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「出発(たびだち)の歌」


「旅立ちなさい 時は来ました」
そんなあなたの一言にうなずいて
私は今 風に向かって 歩き出した
あなたはとても冷たくて
一歩重ねる度に 私の不安も重なる
そして分かれ道
そこにはあなたの言葉が刻まれた手紙
「君の行く道は いつも正しい」
私の道が いつも正しい?
そんなことは あり得ないと思うけど
それでも私は いつの間にか道を選んで
また歩き出す 前へ前へ
あなたの言葉が 羅針盤
ふと振り返ると
私の歩いてきた道は 花に埋め尽くされ
楽しくなって 前を向くと
一筋の道もなく ただ荒野が広がって
そこにはあなたの言葉が刻まれた手紙
「さあ 旅立ちなさい 時は来ました」
私は軽く胸を張り 一人荒野に歩き出す

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