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■E『映画で見る新約聖書の世界』■
『ベン・ハー(原題:BEN-HUR)』(2016年製作) 123分


『ベン・ハー(2016年)【日本語吹替版】』を見る
(原題::BEN-HUR)



【スタッフ・キャスト】
 監督:ティムール・ベクマンベトフ
 製作:ショーン・ダニエル
    ジョニ・レビン
    ダンカン・ヘンダーソン
 製作総指揮:マーク・バーネット
       ローマ・ダウニー
       キース・クラーク
       ジョン・リドリー
       ジェイソン・F・ブラウン
 原作:ルー・ウォレス
 脚本:キース・クラーク
    ジョン・リドリー
 撮影:オリバー・ウッド
 美術:ナオミ・ショーハン
 衣装:バルバーラ・アブジューシコ
 音楽:マルコ・ベルトラミ
 視覚効果監修:ジム・ライジール
 配給:MGM、パラマウント・ピクチャーズ
 編集:ドディ・ドーン
    リチャード・フランシス=ブルース
    ボブ・ムラウスキー

 出演者:ジャック・ヒューストン■ジュダ・ベン・ハー
     トビー・ケベル■メッサラ
     ロドリゴ・サントロ■イエス
     アイェレット・ゾラー■ナオミ・ベン・ハー
     ピルー・アスベック■:ポンティウス
     ソフィア・ブラック=デリア■ティルザ・ベン・ハー
     モーガン・フリーマン■イルデリム
     マーワン・ケンザリ■ドルーサス
     モイセス・アリアス■ジェスタス
     ジェームズ・コスモ■クインタス


【解説】
 数々の映画版でも知られ、いまだ多くの人々に読まれているルー・ウォーレスの歴史小説を実写化リメイクしたスペクタクル映画。
 エルサレムの名家に生まれたベン・ハーは、義兄弟であるメッサラの裏切りにより奴隷船送りとなった上、乗っていた船が転覆するが、謎の族長イルデリムに命を救われる。
 やがて数年ぶりに戻った故郷で戦車競争出場の機会をつかんだベン・ハーは、復讐心を内に秘め、競技場でメッサラとの宿命の対決に挑む。

 古代ローマ時代を舞台に、名家の生まれでありながら義兄弟のわなによって奴隷に身を落とした男ベン・ハーが繰り広げるリベンジ劇となっています。
 エルサレムの名家に生まれたベン・ハーは、義兄弟であるメッサラの裏切りにより奴隷船送りとなった上、乗っていた船が転覆するが、謎の族長イルデリムに命を救われる。
 やがて数年ぶりに戻った故郷で戦車競争出場の機会をつかんだベン・ハーは、復讐心を内に秘め、競技場でメッサラとの宿命の対決に挑む。

 監督は、『リンカーン/秘密の書』などのティムール・ベクマンベトフ。
 『リスボンに誘われて』などのジャック・ヒューストン、『ファンタスティック・フォー』などのトビー・ケベル、名優モーガン・フリーマンらが出演。


 かの名作(1959年版)とタイトル、原作、ストーリーなどは同じですが、4時間から2時間に短くした時点で、全く別な作品となっていることは明らかであり、比べると色々な違いに戸惑うことは確実ですので、全く別の映画として観ることをお勧めします。
 監督や脚本家はどこを見て欲しくてリメイクしたのかですが、宗教色を薄め、現代的な作りにして、海戦と戦車レースをCGでメインに据えたスペクタクル作品にすることを意図し、自分を裏切ったメッサラを許すことに焦点をあてたかったのかなという気がしています。
 ただしイエス・キリストの部分を省略したことで、何故許すに至ったかの説得力が薄れてしまっていたのは残念でしたが、意図としては理解できますし、前作では憎しみの塊のように亡くなったメッサラが不憫に感じ、死後許すのではなく、生きている間に和解の道を探って欲しかったと思っていた身としては、本作ではそれを実現してくれようとそた点については評価したいと思います。

 1925年版、1959年版、2016年版、金子みすゞではありませんが、「みんなちがって、みんないい」となればよいと思います。
 映画にしても、人にしても、完全なものパーフェクトなものを望むのはないものねだりであり、それぞれに一長一短があることを受け入れ、その短所の部分に目をとめるのではなく、もしかして長所かもしれないと視点を変えて見ることをお勧めしています。
 スケールが小さいかもしれませんが、茶の間で気軽に見るには手頃のサイズの作品かもしれません。

 映画が批評をするにあたっては、製作に携わった全ての人達に対するリスペクトの気持ちを忘れてはいけないと思っていますので、どうしても甘い見方になる傾向があることは承知おき願います。
 不朽の名作・傑作と言われる作品をリメイクするのは見る人の判断のハードルを上げることになりますので、「ベンハー・アナザーストーリー」というように題名を変えるなり別な人物を主人公にして、物語を再構成するなどすれば、要らざる悪評やアンチを招き入れることもなかったのではないかと思います。
 近年長時間映画を見られない若者が増えており、そうした人たちに向けてコンパクトに作った作品と考えれば、大いにアリだと思います。(By天国とんぼ)


【ストーリー】(ネタバレ注意)
 西暦58年、ローマ帝国属州のルシタニア。
 暴虐の限りを尽くすローマ軍は、皇帝ネロに献上するため、村々の美少女を奴隷として徴発していた。
 エルサレム地区に暮らすユダヤ豪族の子息ベン・ハー(ジャック・ヒューストン)は、義兄弟であったメッサラ(トビー・ケベル)のたくらみによって奴隷にされてしまう。

 からくも命を取り留めて見知らぬ島に漂着したベン・ハーは、メッサラへの報復を誓う。

 ルシタニアで反乱を決意した若者エイドリアンは、山奥に住む世捨て人に助けを求める。
 その男こそ、ベン・ハーであった。
 かつて最強のグラディエーターと称えられた、伝説の英雄だったベン・ハーの指揮により、エイドリアンたちは強大なローマ軍に戦いを挑む。
 だが敵の傭兵部隊に狙われ、彼らは絶体絶命の危機に陥ってしまう……。

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