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聖書 を学びたい人のための映画
■G『キリスト教誕生後の世界』の映画■
『愛する(1997年)』114分

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【スタッフ・キャスト】
      監督:熊井啓
      脚本:熊井啓
      原作:遠藤周作「わたしが・棄てた・女」
      製作:山口友三
      撮影:栃沢正夫
      美術:木村威夫
      照明:島田忠昭
      音楽:松村禎三
      編集:井上治
      助監督:竹安正嗣
      配給:日活株式会社
      原作:遠藤周作「わたしが・棄てた・女」
      製作:山口友三

 出演者:酒井美紀(森田ミツ)
     渡部篤郎(吉岡努)
     宍戸錠(知念)
     岡田眞澄(大学病院教授)
     松原智恵子(シスター山形)
     三條美紀(稲村看護婦長)
     上條恒彦(奥原院長)
     西田健(西山医師)
     岸田今日子(加納たえ子)
     小林桂樹(上條老人)
     絵沢萠子(アパートのおばさん)
     梶原美樹(ヨシ子)


【解説】
 遠藤周作の『わたしが・棄てた・女』を熊井啓監督が酒井美紀、渡部篤郎主演で映画化した。
 新生・日活の第1回作品といわれる。

 「わたしが・棄てた・女」は、過去に浦山桐郎監督で映画化されている。
 しかし、登場人物の設定を借りてはいるが、原作からはかけ離れた話になっていた。
 やはり、ハンセン病が主な内容なので、最初の映画化ではストーリーを変えざるを得なかったのかも知れない。

 熊井啓監督による2度目の映画化は、設定は現代だが、原作に忠実なストーリーに仕上がっている。
 さすが、社会派の第一人者、熊井啓である。
 原作者の遠藤周作によれば、純粋に人を愛し続けるミツはイエス像に結びついており、キリスト教を信じる遠藤周作の人を救うことについての深い想いが根底にあるのだ。

 ヒロインの森田ミツは、実際にハンセン病と誤診され、後に看護婦となった経歴を持つ実在の人物・井深八重がモデルとなっているという。
 このモデルとなった女性については当時新聞にも掲載されて話題になったようだ。
 遠藤自身が最も好きな登場人物であると語っている。

 ハンセン病と診断される女性・ミツを酒井美紀が演じている。
 診断が誤診だったことを知らされるも、信愛園に戻ってそこで働くことにする。
 酒井美紀は、そんな気高い女性を熱演している。
 彼女にぴったりのキャスティングである。

 渡部篤郎が演じる努という男は、女を捨てるクズかと思いきや、一途な良いキャラクターだ。
 最後に、ミツの死亡を知らされて、彼女の墓に向かう姿は心を打たれる。

 岸田今日子が、ミツの彼氏・努(渡部篤郎)と療養所とをつなぐ、たえ子という女性を演じている。
 冷静で優しくて思いやりがあって、慎み深い。
 この女優は数多くの映画に出演し、貴重な助演者として存在感を見せていた。
 (「人生・嵐も晴れもあり」より 【https://ameblo.jp/southerncrossagency/entry-12715694965.html】


 ネットで見た評価の中で私が言いたいことを的確に表現してくれていたので、そのまま載せることにしました。
 当時、映画館で観て、涙が出たのを覚えています。
 ネットでの評価は散々でしたが、匿名なのをこれ幸いにとばかりに、いっぱしの映画評論家気取りで上から目線で批判している人が多く、本当に映画好きな人たちなのかなと疑問に思うほど、一体何様という批評が多くて残念な気持ちになりました。

 遠藤周作原作の映画の中で最も好きな作品かもしれません。
 ぜひご覧になっていただきたいと思います。
 決して後悔しないと思います。(By天国とんぼ)


【ストーリー】(ネタバレ注意)
 製綿工場に住み込みで働いている孤独な少女・ミツ(酒井美紀)は、自分と同じような境遇の青年・努(渡部篤郎)と知り合い、彼を愛するようになる。
 だが、努にとって彼女は行きずりの女でしかなく、彼は彼女の前から姿を消してしまった。
 それから一カ月後、工場が潰れて場末のバーで働くようになっていたミツは、努と偶然再会する。

 連絡を絶っていた努をなじろうともせず、ミツはひたむきに彼を愛そうとした。
 そんな彼女を見て、努も心を許すようになっていく。
 ところが幸せも束の間、ミツが病気にかかり、大学病院の勧めで地方の療養所に入院することになってしまった。

 努と別れ、ミツはひとりで北アルプス山麓にある“信愛園”の門を潜る。
 彼女はそこで、初めて自分がハンセン病であることを知らされた。
 ハンセン病とは、伝染病、遺伝病と忌み嫌われ、政府からも強制隔離という措置が採られていた病気である。

 しかし、現代医学ではそれが完治することが分かり、彼女は安心した。
 園の中の人たちはみな、ミツに親切にしてくれ、とりわけ相部屋の加納たえ子(岸田今日子)という初老の女性と友好を深めていった。
 ミツは、彼女から、園の人々がハンセン病にかかったがゆえに世間から受けた迫害についての話を聞かされる。

 そうした差別が原因で、たえ子自身も病気が完治した今も園の中でしか生活することができないでいるのだ。
 ある日、ミツは奥原院長(上條恒彦)から彼女への診察が誤診であったことを知らされる。
 喜びに震え、ミツは退院していくが、東京へ向かう電車には乗ることができなかった。

 自分に親切にしてくれた人たちのことを思った彼女は、園に戻り、婦長らの反対を押し切ってそこで働くことを決心する。
 正月、ミツに賀状を送った努のもとに、たえ子からの封書が届いた。

 それはミツの園での生活と、交通事故による彼女の死を知らせるものだった。
 知らせを受けた努は北アルプス山麓へと急ぎ、彼女の墓に詣でた。


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