Notscape: The CyberGumshoe


サイバーガムシュー


#64-- エラリイとヒッチおじさんの引っ越し先



「世界一のミステリ雑誌」と自称している《エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン》(EQMM)と《アルフレッド・ヒッチコックス・ミステリ・マガジン》(AHMM)のウェブサイトが The Mystery Pages から The Mystery Place に引っ越したというので、訪れてみた。公式には5月15日にリニューアルしたもので、顧客サーヴィスのページでは、購読方法のほか、バックナンバーの注文方法、寄稿作家への連絡方法、原稿の郵送方法が説明されている。

 EQMMのウェブサイトでは、今月号(5月27日現在は2001年6月号)の表紙と寄稿作家の名前のほか、2篇の抜粋版(今月号では、エドワード・D・ホックとナンシー・スプリンガーの作品)、次号の紹介、クロスワード・パズル (Adobe Acrobat のファイルをダウンロードする)を載せている。目玉として、ジョン・L・ブリーンの書評コラム「陪審席」が完全版で読める。

 歴史ページによると、EQMMは《マーキュリー・プレス》のローレンス・E・スピヴァックが1941年に創刊したという。つまり、今年で60周年を迎えるわけで、現存する最も古い(あるいは、長寿の)ミステリ雑誌ということになる。しかし、版元がデイヴィス社やデル出版に移ったことや、90年代半ばにクロスタウン・パブリケーションズ社に売却された経緯については書いていない。

 さて、AHMMは姉妹雑誌となったEQMMとは違った個性を出そうと努力している。2001年6月号の表紙と目次、次号の紹介のほか、1篇の完全版(6月号ではレイモンド・スタイバーの短篇)を載せているのだ。

 歴史ページによると、AHMMは56年に創刊されたので、現存する二番目に古いミステリ雑誌ということになる。創刊当時の版元はHSDパブリケーションズといって、フロリダにあったとか、70年代半ばにフレドリック・ダネイが廃刊の危機を救ったとか、エレノア・サリヴァンが編集長を務めたとか、詳しいことは書いていないぞ。

 最後にもう一つ苦言を呈すると、最新号は6月号ではなく、7月号なのだ。そのうちに更新してくれるよね。

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 The Mystery Place のリンク・ページには、わが The Gumshoe Site も挙がっていた。EQMMやAHMMに寄稿している短篇作家のウェブサイトも挙げているのだが、その中にエド・ゴーマンのウェブサイトも混じっているので、The Ed Gorman Homepage を訪問した。

 トップページでは、エド・ゴーマンを「ダーク・サスペンスの詩人」と呼んでいるが、これは《ブルームズベリー・レヴュー誌》がそう呼んだらしい。これは公式サイトではなく、アレン・M・リチャーズという男が管理していて、ほかにも非公式でジョー・R・ランズデールのウェブサイトも管理している。どちらかと言うと、ランズデールのウェブサイトが主で、その友人の一人として、ゴーマンのページもあるような感じだね。

 とにかく、ニュース・ページでは、8月にクリッペン&ランドルー社から短篇集 Famous Blue Raincoat が出て、9月にはダシール・ハメットの作品集 Nightmare Town を共同編纂すると書いてあるが、調べてみると、1999年のことではないか! つまり、1年半以上も更新していないということだ。じゃあ、紹介するほどの値打ちはないんじゃないのと苦情をもらす方もいるよね。ちょっと古いが、多作家ゴーマンの作品リストがよくできている。ゴーマンはサスペンス小説のほか、ミステリ、ホラー、ウェスタンまで書いていて、1999年までの作品が網羅されているわけだ。ホラー小説用にダニエル・ランサム、サスペンス小説用にE・J・ゴーマンというペンネームを使っていることは承知していたが、クリストファー・キーガン(1989年刊のウェスタン小説)、ロバート・デイヴィッド・チェイス(1994年発表の短篇)という名前も使ったことは知らなかった。このリストは保存する値打ちがあるぞ。

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 アメリカのケーブルTV局で始まった新しいミステリ番組に Nero Wolfe がある。もちろん、レックス・スタウト原作のネロ・ウルフものをTVシリーズ化したもので、20年ほど前にもネットワークTVでシリーズ化されたことがある。じつは、2000年3月にティモシー・ハットンとモーリー・チェイキンが共演した『黄金の蜘蛛』がA&Eで放映された。その評判がよかったので、2001年よりシリーズ化されたのだ。

 主演はどちらかと言うと、ウルフ役のチェイキンよりも、アーチー役のハットンのようだ。宣伝サイト のトップページには、二人の美女に寄り添われて、でれっとしているダンディーなハットンの姿が見える。じつのところ、ハットンは製作総指揮も務めていて、ときどき監督もするのだ。衣装ディザイナーによると、俳優たちは50年代風の衣装を着ているらしい。それに、アーチーは50年代のクラシック・カーに乗っているのだ。

 ネロ・ウルフ・クイズもあるけど、わかるかな? ロバート・ゴールズボロが1986年より書き始めたウルフ・パスティーシュは何作あるか? ウルフによると、彼がいなければ、何割の殺人事件が未解決に終わるか? スタウトがウルフもの長篇小説を1作執筆するのに何日かかったか? ウルフの特製ダーツ・ボードでは、真ん中には何が描かれているか? 正直言って、かなり難しいぞ! 答えは7作、三分の一、35日から40日、トランプのジョーカー。

 4月22日の日曜日に、アガサ・クリスティー原作の『オリエント急行の殺人』と同じ夜に、第1話が放映された。第1話の『ネロ・ウルフ対FBI』(光文社文庫)の監督はハットン、脚色はマイクル・ジャフィー(この作品は23年前にもTVドラマ化されたことがある)。第2話の Champagne for One(未訳)の監督もハットンで、脚色はリー・ゴールドバーグ(ミステリ作家)とウィリアム・ラブキン。そのほか、「殺人鬼はどの子?」(『クイーンズ・コレクション1』ハヤカワ文庫)もドラマ化される。

 これも日本で放映されることを切望するが、待てない方は日本語字幕のないヴィデオをこのケーブルTV局のショップから購入できるぞ。 //


来月号に続く

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