Notscape: The CyberGumshoe


サイバーガムシュー


#67 -- ロス・マクの名前を騙る一月雑誌



 作家の公式ウェブサイトを捜すには、いちおう (http://www.) のあとに「(作家の名前).com」をURLに打ち込んでみる。(www.dashiellhammett.com) や(www.raymondchandler.com) にはウェブサイトは見つからなかったが、(www.rossmacdonald.com) にはあったぞ。ロス・マクドナルドに関する特別コラムなどを載せていることは確かだが、書籍関係サイトなのである。以前に紹介したことのある January Magazine と同じサイトに行くのである。「ウェブ・スクウォッター」と呼ばれてもおかしくはないが、苦情を申し立てそうなロス・マクドナルドの遺族はいないからなあ。

 そういうふうに、いろいろな作家の公式サイトを捜していたら、エド・マクベインの87分署ものの新作 Money, Money, Money (2001) の宣伝サイト を見つけたのだ。トップページには、8月15日頃(新作が発売される頃)にこのサイトはもっと増強されると書いてあるが、8月26日になっても、まだ5ページしかない。この前の試験ページには422のヒットがあったらしいが、その試験ページのことなんか知らないぞ。

 このほか、Q&Aページと新作の抜粋版が載せてある。Q&Aの質問者は、偶然に試験ページに迷い込んだ人だろう。たいして目新しい情報はないが、「13歳の娘に読ませてもいいでしょうか?」と尋ねられると、「セックスはあっても、誠実なセックスだ」と答えてから、「エヴァン・ハンターとの共作 Candyland は13歳の娘さんに推薦できない」と付け加えている。ここに紹介している抜粋版には87分署の刑事たちは登場しない。たぶんプロローグか第1章だろう。カサンドラ・ジーン・ライリーという女性パイロットが麻薬を運ぶ場面が描かれている。

 さて、Money, Money, Money というタイトルをマクベインは以前に使用したことがある。『糧(かて)』(ハヤカワ・ミステリ文庫、原題は Bread)の抜粋版が《アーゴシー》に掲載されるときのタイトルだったのだ。「ブレッド」には「おカネ」という意味もあるからね。

 皆さんがこれを読む頃には、このサイトがさらに充実していることを祈ろう。

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 LauraLippman.com も覚えやすいウェブ・アドレスを持っている。トップページにはリップマン(『ビッグ・トラブル』ハヤカワ・ミステリ文庫)から訪問者への手紙が載っている。毎朝6時半に起きて、《ボルティモア・サン》へ出勤する前に小説を書くという日課を説明している。「規律正しい」と言われて、戸惑っているという。

 略歴ページによると、リップマンはジョージア州のアトランタで生まれたのだが、ボルティモアで育ったときに、近所にモナハンという家族が住んでいて、そこの同年代の子供たちとしょっちゅう遊んでいたという。ボルティモアのノースウェスタン大学を卒業して、テキサス州のウェーコとかサン・アントニオの新聞社で働いたあと、故郷の《ボルティモア・サン》でやっと仕事を見つけたのだ。父親シオもそこの記者だった。

 書籍ページでは、2001年9月刊行のテス・モナハンもの6作目 In a Strange City を紹介している。エドガー・アラン・ポーの誕生日にポーの墓にバラとコニャックびんを供える謎の人物がいるのだが、その日に2人の人物が現われて、1人が射殺されるのだ。このほか、2001年にオットー・ペンズラーが編纂した野球アンソロジー Murderers' Row にモナハンものの短篇(本誌訳載予定)を寄稿したことも明記してあるまではいいが、ほかにもう2編の短篇があることを書くことは忘れたのかな?

 リップマンは記者として、スー・グラフトンやロバート・クレイス、ウォルター・モズリイ、ジョージ・P・ペレケーノスにインタヴューしているのだが、そのインタヴュー記事をこのサイトに再録するために、《サン》と交渉中らしい。交渉が成功することを切に祈る。

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《ニューヨーク・タイムズ》の園芸欄にロバート・B・パーカーとその妻ジョウンとの奇妙な結婚生活について書いた記事 A House Divided, Lovingly を読んでいると、パーカーが1998年に両膝を手術して、それまで3階建てヴィクトリア風屋敷の2階に住んでいたのが、1階に住むようになったことが書いてある。そして、ジョウンは3階から2階に移った。

 8月26日にはケーブルTVのA&Eでスペンサーもの『歩く影』(ハヤカワ・ノヴェルズ)のドラマ版が放映されるのだが、パーカーとジョウンが共同で脚色している。というわけで、Walking Shadow を訪問してみよう。

 1999年作の『悪党』と2000年作の『虚空』(ハヤカワ・ノヴェルズ)に続くジョー・マンテグナ主演の第3作である。マンテグナは『ラット・パック』でディーン・マーティンに扮していたが、あのパックの中ではシナトラより格好よかったね。スーザンに扮するのは昨年と同じく、マーシャ・ゲイ・ハーデンで、この1年のあいだに、『スペース・カウボーイ』で注目を浴び、シドニー・ポロックの妻を演じてオスカー助演女優賞を受賞した。ホークを演じるのは昨年と異なり、アーニー・ハドスンという黒人俳優だが、おれが不勉強のため、知らないのだ。そして、ポート・タウンの警察署長ディスペイン役はジュリア・ロバーツの弟、エリック・ロバーツ。

 監督は前2作と異なり、中国系のポー=チー・レオン(発音はこれでいいのだろうか?)。この作品には中国系の俳優がたくさん出演するからね。この監督さんは、フラッシュバックやフラッシュ・フォワード、ファンタジー場面を多用するらしい。それに、マンテグナも共同製作総指揮を務めているのだ。前作の『虚空』と同じく、原作者のパーカーが特別出演する。TV版『モース警部』にこっそり登場するコリン・デクスターの真似だろうか。

 ちなみに、多作家のパーカーは2001年にスペンサーものの『ポットショットの銃弾』(ハヤカワ・ノヴェルズ)のほか、ジェッシイ・ストーンもの第3作 Death in Paradise と、ワイアット・アープの登場するウェスタン小説 Gunman's Rhapsody も発表した。 //


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