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『ソドムとゴモラ』2000年 112分 (原題:Abraham/The Bible: Abraham) (原題:Abraham/The Bible: Abraham) 【スタッフ・キャスト】 監督: ジョセフ・サージェント 脚本:ロバート・マッキー 音楽:エンニオ・モリコーネ 制作国:ドイ/イタリア/アメリカ 制作:ロレンツォ・マイノリ 製作総指揮:ジェラルド・ラフショーン 音楽:マルコ・フリシーナ、エンニオ・モリコーネ 出演:リチャード・ハリス(アブラハム) バーバラ・ハーシー(サラ) マクシミリアン・シェル(ファラオ) ゴットフリード・ジョン(エゼル) ヴィットリオ・ガスマン(テラ) カロリーナ・ロシ(ハガル) アンドレア・プロダン(ロト) ケビン・マクナリー (ナホル) シモーナ・フェラーロ・チャートオフ(ロトの妻) トム・ラドクリフ (セルグ) ジュード・アルダーソン(ミカ) 【解説】 『ハリー・ポッター』シリーズのリチャード・ハリスが主演でアブラハムを演じ、『海の上のピアニスト』のエンニオ・モリコーネが音楽を担当した史劇ドラマ。 1994年のテレビ映画で、創世記11章〜22章に基づきアブラハムの生涯を描いています。 アブラムはウル出身のシュメール人と考えられています。 キリスト教、ユダヤ教、イスラム教は旧約聖書(特にモーゼ五書)という共通の経典を持つ兄弟のような関係の宗教ですが、純粋な信仰を要求する一神教であるがゆえに、わずかな違いが許せず、互いに妥協しない結果、近親憎悪的な感情を持つに至ってるという現在の状況を生んでいます。 しかし、アブラハムに関してだけは信仰の父親的な憧れと崇敬の念を持っているという共通点があり、その部分では一致している人物といえます。 邦題では、『ソドムトゴモラ』と付けられ、神の怒りを買い一晩で滅んだ“ソドムとゴモラの市”の悲劇を描いた作品のように思われがちで、事実迫真の映像と重厚な映像で描いてはいますが、あくまでも本題はアブラハムの生涯であり、その中の一エピソードに過ぎないことをご承知おき願います。 タイトルにこそ問題ありですが、真面目に作られており、旧約聖書を理解する上で役立つ映画だと思います。 だからといって、聖書の内容に完全に忠実という訳ではないので、用心しながら見る必要があるという意味では、普通の映画と変わりありません。 前半部分では、映画として盛り上げるために聖書とから離れたオリジナルのエピソードが織り込まれていますし、後半部分では現代人の感覚や倫理観に合わせたアレンジが施されています。 聖書を真面目に学びたいと思う人にとってはアレンジした部分やオリジナルな逸話部分が邪魔に思うでしょうし、純粋に映画として楽しみたいと思っている人にとってはエンターテイメント性に欠けていると感じるかもしれませんが、それは仕方のないことであり、最初から用心して見る分には、そうした瑕疵部分は大きな問題にはならないと思います。 映画はあくまでも映画であり、聖書を読む時に頭でイメージする参考にしたり、登場人物の人となりを大まかに理解するのに参考にすればよい程度のもので、決して鵜呑みにしてはならないことは映画を見る上での基本中の基本であることをご確認願います。 主人公のアブラハムは真面目で純粋な信仰の持ち主であり、それは長所ですが、短所でもあり、融通が利かない性格は何をし何を考えるか容易に想像がつく分、面白みに欠ける人間なので、なかなか感情移入しにくく、退屈に思う人がいるかもしれません。 しかし、その部分に関しては、信仰を持つ人間は世間一般の人からはそう思われているのだと理解して覚悟しておく必要があるのだと思いましたし、とても勉強になりました。 これまではアブラハムの信仰にばかり目が行っていましたが、実は父におとなしく従うイサクの姿こそが、イエス・キリストの姿であり、我々のあるべき姿なのだと気づけたのもよかったです。 感謝です。(By天国とんぼ) 【ストーリー】(ネタバレ注意) テラの息子アブラムは妹で妻のサライ、甥のロトらの民とハランを出て、神の啓示を受けた 約束の地カナンを目指す。 アブラムはこの時75歳だった。 だがカナンに辿り着くも、アムル人のマムレらが既に先住していたため、更にナイルに向けて出発する。 エジプトに着き、保護を受けるためエジプト王ファラオに妻サライを引き渡す。 エジプト中に疫病が蔓延する。 異国の民の神の仕業とされ、サライは返され一行はエジプトより追放される。 ファラオはアブラムを厚くもてなしたのでアブラムは家畜や金銀を得て富んでいた。 カナンに戻りアモリ人と和解し、互いの友となった。 民の数が増えすぎたためにロトは別の土地ソドムへ向かった。 シナルの王アムラペル、エラサルの王アリオク、エラムの王ケダラオメル、ゴイムの王テダルらがソドム・ゴモラに攻め込んだ。 ロトも捕虜となったが、アブラムは夜襲をかけ連合軍を破りロトを救い出す。 アブラムはソドムの王ベラに賞賛され、サレムの王メルキゼデクに祝福された。 アブラムは彼にすべての物の十分の一を贈った。 サライに子が出来ずアブラムと召使ハガルの子イスマエルが産まれた。 神がアブラムに契約を立てさせ、アブラムをアブラハム、サライをサラと改名させた。 3人の旅人が来る サラに子供が産まれると予言したため、既に高齢で産めるはずがないとサラが笑った。 息子をイサクと名付けよ”彼は笑う”という意である。 ソドムとゴモラは神の怒りを買って雷が落ちた。 ロトの妻は禁を犯して後ろを振り向き、塩の柱に変えられた。 アブラムは「正しい者が10人いたら滅ぼさない」と神の約束を取り付けていたがソドムとゴモラは滅びた。 サラは身籠り息子イサクを産んだ。 ハガルとイスマエルは去った。 アブラムは神の啓示を受ける。 「愛するひとり子イサクを連れてモリヤの地に行き、彼を燔祭として捧げよ」 悩みながらも神の命に従おうとするアブラハムと父親を信頼しおとなしく従うイサク。 まさに首を切ろうとした瞬間、神を恐れておることは分かったと神の声が聞こえ、代わりの羊が現れた。 神はアブラハムとその家族を祝福し、空の星、海の砂ほど数多くすることを約束された。 | |||||
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