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「晩秋のミレニアム」


パーソナル・マイン
静かにたたずみながら
炸裂するその時を待つ
砕け散れ、こころ

大事なところのリアリティ
そんなものばかり追いかけて
何気ない日々の実際に
ふれずに来たのかも知れない

信じあうことの確かさを
仮想現実ばかりが訴える
怖くて踏み込めぬ人々が
夢を見ようとあがいてる

菜っぱの端から凍ってく
吹きっさらしのこの小屋で
七人家族が肌寄せて
明日が見えぬと泣いている
疑いが作るこの国の
千年の夢の片隅で
忘れ去られた現実が
確かに息をしていると
疑うことしかできぬのに
気付けるはずもないだろう

パーソナル・マイン
何も変わらないなんて
すました顔で笑ってる
静寂に犯されて

たいした言葉じゃないくせに
LIVEなリズムにのっかると
振り向いた胸にしみこんで
なんだか涙があふれ出す

もらった言葉のどの辺に
ホントのこころがこもってる
わからないまま刻んでた
笑顔を後悔してる夜

泣きながら生まれてきたくせに
泣かずに生きていたいと思う
段々枯れていくみたい
仕事帰りの夕空が
人恋しいと泣きじゃくる
捨て去るものを間違えて
見つめるものを間違えて
千年の夢のこの国の
現実の形を見つめれば
泣きじゃくるしかないだろう

パーソナル・マイン
涙から始めなければ
笑顔さえ嘘になるから
初めからあるものなんて
ホントの楽しさじゃない
与えられるだけのものは
自分の一部にはならない
自分の両手でつかもう
優しい両手でつかもう
こころが砕け散る前に

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