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『クォ・ヴァディス(原題:QUO VADIS)』1951年製作 168分 (原題:QUO VADIS) 監督:マーヴィン・ルロイ 原作:ヘンリック・シェンキウィッチ 脚本:ジョン・リー・メイヒン、S・N・バーマン、ソニア・レヴィン 音楽:ミクロス・ローザ 出演:ピーター・ユスティノフ(ネロ) ロバート・テイラー(マーカス) デボラ・カー(リジア) レオ・ゲン(ペテロネウス) パトリシア・ラファン(ポッペア) フィンレイ・カリー(ペテロ) バディ・ベア(ウルスス) ソフィア・ローレン(女奴隷) エリザベス・テイラー(女奴隷) ラルフ・トルーマン マレーナ・ベルティ 【解説】 「主よいずこへ(クォ・ヴァディス)」でお馴染みの世界的な文学作品の映画化作品です。 映画好き、文学好きの方から、クリスチャンなら当然知っていると思い、聞かれる可能性の高い作品ですので、教養の為にも見ておかれることをお勧めします。 聖書や歴史的事実と違うエンターテイメントな作品ではありますが、有名原作小説の映画化ということもあり、1951年の映画公開時は話題になったようです。 皇帝ネロ時代のローマ帝国や、ペテロたちキリスト教徒の殉教の様子をイメージするのには役立つ昨品です。 ネロの時代を扱っていますので、キケロ、セネカ、スキピオなど当時の著名人が出て来ます。 本作ではローマ大火はネロが親衛隊長が放火させたことにされていますが、事実ではなく俗説のようですし、キリスト教徒をライオンに食わせたり、火あぶりにする場面が出て来ますので、注意が必要です。。 ローマから脱出したペテロがアッピア街道を逃げていく途中、沿道の木に奇跡が起こり、“主の灯り”が見える場面は圧巻です。 ペテロが「主よ、何処へ行かれるのか(クォ・ヴァディス)」と問いかける場面がタイトルになっています。 主がペトロの連れていた孤児・ナザリウスに憑依し、「ローマ市民が私を求めている。彼らを見捨てるなら私自身がもう一度十字架にかかる」と告げ、それを聞いたペトロはローマへ引き返し、市民にネロの時代の終焉と主の永遠を訴えますが、親衛隊に捕えられ、バチカンの丘で十字架にかけられて処刑されます。 世間の価値観や常識とは違うクリスチャン、イエス・キリストの弟子としての在り方が示されています。 後に大スターとなったエリザベス・テイラーとソフィア・ローレンが端役で出ており、どこにいるか探して見るのも一興かもしれません。(BY天国とんぼ) 【ストーリー】(ネタバレ注意) 西暦1世紀前期、皇帝ネロが支配するローマ帝国の時代。 マーカス・ヴィニシウス将軍は3年に渡る遠征を終えてローマに凱旋した。 ネロはマーカスの叔父ペトロニウスの甘言に浸りながら詩作と放蕩に耽り、宮殿内では彼の妃ポッペアが幅を利かせていた。 マーカスは若く美しい王女リジアを妻にしたいという熱望に駆られ、ネロも許可を与えたが、リジアは彼の求愛を拒んで姿を消してしまう。 マーカスは占い師の力を借りて彼女の行方を探した結果、リジアが禁制のキリスト教の信者であることを知る。 マーカスは教徒の秘密の集合場へ潜入し、使徒ペトロが開催した集会を目撃。 参加していたリジアを連れ戻そうとしたが、彼女の従者ウルススの抵抗により手傷を負わされる。 リジアはマーカスを看護するうちに彼への好意を抱き始めるが、マーカスは彼女の信じるキリスト教を受け入れられず二人は離別してしまう。 その頃ネロは、自らの詩作の題材探しとネロポリスという新しい首都を建設することを目的にローマへ放火。 大火により市街は灰燼と化してしまう。 更に民衆の叛乱を恐れたネロはポッペアから「放火の首謀者をキリスト教徒と偽ればいい」と唆される。 以降、彼らへの弾圧が激しくなる。 マーカスは弾圧対象となったリジアを救おうとするが、彼に横恋慕するポッペアの奸計にかかり、自らもネロの親衛隊に捕えられてしまう。 また、放火と弾圧に反対したことでネロからの信頼を失いつつあったペトロニウスはネロに決別を告げる手紙を遺し、服毒自殺を遂げた。 一方、ローマから逃れていたペトロは旅の途中でローマへ向かう神の光と遭遇し、「主よ、何処へ行かれるのか(クォ・ヴァディス)」と問いかける。 主はペトロが連れていた孤児・ナザリウスに憑依し、「ローマ市民が私を求めている。彼らを見捨てるなら私自身がもう一度十字架にかかる」と告げる。 それを聞いたペトロはローマへ引き返し、市民にネロの時代の終焉と主の永遠を訴えたが、やはり親衛隊に捕えられてしまう。 マーカスはまだキリストの教えを信じ切れていなかったが改宗を決意し、獄中でペトロの祝福を受けてリジアとの結婚式を挙げる。 やがてキリスト教徒たちは闘技場でけしかけられたライオンに喰い殺され、ペトロは逆さ磔刑に処されたものの、死を目前にしても恐れる様子を見せないキリスト教徒たちの姿にネロやローマ市民は恐怖を抱く。 また、リジアの養父で元将軍のプラウティウス(英語版)が「放火はネロの仕業」だと訴えながら火あぶりの刑に処されたことで市民たちはネロへの疑いを深めていく。 ポッペアの余興のため最後まで生かされていたマーカスとリジアだが、リジアはウルススと共に猛牛をけしかけられ、マーカスはポッペアのすぐ傍でそれを見せつけられるという責め苦を味わうことになる。 しかし、ウルススが怪力で猛牛を返り討ちにし、マーカスは部下に助けられて九死に一生を得る。 マーカスはネロの悪行を告発し、更に新皇帝ガルバが即位すると知らされたローマ市民は一斉蜂起。 追い詰められたネロは自らを唆したポッペアを絞殺し、元愛人で今はキリスト教徒となった解放奴隷のアクテから「せめて最期は皇帝らしくしてほしい」と促され、彼女の助けを借りて自害する。 新皇帝の即位を見届け、自由の身となったマーカスはリジアやウルスス、ナザリウスと共にシチリアへ旅立っていく。 | |||||
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