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だれがこまどり ころしたの? わたし とすずめがいいました わたしのゆみやで わたしがころした
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だれがこまどり しぬのをみたの? わたし とはえがいいました わたしがこのめで しぬのをみた
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だれがそのちを うけたのか? わたし とさかながいいました ちいさなおさらで わたしがうけた
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だれがきょうかたびらをつくるのさ? わたし とかぶとむしがいいました はりといととで わたしがつくる
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だれがおはかを ほるだろう? わたし とふくろうがいいました すきとシャベルで わたしがほろう
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だれがぼくしに なるのかね? わたし とからすがいいました せいしょをもってる わたしがなろう
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だれがおつきを してくれる? わたし とひばりがいいました まっくらやみでなかったら わたしがおつきに なりましょう
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だれがたいまつ もつのかな? わたし とべにすずめがいいました おやすいごようだ わたしがもとう
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だれがおくやみ うけるのか? わたし とはとがいいました あいゆえふかい このなげき わたしがおくやみ うけましょう
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だれがおかんを はこぶだろう? わたし ととんびがいいました もしもよみちでないのなら わたしがおかんを はこびます
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だれがおおいを ささげもつ? ぼくら といったはみそさざい ふうふふたりで もちましょう
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だれがさんびか うたうのか? わたし とつぐみがいいました こえだのうえから いいました わたしがさんびか うたいます
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だれがかねを つくのかね? わたし とおうしがいいました なぜならわたしは ちからもち わたしがかねを ついてやる
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かわいそうな こまどりのため なりわたるかねを きいたとき そらのことりは いちわのこらず ためいきついて すすりないた |
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Who killed Cock Robin? I, said the Sparrow, With my bow and arrow, I killed Cock Robin.
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Who saw him die? I, said the Fly, With my little eye, I saw him die.
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Who caught his blood? I, said the Fish, With my little dish, I caught his blood.
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Who'll make his shroud? I, said the Beetle, With my little needle, I,ll make the shroud.
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Who'll dig his grave? I, said the Owl, With my pick and shovel, I'll dig his grave.
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Who'll be the parson? I, said the Rook, With my little book, I,ll be the parson.
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Who'll be the clerk? I, said the Lark, If it's not in the dark, I'll be the clerk.
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Who'll carry the link? I, said the Linnet, I'll fetch it in a minute, I'll carry the link.
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Who'll be the chief mourner? I, said the Dove, I mourn for my love, I'll be chidf mourner.
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Who'll carry the coffin? I, said the Kite, If it's not through the night, I'll carry the coffin.
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Who'll bear the pall? We, said the Wren, Both the cock and the hen, We'll bear the pall.
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Who'll sing a psalm? I, said tha Thrush, As she sat on a bush, I'll sing a psalm.
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Who'll toll the bell? I, said the Bull, Because I can pull, So Cock Robin, farewell.
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All the birds of the air Fell a-sighing and a-sobbing, When they heard the bell toll For poor Cock Robin. |
このライムについて二つの有力な説がある。一方はロバ−ト・ウォルポ−ル失脚の事件に由来するという説で、もう一方はヨ−ロッパ各地で似たような韻文にみられる、ノルウェ−神話のバルドルの死の物語である。このライムの初出は明らかではないが、ウォルポ−ルの肖像画が最も描かれた頃と、このライムの一番古い記録(1774年ごろ)は丁度同じ時代である。
他方では、内外から指摘されている点は、このライムが相当な古さを持っているということである。第五スタンザの owl と shovel は韻を踏んでいるが、shouell, shoul 若しくは showl という言い方は14世紀にみられ、現在でも方言として残っている。British Archaeological Association Journal, 1944 によれば、このライムがグロウチェスタ−のバックランド牧師館に15世紀のステンドグラスに描かれているという。ハ−トを一本の矢に貫かれた鳥は、一見してコマドリだとわかる、その物語は、1508年のジョン・スケルトンの「フィリップ・スパロ−」、若しくは、カトゥルスの "Luctus in morte Passeris" と同様に進行している。
現在のドイツの似たようなライムは誰の死が惜しまれているのか明確ではない、しかし、このライムの特徴と同じように、主な会葬者はやはり鳥たちである。
Wer is dod? - Sporbrod. Wenn ehr ward begraben? Oerwermorgen abend, mit schuffeln un spaden Kukuk is de kulengraver, Abedor is de klokkentreder, Kiwitt is de schauler, Mit all sin schwester un brauder. 誰が死んだ、 −飢え死にさ、 いつ埋葬する、 −あさっての前の日、すきとシャベルで、 カッコ−が墓を掘り、こうのとりが鐘鳴らす、 ゆりかもめは神学者、兄弟姉妹皆と共に。
13世紀の英語の詩では、bull は今日の様に牛科の動物を表すことはなかった.それは bullfinch の短縮形であろう(ク−パ−の "Bully" と同様に).それならば,この物語の中でも他の小さな生き物たちと調和しているし、始めの頃のコック・ロビンのチャップブック(かなりの数の内)でも幾つかではそのように描かれている。
このライムに関する二つの説は互いに矛盾するものではない。古いライムが、ウォルポ−ルの時代に再載され、あるいは復活したのかもしれない。後の時代でも(1821)このライムはバイロンによってキ−ツの死を悼む際に復活された。
Who kill'd Jhon Keats? I says the Quarterly, So savage and Tartarly; 'Twas one of my feats. Who shot the arrow? The poet-priest Milman (So ready to kill man) Or Southey, or Barrow. だれが殺した、ジョン・キ−ツを? 私だ、と Quarterly が言った。 乱暴で残酷な論評で、 それは私の手柄の一つ。 だれが矢を放ったのか? それは詩人司祭のミルマン (殺しの準備はできた) もしくはサウジ−か、バ−ロゥか※ The Quartery Review : 季刊誌、Blackwood's Magazine : 月刊誌
"The Oxford Nursery Rhyme Book" では,"An Elegy on the Death and Burial of Cock Robin" とタイトルがあり,最後に以下の一節が付加されている.
| Notice |
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To all it concerns, This notice apprises, The Sparrow's for trial At next bird assizes. |
"The Jessie Willcox Smith Mother Goose" では第8節がない.
"Arthur Rackham's" では,第10節が次のようになり,6番目に現れる.
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Who'll carry him to the grave? I, said the Kite, If it's not in the night, I'll carry him to the grave. |
"Popular Nursery Rhymes" では,節の順番が多少異なる.また,最終節が以下のようになる.
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All the birds of the air Fell a-sighing and a-sobbing, When they heard the bell tolling For poor Cock Robin. |
一般にこのライムは少なくとも14世紀に遡ると考えられている、その当時は農村部では shouell と発音され、 shovel と Owl の韻が成り立っていたためである。またこの歌は初期の神話のライムの中の劇であるということも昔からいわれている。ロキのそそのかしによってホズルが行なった、ノルウェ−の夏の陽の光の神バルドルの死の物語である。一部ではロビノクラシ−で知られる首相のロビン・ウォルポ−ルの1742年の失脚の陰謀との関係もいわれている。確かに、このライムの初出は1774年ごろであり、ウォルポ−ルの失脚の時期と一致するが、古いライムがこの時期に再び本に載り、復活したとも考えられる。このライムで link は torch (ランタン)であり、 bull は bullfinch (ウソ)である。
"A Nursery Companion" での最終節は以下の通り
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Then all the birds fell To sighing and sobbing, When they heard the bell toll For poor Cock Robin. |
このライムはマザーグースの中でも,最も知れらているものの一つでしょう.また,それだけでなく最も頻繁に利用されているものでもあると思います.私自身は英語に触れる機会はあまりないですが,それでもこれまで何回か新聞や雑誌で "Who Killed ..." というタイトルを見たことがあります.
その全てがこのライムを引用した,というのは少し強引かもしれませんが,"Who Killed ..." の言い回しを聞いたときに「赤い胸を矢に射抜かれたコマドリ」を誰もが思い浮かべることは確かなようです.
英国では「コマドリとミソサザイは神の雄鷄と雌鷄である」という諺があるそうです.コマドリは雄であり,その伴侶がミソサザイであると見られていたようです.実際にコマドリがミソサザイのジェニーに求婚するというライムもあります.その他,コマドリには色々な意味があり,親しまれている鳥であることは間違いないようです.
日本でも,色々な作品にこのライムやコマドリが現れています.「パタリロ」では「コックロウチ音頭」なるものが出てきます.また「ブラックジャック」でもコマドリがお金(幸運)を運んでくるという話がありました.
私見でも書いたように,このライムは最も有名なものの一つであるので,日本語訳も多くの人たちによって成されています.その一部をご紹介します.
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「誰そ、駒鳥を殺せしは?」 雀はいひぬ、「我こそ!」と、 「わがこも弓と矢をもて、 我れ駒鳥を殺しけり」 |
「さよなら」'10
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「だァれがころした、こまどりのおすを」 「そォれはわたしよ」すずめがこういった。 「わたしの弓で、わたしの矢羽で、 わたしがころした、こまどりのおすを」 |
「まざあ・ぐうす」'21 アルス
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だれがこまどり ころしたの? わたし とすずめがいいました わたしのゆみやで わたしがころした |
「マザ−グ−スのうた 第3集」'75 草思社
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だれがロビンをころしたか? 「ぼく」とすずめがいいました ぼくの手だれの弓と矢で ぼくがロビンをころしたよ |
「マザ−グ−ス・ファンタジ−」'76 すばる書房
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コック・ロビンを殺したのはだぁれ 「わたし」って雀がいった 「わたしの弓と矢でもって コック・ロビンを殺したの」 |
「マザ−グ−スの絵本T」'76 新書館
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誰が ころした こまどりを。 わしだ、と すずめ、 この弓と矢で わしが ころした こまどりを。 |
「まざ−・ぐ−す 訳詩と解説 下」'77 中教出版
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だれが殺した 駒鳥を わたしがやったと 雀が言った わたしが弓矢で 殺したの |
「マザ−・グ−ス」'77 新書館
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誰が 殺した? クック・ロビンを それは わたし、と スズメが 言った わたしの 弓と わたしの 矢とで わたしが 殺した クック・ロビンを |
「マザ−グ−ス・ショ−ケ−ス」'86 東京創元社
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誰が殺した おす駒鳥を? ぼくだ と雀が言った ぼくの 弓矢で ぼくが殺した おす駒鳥を |
「英国童謡選」'86 千城
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誰が殺した? コマドリを 私、と答えたのはスズメ 私が人の目をかすめ 弓矢で殺した コマドリを |
「オフ・オフ・マザ−グ−ス」'89 筑摩書房
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コマドリをころしたのはだれだ? わたしさ、スズメがいった、 わたしの弓矢でころしたのさ、 わたしがコマドリをころしたんだ。 |
「月なんかひとっとび、不思議の国のマザ−グ−ス」'90 パルコ出版