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「 超 新 星 」





僕は太陽になりたい

太陽でありたい

そう思って

いつも思い続けて

一生懸命灼熱するけれど

雨雲は

あの壁は果てしなく厚く

みんなが見つめる

無愛想で薄暗い表面と

僕が見つめる内側の白い波

その間は

どうしようもなく隔たっている

誰も雨雲を突き抜けて

僕を見つめたりはしない

誰だってそうだろう

毎日は自分自身のことだけで

精一杯に忙しいんだし

そういう暮らしの真ん中で

嘘をついたり目を背けながら

最小限の愛を守っている

それはそれで正しいことだと思う

それはそれで愛しいことだと思う

雨が降れば傘をさせばいい

濡れて凍えて

死んだりしてはいけない

だけど

そう思う僕の心に

涙があとからあとから

枯れることなく降り注いで

灼熱するほどに無表情になって

愛する人々に冷気をしみこませてる

孤独なのか

雨雲の壁は僕の顔

あの果てしない隔たりを

突き破ることができるのならば

僕の太陽を爆発させて

世界を焼き尽くしても良いとさえ

思い詰めてしまうこともある

超新星となって

時空を駆け抜けてみるのも悪くない、などと

そう思い捨ててしまうことさえも

抗いがたくあるのです


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