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■E『映画で見る新約聖書の世界』■
『マリア The Nativity Story (2006年)』

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(原題:The Nativity Story)



【スタッフ・キャスト】
 監督:キャサリン・ハードウィック
 脚本:マイク・リッチ
 製作総指揮:キャサリン・ハードウィック、マイク・リッチ、ティム・ヴァン・レリム
 音楽:マイケル・ダナ

 出演:ケイシャ・キャッスル=ヒューズ(マリア)
    オスカー・アイザック(ヨセフ)
    ヒアム・アッバスアンナ(マリアの母)
    ショーン・トーブヨアキム(マリアの父)
    キアラン・ハインズ(ヘロデ王)
    ショーレ・アグダシュルー(エリサベト)
    スタンリー・タウンゼント(ザカリヤ)
    アレクサンダー・シディグ(天使ガブリエル)
    ナディム・サワラ(メルキオール)
    エリック・エブアニー(バルタザール)
    ステファン・カリファ(ガスパール)


【解説】
 イエス・キリスト誕生の裏に秘められた、母マリアとその夫ヨセフの愛の物語を映画化。
 監督は『ロード・オブ・ドッグタウン』のキャサリン・ハードウィック。
 ヨセフとの婚約中に身ごもってしまい、村人たちからさげずまれるマリアを『クジラの島の少女』のケイシャ・キャッスル=ヒューズが演じる。
 『砂と霧の家』のショーレ・アグダシュルーらも出演。
 「イエス」の出生について、聖書に基づき、神学、歴史、政治など、あらゆる専門家の協力を得て、かなり忠実に映像化しています。

 邦題は「マリア」となっており、「キリスト誕生の裏にあった、ひとりの女性の物語」と解説され、エンドロールやパンフレットでも、マリア=ケイシャ・キャッスルヒューズの名がトップで、「マリア」=聖霊により懐妊したマリアの話に見えるが、映画の内容は、聖書にはほとんど出てこないヨセフとの物語で、イエス・キリストは最後まで出てきません。

 旅は神に守られているので、劇的な展開もありませんが、ドラマチックな演出をされるよりも好感が持てます。
 イエスが生まれるまでには、おそらくこういうことがあったにちがいないという想像から生まれ作品であり、聖書を読んだだけでは分からない、イエス誕生当時の雰囲気や衣装、社会風俗などを視覚的に見て、聖書を読むときのイメージ作りに参考にしてください。
 一番上の兄を誘って、映画館で一緒に見たことから思い出深い作品の一つです。(By天国とんぼ)



【ストーリー】(ネタバレ注意)
 聖職者ザカリヤは、高齢の妻エリサベトが息子を身ごもるという神の啓示を受ける。
 ヘロデ大王(キアラン・ハインズ)の圧政に苦しむナザレで家族とともにつましい暮らしを送るマリア(ケイシャ・キャッスル=ヒューズ)は、ヨセフ(オスカー・イサーク)との婚約話が整ったことを両親から知らされる。
 見ず知らずの男性との結婚に取り乱したマリアは、オリーブの林に逃げ込む。
 その時、聖霊の象徴である白い鳩が空に羽ばたき、木々が揺れ、天使ガブリエルが現れ「高齢のエリサベトも男の子を産む。
あなたも男の子を授かり神の子と呼ばれるだろう」と告げられ、混乱する。
 天使の言葉が本当か確かめるためにマリアは、エルサレムにいる親類のエリサベトに会いに行く。
 そこで高齢のエリザベトの出産を目の当たりにして、ガブリエルの言葉が真実だという事をマリアは確信する。
(このときに生まれた赤ん坊が後にイエスが十字架にかけられた時、マリアと一緒に最期まで見届けたといわれる使徒ヨハネである。
)  両親の元へ戻ったマリアはお腹が大きくなっているのを見られ、両親やヨセフにお告げのことを言っても誰にも信じてもらない。
 それでも「これは真実よ」と強い意志と信念を持ってマリアは言い放つ。
 ヨセフは、マリアを愛していても、マリアの言葉をなかなか受け入れられずに苦悩するが、夢の中で天使ガブリエルが現れ「聖霊の働きでマリアは男の子を宿した」と告げられ“処女懐胎”を受け入れる。
   神か、マリアにイエスを産み育て、強く情け深いヨセフがマリアを支え守り抜くというそれぞれの“役割”を授けるために啓示を与えたのだった。
 やがて婚約中にもかかわらず妊娠していることが周囲に知れ渡り、村人から蔑みの目で見られるマリアをヨセフはただ一人信じ、守ろうとする。
 エルサレムでは、救い主誕生の予言に怯えたヘロデ大王(キアラン・ハインズ)が、救い主になる可能性のある者を全て殺害する命令を出す。
 やがて2人は、ヘロデ大王から逃れるため、ヨセフの故郷ベツレヘムへの遥かなる旅に出る。
 ヨセフは川の中に落ちたマリアを助け、ロバにマリアを乗せ、足が血まみれになっても歩き続ける。
 食料の自分の残りを、マリアが気づかないようにロバに食べさせる。
 マリアはお腹の子に向かって「あなたのお父さんは自分より人の事を考える人よ」と誇らしげに告げる。
 やがてヨセフはイエスをとり上げ、神々しい喜びの表情を見せる。
 マリアは、集まってきた東方の三博士や羊飼いの貧しい人々に向かい、「この子は全ての人のものよ」と宣言する。
 ヨセフとマリアの見返りを求めない無条件の愛。
 マリアを励ましてくれたエリサベト。
 寒そうだから温まるように言う羊飼い、  マリアが産気づき宿泊場所がなく困っていた時に「ここはどうだ」と声をかけてくれた人。
 「イエスの誕生はヘロデ王には内緒にしておこう」と言う三博士。
 彼らの“善なる行い”に“神”を見ることが出来る人は幸いである。
 

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