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聖書 を学びたい人のための映画
■G『キリスト教誕生後の世界』の映画■
『祈りのちから(原題:War Room)』2015年

『祈りのちから(原題:War Room)』2015年


【スタッフ・キャスト】
 監督:アレックス・ケンドリック 
 製作:スティーブン・ケンドリック
 脚本:アレックス・ケンドリック、スティーブン・ケンドリック
 撮影:ボブ・M・スコット
 美術:キャサリン・タッカー
 編集:アレックス・ケンドリック。スティーブン・ケンドリック
 音楽:ポール・ミルズ

 出演:プリシラ・シャイラー(エリザベス)
    T・C・ストーリングズ(トニー)
    カレン・アバクロンビー(クララ)
    アレックス・ケンドリック(コールマン)
    マイケル・Jr(マイケル)


【解説】
 映画監督で、牧師としても活動するアレックス・ケンドリックによる作品。
 教会には行くが決して敬虔なクリスチャンではない女性が、1人の老婦人と触れ合うことで「祈り」の尊さに目覚めるという物語。
 出演者は無名俳優がほとんどであるにもかかわらず、全米で高い興行成績を記録した話題作。

 「聖書」や「祈り」、「サタン」という言葉が頻繁に出て来るために、ノンクリスチャンには(私にとっても)ハードルが高い映画な気がしますが、日曜日だけクリスチャンをしているサンデー・クリスチャン≠ェ意外に多いというのが、アメリカでヒットした要因なのかもしれません。
 出演する俳優は、映画通を自称する私でも知らない顔ばかりで、主演のプリシラ・シャイラーは、アメリカで有名な女性キリスト教伝道師で、多数の著書もある方だそうで、自然な演技に驚かされます。

 クララのアドバイス、「相手を変えるのではなく、自分から変わる」とか「まずは感謝」などは、自己啓発本やスピリチュア本にも同様の趣旨のことが書かれています。

「心が変われば行動が変わる。
 行動が変われば習慣が変わる。
 習慣が変われば人格が変わる。
 人格が変われば運命が変わる。」

 この言葉は、私の好きな松井秀喜氏の座右の銘ですが、星稜高校時代に野球部の山下監督からおくられた言葉で、もともとは 心理学者ウイリアム・ジェイムズの言葉だとのことです。

 マザーテレサもこんな名言を残しています。
 「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
  言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
  行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
  習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
  性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。」


 ヒンズー教の教えにもこのような言葉があります。
 「心 が変われば 態度が変わる。
  態度が変われば 行動が変わる。
  行動が変われば 習慣が変わる。
  習慣が変われば 人格が変わる。
  人格が変われば 運命が変わる。
  運命が変われば 人生が変わる。」

 そういう意味では祈りとは、神との会話であり、心の奥底の自分との会話でもあり、自分に対して意識付けしているからこそ、それが行動になって表れてくるのだと思います。
 エリザベスが実践する「祈り」とは宗教的というより、きわめて人間として普遍的な行為であり、クララのクロゼットも小さな教会であり、瞑想するための部屋であり、とても参考になります。
 自分も許されていることを自覚して他人を許し、あらゆる機会を利用して反省し、喜び、祈り、感謝することは宗教とは無関係ない人でも実践できることではないでしょうか。

 私は傲慢な人間なので、偉そうに導こうとするような態度をとられると敏感に「上から目線」を感じ、反発してしまうので、クララのような熱量のある純粋な人は苦手です。
 「小さな親切余計なお世話」という言葉があるように、お節介する人は好きではありません。
 そのくせ自分はサービス精神が旺盛なのか、頼まれもしないお節介をしては反省しています。

 今もこうして映画を薦めているのか、見るなと言っているのか分からないような文章を書いています。
 映画の中では、エリザベスは自発的にクララに助言を求めていましたし、クララもしつこく付きまとうことなく、厄介なお節介おばあちゃんにならないよう理性的に神様に祈るシーンはとても印象に残りました。
 信仰初心者にとって先輩の熱い信仰心ほど怖いものはなく、今でもトラウマとなって残っています。

 「信仰があれば乗り越えられる筈だ」という言葉に悪気がなかったとしても、現代においてはパワハラであり、モラハラになります。
 「純粋」や「ナイーブ」は誉め言葉のようですが、或る意味、赤ちゃんと同様という意味であり、とても無神経で配慮や忖度をしない人間という意味でもあると中学時代から思っていました。
 そうした点に注意して見て頂けたら、色々得るものが大きいと思います。

 なお私は渡してしまえば、言ってしまえば、それで気が済んでしまう人間です。
 その後は相手の問題ですので、見ようが見まいが、聞こうが聞くまいが、参考にしようが無視しようが、全く気にしない人間ですので、後は完全にお任せです。
 武士ではありませんが、二言はありません。(By天国とんぼ)


 
【ストーリー】(ネタバレあり)
 不動産のセールスで活躍する、キャリアウーマンのエリザベス。
 夫と娘もいて、何ひとつ不自由のない豊かな生活を送っているように見えました。
 しかし、問題はありました。

 夫のトニーは、製薬会社の営業マンで、優秀な仕事ぶりが評価されていますが、家庭的とは言えない男性でした。
 忙しさにかまけて、家族と過ごす時間をろくに取ろうともせず、また、出張も多いことから浮気の心配もあったのです。
 エリザベスとトニーはしょっちゅう食卓で喧嘩を繰り広げ、そんな両親の姿を見つめる娘ダニエルは、いつも心を傷めていました。

 ある日、エリザベスは一人の老婦人のもとを訪ねます。
 クララというその婦人は、夫と死別してから一人暮らし。
 息子と同居することになり、家を売りたいとのことでした。

 翌日、価格の交渉に再び訪れたエリザベスにクララは「神の教えを信じる?」と尋ねます。
 教会には通っていても、強い信仰心を持たないエリザベスはとまどいます。
 クララは「あなたは昔の私によく似ている。私と同じ地雷を踏まないで」と言うのです。

 心を見透かされたエリザベスは、結婚生活がうまくいっていないことをクララに打ち明けます。
 クララは「私の一番好きな部屋を見せてあげる」と言い、寝室にあるクロゼットの中を見せます。
 そこには壁一面、いくつもの聖書の言葉が書かれた紙が貼ってありました。

 驚くエリザベスにクララは、「週に一時間だけ私に時間をくれたら、人生の正しい戦い方を伝授するわ」と言います。
 その夜、エリザベスは、両親が自分に関心を持ってくれないと泣いて訴えるダニエルにショックを受けます。
 忙しいあまり、娘につらい思いをさせていた自分を責めるエリザベスは、クララの家を訪ねて心のうちをぶちまけます。

 夫への恨みをえんえん愚痴り続けるエリザベスに、クララは一冊のノートを渡します。
 それは、クララが「戦いの言葉」を書き留めたものでした。
 その日からエリザベスは、クララのノートを読みながら自分を変えようという努力を始めます。

 しかしトニーは全く変わらず、通っているジムの仲間にも家庭生活の不満をこぼすだけでした。
 ある日、駐車場にいたエリザベスとクララに、ナイフを持った青年が「金を出せ」と迫ってきます。
 恐怖に凍りつくエリザベス。
 しかしクララは、「ナイフを置きなさい!イエス様の御名の下に!」と平然と立ち向かいます。
 青年はひるんで逃げて行きました。

 クララの強さに深い感銘を受けたエリザベスは、今度こそ聖書を勉強し、自分のクロゼットに大切な言葉を貼りつけていきます。
 そんな時、トニーが浮気をしていることを知ったエリザベス。
 衝撃のあまりクロゼットの中で座り込んでしまいますが、涙を流し、「どうか夫に私を裏切らせないでください」と、心からの祈りを捧げるのでした。
 その頃トニーは、浮気相手の女性とレストランで食事中でした。

 会話を楽しんでいたはずが、なぜか急に罪悪感に襲われて気分が悪くなったのです。
 そんなことは知らないエリザベスでしたが、毎日一心に神に祈り続け、気持ちがどんどん前向きになっていく自分に驚きます。
 出張から戻ったトニーは、エリザベスが自分の浮気に気づいていることを知ります。
 しかし、エリザベスはトニーを責めもしないのです。

 そんな時、トニーが営業先で不正を行っていたという事実が明るみに出て、彼は会社を解雇されてしまいます。
 それでもエリザベスはトニーを責めることなく、「私が仕事を頑張るわ」と言うのです。
 エリザベスの外出中、彼女のクロゼットに入ったトニーは驚きます。

 壁にたくさん貼られた紙には、自分への愛の言葉と家族への祈りがいくつも書かれていたのです。
 トニーはひざまずき、家族を裏切り続けた自分の傲慢さを詫びて泣きます。
 トニーが娘を迎えに学校へ行くと、ダニエルが体育館で縄跳びをしています。
 娘が頑張っている姿を誇りに思うトニー。

 そんな彼に、エリザベスは語りかけます。
 「私は結婚生活を諦めてはいない。あなたを愛している」。
 2人はもう一度やり直そうと手をとり合いました。

 トニーは、横流しするつもりで持っていた薬品のサンプルを全て会社に返却します。
 会社の上司は、勇気を出して真実を告白したことに免じ、告訴はしないと言います。
 2人は涙を流して神に感謝するのでした。

 エリザベスは後日、改めてクララにも感謝を捧げます。
 トニーとダニエルは、学校対抗のチーム縄跳び大会に出場します。
 彼らの演技は大喝采を浴び、ダニエルは「これが私のパパよ!」と叫びます。
 トニーのチームは2位を受賞しました。

 家族の絆を取り戻した3人。
 そんな時、トニーに新しい仕事のオファーが入ります。
 エリザベスはクララに報告。

 クララは我がことのように喜び、人生の戦いに勝利したエリザベスに、心からの愛と祝福を伝えるのでした。
 そしてクララはクロゼットの中で祈り、みなに幸福が訪れたことを神に感謝するのでした。


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