脊椎疾患(椎間板ヘルニアなど) 病院案内 目次へ

スプリングアニマルクリニックでは椎間板ヘルニアなどの脊椎の病気に対しCTスキャンを用いる事で大きな成果をあげております。 今までのレントゲン検査に頼った診断・治療と比較しながらどこがどう違うのか解説して行きます。

1)椎間板ヘルニアの病態…背骨の構造と病態と症状
椎間板ヘルニアは椎間板の軟骨が上に飛び出し、脊椎神経を圧迫ことにより「痛み」「歩行異常」「下半身麻痺」などの症状が起こります。ダックスフンド・ミニチュアダックス・ビーグルなどに多発します。

椎間板ヘルニアのワンちゃん(ミニチュアダックス)…腰の麻痺により後ろ足を引きずってしまう。く

2)検査法と治療法
(検査法)…背骨の病気を疑ったら、通常レントゲン撮影を行います。しかしレントゲンは骨の内部の神経は全く写りませんので周囲の骨の変形から神経の圧迫を推測して病気の存在を診断します。 ここで症状が重度で手術の必要性が示唆される場合、今までは脊髄の内部に造影剤を注入してレントゲン撮影を行い神経を映し出して病巣の場所と程度を診断していました。この検査法は有用ですが、検査中痙攣が起きるなど動物の体への負担と高い費用、またその割にあまりいい情報が得られない場合などもありました。 ところが、ここでCTを使えば10分で1)神経の圧迫の程度2)病巣の場所3)手術の必要性(内科的な治療で治るのかどうか)4)手術の方法(何ミリ削ればいいか)がわかってしまうのです。
(治療法)…治療法は神経の圧迫が少ない場合、内科的な治療を行います。消炎剤・関節や軟骨を活性化させる薬・針治療などが考えられます。 神経の圧迫が重度の場合は、早急な手術が必要となります。なぜなら神経の損傷は一度破壊されるとほとんど再生しませんから、破壊される前にヘルニアによる圧迫を外科的に取ってあげる必要があります。「薬で様子をみましょう。」では手遅れになる危険性が考えられるのです。まずは早急にCT検査を受けましょう。

背骨のCTスキャン写真 

3) 症例1,2(軽症例…内科的治療が優先される症例)…症状がひどくても実際には神経の圧迫がないので、あわてて手術をする必要がない症例。
この子たちは、後ろ足の麻痺があったもののCT検査では大きな異常がみられないので薬で安静治療をしました。すぐに歩けるようになりました。症状がどんなにひどくても軟骨の飛び出しがなければ手術をする必要はありません。手術適応でわないワンちゃんに手術をして、たとえ治ってもそれは手術をしなくても治っていた可能性が高いのです。痛い思いと無駄なお金を使う必要はありません。 病気の主な原因は脊椎神経への外力による腫れや内出血などが考えられます。また血栓や感染など他の特殊な病気も考えなくてなりません。

ヘルニアによる脊椎の圧迫がほとんどみられない

4) 症例3,4(重症例…外科的治療が必要な症例)…ヘルニアによる圧迫がひどい症例。神経細胞は一度ダメになってしまうと再生しないので、薬で様子をみていると一生車椅子の生活になってしまう危険性があります。
この子たちは、後ろ足の麻痺がありCT検査でも大きな圧迫が見られたので早急に手術をしました。手術は脊椎神経の天井の骨を削って挟み撃ちになっている神経の逃げ場をつくってあげる手術を行いました。この手術は神経を傷つけないようにミリ単位で正確に骨を削る必要があり、熟練を要しますが、CT写真があれば手術前に何ミリ削ればいいか把握できるので大きなメリットがあります。右の写真は実際の手術例です。寸分の狂いもなく骨が削れて、中に脊椎神経がきれいに見えています。

ヘルニアによる脊椎の圧迫がひどいケース

5) 症例5(特異な例…症状的には椎間板ヘルニアを疑うが、実際は別の病気)…レントゲン検査だけでは、病気を見逃してしまい、ヘルニアだと推測して外科手術をしても改善が期待できない症例
この子は、後ろ足の麻痺がありレントゲンには異常が見つからずCTをとりました。背骨にガン(腫瘍)が見つかりました。

レントゲン検査だけだとヘルニアだと誤診して今う可能性が高い例