「ナポレオンの遺書の一部(シカゴ・レイキサイド教会葛原千秋牧師訳による)」

あなたは1999.08.23以来番目の来場者です。


 私は、大胆に、キリストを信じますと、大声で告白できなかった。
 そうだ、私は、自分がクリスチャンであると、告白すべきだった。
 今、セントヘレナにあって、もはや遠慮する必要はない。
 私の心の底に信じていた事実を告白する。
 私は、永遠の神が存在していることを信じる。
 その方に比べると、バートランド大将よ、貴方はただの元首に過ぎない。
 私の天才的なすべての能力をもってしても、このお方と比較する時、私は無である。
 完全に無の存在である。
 私は、永遠の神キリストを認める。
 私は、キリストを必要とする。
 私は、キリストを信ずる。
 私は、今セントヘレナの島につながれている。
 一体誰が、今日私のために戦って死んでくれるだろうか。
 誰が、私のことを思ってくれているだろうか。
 私のために、死力を尽くしてくれる者が今あるだろうか。
 昨日の我が友はいずこへ。
 ローマの皇帝カイザルもアレクサンダー大王も忘れられてしまった。
 私とて同様である。
 これが、大ナポレオンとあがめられた私の最後である。
 イエス・キリストの永遠の支配と、大ナポレオンと呼ばれた私の間には、大きな深い隔たりがある。
 キリストは愛され、キリストは礼拝され、キリストへの信仰と献身は、全世界を包んでいる。
 これを、死んでしまったキリストと呼ぶことが出来ようか。
 イエス・キリストは、永遠の生ける神であることの証明である。
 私ナポレオンは、力の上に帝国を築こうとして失敗した。
 イエス・キリストは、愛の上に彼の王国を打ち立てている。  




 「我が辞書に不可能はなし」と豪語した天才ナポレオンは、1769年、コルシカで生まれ、そしてアフリカの西海岸に浮かぶセントヘレナの島で、1821年、癌のためにその波乱に充ちた、52年の生涯を閉じました。
 その彼の遺書が、意外なことにアメリカのシカゴの大学の図書館に保存されているそうです。

 それをシカゴ・レイキサイド教会の葛原千秋牧師が訳され、礼拝で紹介されたときに居合わせ感動したJTJ宣教神学校校長の岸義紘先生が、牧師から直に原稿を戴いたということです。
 そして、その話を、私が学んでいるJTJ宣教神学校の通信教育のビデオの「マタイの福音書」の講義の中で紹介され、これは是非紹介したいと思い、その場でパソコンに入力した次第です。
      1999.08.23(会田夏彦)

すてきな祈りへ