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『ベン・ハー(原題:BEN-HUR)』(1959年製作) 223分 (原題::BEN-HUR) 【スタッフ・キャスト】 監督:ウィリアム・ワイラー 製作:サム・ジンバリスト 原作:ルー・ウォーレス『ベン・ハー』 脚本:カール・タンバーグ 撮影:ロバート・L・サーティース 音楽:ミクロス・ローザ 助監督:ガス・アゴスティ 出演:チャールトン・ヘストン(ジュダ=ベン・ハー) ジャック・ホーキンス(クインタス・アリウス) ヒュー・グリフィス(族長イルデリム) スティーヴン・ボイド(メッサラ) ハイヤ・ハラリート(エスター) マーサ・スコット(ミリアム) キャシー・オドネル((ティルザ) サム・ジャッフェサイモニデス) フィンレイ・カリー(バルサザー フランク・スリング(ポンシャス・パイラト) テレンス・ロングドン(ドルーサス) アンドレ・モレル(セクスタス) マリナ・ベルティ(フレビア) ジュリアーノ・ジェンマ 【解説】 『ベン・ハー』(Ben-Hur)は、1959年のアメリカ合衆国の叙事詩的映画。 ルー・ウォーレスによる小説『ベン・ハー』の3度目の映画化作品である。 ウィリアム・ワイラー監督。 チャールトン・ヘストン主演。 同年アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞をはじめ11部門のオスカーを受賞。 この記録は史上最多記録でその後長く続き、『タイタニック』(1997年)、『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003年)がようやく同じ11部門受賞で並んだが、現在もアカデミー賞の史上最多受賞作品の一つである。 アメリカのルー・ウォーレスが1880年に発表した小説『ベン・ハー』を原作に、1907年に15分のサイレント映画で製作され、1925年に同じサイレント映画で2度目の映画化。 これはラモン・ノヴァロがベン・ハーを演じ、大ヒットとなった。 そしてこの2度目の映画にスタッフ(助監督)として参加したウィリアム・ワイラーが34年後に監督として70ミリで撮影し3度目の映画化をしたのがこの作品である。 主人公ベン・ハーをチャールトン・ヘストン、メッサラをスティーヴン・ボイド、他にジャック・ホーキンス 、ハイヤ・ハラリート、ヒュー・グリフィス が出演。 チャールトン・ヘストンがアカデミー賞主演男優賞、ヒュー・グリフィス が助演男優賞を受賞し、ウィリアム・ワイラーはこの映画で3度目の監督賞を受けている。 帝政ローマの時代に、国を失った民族であるユダヤに生まれた青年:ベン・ハーが苛酷な運命に巻き込まれ、ある時は復讐に燃え、ある時は絶望に陥りながらも、神が為す業により再生される迄の軌跡と、その遍歴において姿を顕して道を照す救世主:イエス・キリストを絡めて描く。 原作の副題に「キリストの物語」とあるように、キリストの生誕、受難、復活が「ベン・ハー」の物語の大きな背景となっている。 この映画はタイトルが出る前にキリストの生誕で始まり、キリストの処刑とともに復活で「ベン・ハー」の物語が終わり、宗教色が色濃く出ている。 1959年11月18日にプレミア公開され212分の大作ながら全米公開後、瞬く間にヒットとなった。 同様に全世界でも公開されてヒットした。 54億円もの制作費が投入されたが、この映画1本で倒産寸前だったMGMを一気に立て直させた。(wikipediaより) この映画も当時の映画同様にイエス:キリストの姿は直接描かない手法をとっていますが、本作の影の主人公となっています。 テレビで放送されていた本作を一緒に見ていた兄が、「昔見たときはスぺクタクルのアクション映画だと思って見ていたけれど、今日は全く違った作品に見えた。イエス・キリストが主人公の映画だったんだな。この年齢になったからこそ、わかることもあるんだな」という意味の感想を述べていたのが今でも印象にも残っています。(By天国とんぼ)。 【ストーリー】(ネタバレ注意) ●前編 ベツレヘムの星々が輝く下、馬小屋で救世主が誕生してから26年の月日が過ぎた。 ユダヤ人が住む辺境のイスラエルでは、政務を覧する総督の交代が迫っていた。 裕福なユダヤ貴族の若者、ジュダ・ベン・ハー(チャールトン・ヘストン)は、軍司令官として戻ってきた旧友メッサラ(スティーヴン・ボイド)との再会を喜ぶ。 ユダヤの民が希望の光とする救世主の存在を、未開の頑迷と否定する一方で恐怖をも感じていたメッサラは、王家の流れを汲み人望のある友人ベン・ハーに、ローマ側に協力するよう求める。 しかし、同胞の苦難に心を痛めていた彼は、その誘いを断った。 新総督を迎えた日。 ベン・ハーの館より瓦が滑り落ちて総督の行列の中へ落下する。 暗殺を疑われた彼をメッサラは弁護することなく見殺しにした。 混乱のなか母のミリアム(マーサ・スコット)、妹のティルザ(キャシー・オドネル)は行方知れずに。 自らも奴隷の身分に落とされ、死ぬまでガレー船の鎖に繋がれ漕ぎ手となる運命に見舞われる。 刑を執行するため護送される中で水を与えられず渇きに苦しめられ、井戸を前に崩れかけたその時、沿道の家から出てきた一人の大工が彼を抱きかかえ、桶より水を呑ませる。 制止しようとした警備兵は、男を間近に見ると思わず引き下がるのだった。 ローマ海軍の総司令官アリウス(ジャック・ホーキンス)は、マケドニアとの戦いの前に、船倉で強い眼差しを放つ奴隷に目を止めた。 それは3年間に渡り信仰と復讐の念によりガレー船の苦役を耐えたベン・ハーだった。 実の息子を失い神の姿を見失っていたアリウスは海戦の混乱の最中、彼に命を救われ、心の支えを得た。 かくしてアリウスの支援により、戦車競争の騎手として第二の人生を得たベン・ハーは、ローマ皇帝ティベリウスの恩恵により自由の身となり、アリウスの養子となる。 その夜、彼は無償の愛に感謝しながら、母と妹を探すために故郷へ戻る決意をアリウスへ伝えた。 帰郷の途上、救世主を探す博士バルサザールと出会い、偉大な道を歩んでいる人の存在を知らされる。 またイルデリム(ヒュー・グリフィス)からはメッサラの様子を聞かされた。 アラブの富豪だが、ローマへの敵愾心に盛んなイルデリムは、戦車競争で常勝を続けるメッサラを打ち負かそうとしていた。 仇敵の名前を耳にして身の内に燃えるものを感じたベン・ハーだが、エルサレムへ戻る。 荒れ果てた我が家には家宰のサイモニデス(サム・ジャッフェ)と娘のエスター(ハイヤ・ハラリート)が隠れていた。 拷問によって歩けなくなっても誠実なままの友との再会を喜ぶが、ミリアムとティルザの姿はそこには居なかった。 執政官アリウスの息子としてメッサラと面会したベン・ハーは、彼に母と妹を返すように命じる。 ところが母と妹を地下牢に閉じ込めていたローマ側は、二人を解放しようとして凄惨な光景を目にする。 死病に冒されたミリアムとティルザは、牢屋から出され、死の谷に追いやられるが、その前に夜に紛れて屋敷に入ってきた。 偶然にエスターは二人と出会い、ベン・ハーが無事に戻ったことを伝えると、ミリアムから自分たちは死んだ事にするように約束させられる。 エスターは、ミリアムとティルザが既に死んでいるとベン・ハーに伝える。 苦悩を深める彼に、心の平安を求め生き直す道を歩んで欲しいと願うエスターだが、当のベン・ハーは彼女への愛情を抱きながらも怒りを抑えることは出来なかった。 ●後編 巨大な戦車競技場で対決の日を迎え、神への許しを求めつつ復讐に燃えるベン・ハーは、イルデリムが提供した駿馬を戦車に繋ぎ、大観衆が見守る中でメッサラとの闘いに臨む。 壮絶なレースの末、ついに彼に勝利した。 ユダヤの誇りを守った英雄を包む熱狂の影で、戦車に轢き潰されたメッサラは瀕死の重傷を負う。 結果的に復讐は達成されたが、ベン・ハーは余りに無残な姿に変わった仇敵を前に言葉を失う。 しかし、メッサラから戦いは未だ終わっていないと告げられ、母と妹が生きていること、彼女たちが死病の者たちが隠れ住む死の谷にいると知らされる。 ベン・ハーは死の谷にやって来るが、そこで偶然に会ったエスターに諭されると、岩に隠れて密かに母と妹の声を聞いて涙する。 ベン・ハーは家族や親友を不幸にしたローマを憎み、戦車競技の勝者として正式に与えられた市民権を放棄するとともに、恩ある養父アリウスに迷惑をかけまいと親子の縁を切る。 苦しむベン・ハーにエスターは救世主と呼ばれるようになったイエスの話をするが、彼は聞く耳を持たない。 しかし、妹が死にかけていることを知ると、エスターとともにすがる思いで母と妹を連れてイエスに会うために街に繰り出す。 ところが、イエスが裁判にかけられて磔にされることを知る。 そして十字架を背負ったイエスを見て、かつて水を恵み自分を救ってくれたその人であったことにベン・ハーは愕然とする。 エスターら3人を残して彼は後を追いかけ、そして倒れたイエスに今度は自ら水を飲ませたが、役人に蹴りとばされる。 やがて郊外のゴルゴタの丘でイエスは磔の刑に処せられた。 その直後に俄かに天から雷雨と大風が舞い、イエスの流した血が大地を流れていった。 イエスの最期を見届けたベン・ハーの心から復讐の炎は消えていた。 邸宅に戻った彼をエスターは微笑みながら迎えた。 ふと上を見上げると母と妹が元の健康な姿に戻っていた。 あの雷雨の中で郊外の洞穴に退避した2人は、急な激痛の後に病が癒えていたのだった。 ベン・ハーは母と妹を抱きしめながら喜びを分かち合い、神の奇跡を知る。 | |||||
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