ゼロスのキモチ
 一口、紅茶を飲み、カップをテーブルに置く。
 そっと、ため息を吐く。
 さらにはくすくすと笑いだす。
 …はたから見るとあやしい限りである。(笑)
「すっごくあやしいわよ、ゼロス」
 そしてここにもそれを突っ込む人間がひとり。言うまでもなくリナである。
 突っ込まれた本人(人じゃないけど…)は、かすかにぎょっとした表情を浮かべたが、すぐにいつもの不適な笑い顔を取り繕う。
「眠れないんですか? リナさん」
「べつにー。それよりゼロスこそどうしたのよ? それとも魔族って眠らないの?」
「ちょっと、考え事をしていましてね。まあ、確かに魔族は眠る必要はありませんが…眠ったりもしますよ」
「…それってただの娯楽っていわない?」
 相変わらず鋭い突っ込みである。
「まあ、そうともいうかもしれませんね」
「それよりも、どういう考え事? お役所仕事のあんたが」
「あ、ひどいですぅ。リナさん…。 僕たち魔族だってプライベートはあるのに……」
 そう言ってひとりでいじけだす。
「はぐらかそうったってダーメ。
 …別に言いたくないんならいいけど……さ…」
「なんだ。やっぱりリナさんなら気付きましたか。
 …そうですね。ちょっと自分のことを考えてたんですよ…」
「…自分の……?」
 不思議そうにリナが訊ねる。
「ええ。
 …変ですよね…。僕は魔族だというのに、滅びを望んでいるというのに…人間を愛してしまったんです…。生きようとする人間を。
 根本的な考え方が違うというのに…惹かれるんですよ…。なぜでしょうね……。
 もちろん、その人はなにも知りませんけどね…」
 …なぜだろう…? リナの胸がちくりと痛む。
「…変なこと言ってしまってすみません…。忘れてくれませんか…? おやすみなさい」
 そう言って、ゼロスは部屋に帰っていった。
 あとにはただ、自分の気持ちに悩むリナが残されていた。

 さて、ゼロスの想い人は誰でしょう? 俺の好みからしてバレバレですね(笑)
 ほんとはくっつけてあげるはずだったのに… なぜこんなことに……
 まあ、これを機に、リナサイドから書いてみるのもいいかもしれない… じゃなきゃ、後日談とか…
 ゼロリナが書きたいなー……