そのあと、マグレガー名義で『闇に抱かれた女』などの夫婦探偵クィン&マクレアリものを、アリスン・ドレイク名義で『イヴのすべて』などの女性刑事アリーン・スコットものを書いている。97年には夫であるロブ・マグレガーと夢の本 The Everything Dreams Book と共作した。著作リストにはマグレガー名義の小説しか挙げていないし、『冥い渇き』(以上、すべて創元推理文庫)が抜けているぞ。  
夫のウェブ・サイト Rob MacGregor のほうもついでに訪問してみよう。ロブのほうは 95年作の Prophecy Rock でエドガー賞(ヤング・アダルト部門)を受賞をしているが、インディアナ・ジョーンズものの作家としてのほうが有名かな。最近では、『SPAWN』(メディアワークス)の小説屋として知られている。81年のこと、ロブが新聞記者のとき、キューバからの密航者の記事を書こうとしているときに、フロリダ国際大学でキューバ難民に英語を教えているトリッシュと知り合ったらしい。
 
Mystery Shelf には、P・D・ジェイムズ(『原罪』ハヤカワ・ポケミス)やダイアン・モット・デヴィッドソン(『クッキング・ママの検屍書』集英社文庫)、エルモア・レナード(『ゲット・ショーティ』角川文庫 )、スー・グラフトン(『殺意のM』早川書房)との長いインタヴューが載っている。  
グラフトンは「アメリカン・ミステリの女王ではなく、王様になりたい」らしい。『殺意のM』は古くさいフーダニットとゴースト・ストーリーの融合物で、『無法のL』は犯罪冒険小説だという。毎回、これが最初の本であり、最後の本であるかのように、異なった形式のミステリを書いている。キンジー・ミルホーンものを書くために、射撃とか、錠前のあけ方、自己防衛を習った。娘の結婚式で、殺したいほど憎んでいた二人目の夫(『アリバイのA』を参照)と再会したときには、ざまあみろと思ったという。 98年春には最新作 N Is for Noose が刊行される。これはいいヌース--じゃなかった--いいニュースだ。 //


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