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『ノア 約束の舟(原題:Noah)』(2014年)
(原題:Noah)を見る 【スタッフ・キャスト】 監督:ダーレン・アロノフスキー 脚本:ダーレン・アロノフスキー、アリ・ハンデル(英語版) 製作:ダーレン・アロノフスキー、アーノン・ミルチャン、 メアリー・ペアレント、スコット・フランクリン 製作総指揮:クリス・ブリガム、アリ・ハンデル 音楽:クリント・マンセル 撮影:マシュー・リバティーク 編集:アンドリュー・ワイスブラム 配給:パラマウント映画 出演者:ラッセル・クロウ(ノア) ジェニファー・コネリー(ナーマ) レイ・ウィンストン(トバル・カイン) エマ・ワトソン(イラ) ローガン・ラーマン(ハム) アンソニー・ホプキンス(メトシェラ ) ダグラス・ブース(セム) レオ・マクヒュー・キャロル(ヤフェト) フランク・ランジェラ(オグ) ダコタ・ゴヨ(若年期のノア) マートン・チョーカシュ(レメク) マディソン・ダヴェンポート(ナエル) ニック・ノルティ(シェムハザ) マーク・マーゴリス(マゴグ) ケヴィン・デュランド(ラミール) ノーラン・グロス(若年期のハム) アダム・グリフィス(アダム) アリアン・ラインハート(イヴ) ギャヴィン・カザレンニョ(若年期のセム) スカイラー・バーク(若年期のイラ) 【解説】 有名なノアの箱舟の話は創世記5-9章の中の短い話です。 それを長時間の映画にする以上、大きく話を膨らませる必要があり、どんどん聖書から離れてしまいます。 そこから何を学ぶかが大事ですので、注意して見る必要があります。 本作はノアの箱舟を題材にした物語となっていますが、聖書ではノアの箱舟に乗る人間はノアと3人の息子セム・ハム・ヤペテとそれぞれの妻の8人です(なおセム・ハム・ヤペテは長男、次男、三男という順番ではなく、神様に近いセム、セムに近いハム、セムから遠いヤペテという神様から見た優先順とお考え下さい)が、本作では家族以外の人間まで箱舟に乗り込んでおり、聖書からかけ離れた物語となっています。 従って、家族以外の話は、全てフィクションですし、それ以外の部分にしても、聖書とは関係ない話だとして見る必要があります。 一見ノアの信仰を描いた風に見える箇所もありますが、それは狂気の信仰であり、見るものを神様嫌い、信仰者嫌いにする映画といってよいと思いますし、それこそが製作者側の狙いなのだと思います。 神は完全ですが人間は不完全で、その不完全な人間が自分がしていることを正義だと思い込む怖さを、一家の家長であるノアで見せており、それを国のリーダーとして行っているのがプーチンや習近平ということになるのだと思います。 なぜ聖書を題材にしたのか、全くのフィクションで描けばよい話を聖書を題材にして描いたところに製作者側の悪意があり、少なくとも一神教を信じる監督に撮らせるべきだったと思います。 私は言論の自由を支持する人間なので、こんな映画でも上映禁止にしたりすることには反対なのですが、信仰者を躓かせる可能性があるので上映禁止にすべきと主張する人の気持ちも理解できます。 自分を正義と思い込み、簡単に人を裁く人間の怖さを描いた映画として見る分には良いですが、信仰者目線で見るとノアという人間を裁きたくなり、それこそが信仰の躓きになる可能性がありますので、客観的に冷めた目で見る自信のない方にはお薦め出来ない映画です。 あくまでもフィクションの映画として、聖書やキリスト教とは全く無縁の映画として見るか、【解説】と【ストーリー】だけを読んでスルーするか、決めるのはあくまでも自分であり、神様を言い訳に利用しないでください。(By天国とんぼ) 【ストーリー】(ネタバレ注意) 創世記の時代、アダムとイブはエデンの園を追われた後、カインとアベルとセトの3人の子どもをもうける。 番人と呼ばれた光の天使たちは、アダムに人間の愛と弱さを感じ、神に背いて彼らを助けてあげたために堕天使となり、泥の塊のような姿に変えられ天上界に帰る事ができなくなっていた。 カインはアベルを殺し、その子孫たちは堕天使から創造する事を教えられ、文明を築くことができた。 しかし人間はいつしか堕天使を裏切り倒してしまう。 それに抵抗したのが唯一神の創造物を大切に守り続けてきたセトの子孫、メトシェラであった。 メトシェラの孫になるノアが子どもの頃、カインの末裔で王を名乗るトバル・カインは、ノアの父を殺した。 それから成人したノアは、妻と3人の男子といっしょに、トバルが支配する社会から隠れて住んでいた。 ある日、ノアは洪水で人々が死ぬ夢を見る。 神が世界を滅ぼそうとしている事を知ったノアは、祖父のメトシェラに会うため、家族を連れて旅に出る。 途中、賊に襲われ怪我をしている少女イラに出会い助けるが、トバルたちの仲間に襲われる。 そこに泥の塊の巨人となった堕天使の生き残りが現れ、ノアの家族を連れ去る。 ただし泥の巨人の長であるシェムハザはノアたち人間を信じなかった。 しかし、泥の巨人のオグがノアを信じて逃がしてくれたおかげで、ノアらは無事にメトシェラの住む山にたどり着く。 そこでメトシェラに会い、再び神の啓示を受けたノアは、世界は滅びるが、そのあとに楽園がやってくる事を知る。 そのためにあらゆる動物を巨大な箱舟に載せて救う事が、自分に与えられた神の使命だと知る。 ノアは誤解を解いた泥の巨人たちの助けを受け、神から与えられた森で箱舟の建造にとりかかる。 やがて舟の形ができ始めると、続々と鳥を始めとする動物たちが箱舟を目指してやって来た。 世界の大地は枯れ食料も無くなり、そんな中、トバル・カインも仲間を連れてやって来る。 トバルは、人間は神に見捨てられて久しいが、神が世界を洪水で滅ぼすと言うのなら箱舟をもらうと言い、一旦は引き下がるものの、いよいよ大雨が降り始めると再び大挙して箱舟を奪いにやってくる。 箱舟とノアたちを守る泥の巨人たちとの間に壮絶な戦いが始まり、巨人たちは一人またひとりと倒され、天上界に帰って行く。 そして大洪水がおきた。 舟は洪水の嵐の中で漂流し始める。 ノアは溺れている一切の人間を救わなかった。 ノアの家族はそんなノアに疑問を持つが、洪水のあとに再び楽園が戻ってきたときに、そこに人間が存在してはいけないという。 そこに住めるのは汚れなき動物たちだけであり、人間がいると再び悪がはびこってしまうというのだ。 イラとノアの長男セムは互いに愛し合っていたが、イラは子どもが産めない体だったため、ノアの三男ヤフェトで人間は最後になると言った。 ところが妻のナーマの願いとメトシェラの祝福によって、イラは子どもが産める体になっていた。 そして、ある日セムの子どもを妊娠した事がわかると、ノアは神の命に背いた家族に怒りを表しつつも、同時に生まれて来る子どもの許しを神に請う。 しかし神の返事が無いことを知ると、生まれてきた子どもが女であればその場で殺すと、家族に告げる。 そして双子の姉妹が生まれる。 生まれた子どもを殺す事は正しい行為ではないと諌めるナーマや抵抗するセムにもとりあわず、ノアはイラが抱いている子どもを殺そうとする。 しかし、殺す事はできなかった。 赤子を前にして、ノアの中には愛だけがあった。 やがて陸地が現れたとき、ノアは神の使命を果たせなかったことと、家族を苦しめたことを悔い一人離れて暮らした。 イラはノアに対して、神があなたを選んだのは、人間を救う価値があるのかどうか、それをあなたに委ねたからだと言い、そしてあなたは慈悲を選んだと言った。 ノアは子供たちを集め、神がアダムに託したことを継承していくのだと言って祝福した。 そして「生めよ。増えよ。地を満たせ」と言うと、空に大きな虹の輪が拡がっていった。 | |||||
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