今日また一人の 人が死んだ その度に僕は脈打ち この世界の全てから隔絶されていく みんなえらいな 同じように辛いのに あんなに平気な顔をして オレンジの空を見上げる 台風にはじき飛ばされた雲が 美しく儚く 悲しみも絶望も気付かせぬように 夕風をなびかせていく 紫と灰色の岸辺の隙間に 空の大陸を見る 少年の夢の帰る場所だった ラピュータの伝説 緩やかに流れていく 飛行船の群 あそこへ行くことを 許された人たちに向かって 口笛を吹く トランペットの代わりだ ここは海底かも知れない 凄まじい水圧に 人の暮らしが沈められている 僕らは永遠に あの大陸を見上げながら歩いて行くんだ たとえ宇宙を漂うときも いつも頭の上には海面があって 人の帰るべき場所が待っていてくれる でも僕には待っている人と 海底の暮らしがあるのだから 今はここに踏ん張って ひとつでもたくさんの幸せを 救い出す努力をしよう ラピュータよ 君がもし 大好きなみんなを 連れ去ろうとするなら 僕は戦うよ 夜の帳が降りて 海の底には一面に 明日のための明かりが灯る さあ行くぞ 僕は口笛を吹く トランペットの代わりだ