Notscape: The CyberGumshoe


サイバーガムシュー


#48-- 致死住所録の殺人とハート・コレクター



   ケイト・デリーは ClueLass HomePage のウェブミストレスとしてサイバースペースで有名だが、The Deadly Serious Press の編集人兼出版人でもある。ケイトが The Deadly Directory 2000 (DD2000) を刊行した。去年はDD99を刊行したのだが、この一年のあいだに、ミステリ界は改訂版を出すほどに変化しているのだ。164件の新しい項目があるらしい。
 サブタイトルは「ミステリ小説世界への案内」であり、アメリカやイギリスだけでなく、ヨーロッパ、北欧、日本、中国にあるミステリ専門書店、行事、ファンクラブ、雑誌、団体、会報、図書館、書評家などのミステリ関係者の連絡先を750件以上も挙げている。連絡先には、責任者氏名、住所、電話番号、ファックス番号、できれば、電子アドレスやウェブ・アドレスも明記してある。わが『ガムシュー・サイト』は〈定期刊行物&書評家〉の欄に載っている。日本のミステリ関係団体の項目に関しては、おれが協力しているので、補足及び訂正箇所があれば、おれかケイトに連絡してほしい。ここに載っている日本のミステリ関係団体は、本誌と『EQ』と日本推理作家協会、マルタの鷹協会、The Men with the Twisted Konjo ぐらいかな。
 最近は電子メールやウェブ・アドレスを持つ団体が増えてきたので、この住所録は役に立つ。Lawrence Block Newsletter のウェブ・アドレスも書いてあるので、そこをのぞいてみたら、まだ工事中だった。でも、ブロックも自分の公式ウェブサイトを立ちあげるつもりなんだな。ブロックの不定期個人報の最新号を読みたい人は www.twbooks.co.uk/authors/lblocklatest.html を訪問すべし。
 この住所録で一番興味深いのは、閉店した専門書店や、廃刊になった個人報のリストだ。郵便で送る活字版の個人報が廃刊になった大きな理由は、ウェブサイトが取って代わったからだろう。たとえば、ポール・ビショップやシャーロット・マクラウド、ジーン・ヘイガー、リリアン・ジャクスン・ブラウンたちの活字個人報とか、《ジ・アームチェア・ディテクティヴ》やオーストラリアの《ミーン・ストリーツ》などのファンジンは廃刊になった。ミステリアス・ブックショップ・ロンドン(オットー・ペンズラーのロンドン進出は失敗)や、ミス・マーブルズ・パーラー(ディリス・ウィンの第二の専門書店)などが閉店した。
 1部25ドル(郵送料込み。アメリカとカナダ以外は33ドル)で、インターネットにアクセスしていない人は、Deadly Serious Press, 868 Arlington Avenue, Berkeley, California 94707-1938 USA に直接注文する(クレジット・カード不可)か、ご贔屓のミステリ専門店に注文すべし。

   廃刊になった個人報の一つに The Hart Beat がある。そう、キャロリン・ハート(『災いの小道』ミステリアス・プレス文庫)の個人報である。99年12月に《シスターズ・イン・クライム》のサイトで、ハートの公式ウェブサイトへのリンクを見つけたので、早速のぞいてみたら、砂時計の砂が落ちていく絵があり、「2月に開設」と書いてあった。ところが、1月に、ウェブサイトを開設したという電子メールがハート本人から届いた。それで、もう一度 Carolyn Hart をのぞいてみた。トップ・ページにはジャケット写真が多すぎて、読み込みが遅いかもしれないが、リンクにマウスを持っていくと、赤いハート・マークが現われるところがキュートである。
《デス・オン・ディマンド》シリーズの99年刊最新作 White Elephant Dead とヘンリー・Oものの99年刊最新作 Death on the River Walk を書いたきっかけを載せている。著者略歴では、アニー・ロレンスとマックスとヘンリー・Oを共演させて、著者名にミドル・イニシャルのGがときどきはいっていない理由を説明している。出版社が代わったときに(たぶんバンタムからエイヴォンへ)、Gがないほうがレイアウトがやりやすいという理由らしい。ちなみに、Gは旧姓ギンペルのイニシャル。
 最近では、《デス・オン・ディマンド》シリーズで有名になる前の旧作が復刊されている。

      1株1億円を上回りそうだというので有名な Yahoo の ミステリ・セクションの作家リストを調べてみたら、ジェフリー・ディーヴァー(『ボーン・コレクター』文藝春秋)という名前が出てきたので、さっそく、Jeffery Deaver - The Official Website を訪ねてみた。
 ディーヴァーとはエドガー賞授賞式やEQMM読者賞授賞式で会ったことがある。著作リストによると、2000年夏にはリンカーン・ライムもの第3作 The Empty Chair が刊行されるという。それに、『監禁』(早川書房)がやっとアメリカでも出版される。そして、ウィリアム・ジェフリーズ名義で発表したジョン・ペラムもの(『死を誘うロケ地』ハヤカワ・ミステリ文庫)の長篇第3作 Hell's Kitchen も前2作とともにディーヴァー名義で刊行される。
 しかし、88年刊の Voodoo と Always a Thief が抜けているし、それよりも短篇リストがない。ディーヴァーは短篇にも長けていて、EQMM読者賞を2度受賞した。彼の個人短篇集を切望するのは、おれだけではないだろう。
 映画化された『ボーン・コレクター』の映画宣伝サイトにリンクしてあるので、www.TheBoneCollector.com ものぞいてみた。さすが宣伝サイトだけあって、金をかけてある。Java スクリプトを使っているので、キャストやスタッフのファイル・ホールダーの上でマウスをクリックするだけで、主演のダンゼル・ワシントンや共演のアンジェリーナ・ジョリー、監督のフィリップ・ノイス、原作者のディーヴァーのファイルが左にすぐ現われるという仕組みだ。
 ここのディーヴァー紹介では、エドガー賞に2度ノミネートされたと書いてあるが、3度の間違いである。ペイパーバック2作(『汚れた街のシンデレラ』と『死を誘うロケ地』)と短編「ストーカー」(EQ97年7月号)がノミネートされた。でも、ディーヴァーの公式サイトにも、「2度ノミネートされた」と書いてあるから、仕方ないか。  //


来月号に続く

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