魔法珠 〜Magic・Soul〜 9
  9.
 目を開けると、そこには、心配そうなキアルスともう1人、知らない男がいた。
 いや、もしかしたら知ってるかもしれないけど、今の私は記憶をなくしてるからわからない。
「今の…澄んだ光に満ちた水晶球は間違いなく、光の魔法珠。
 どうして…あなたが…?」
 清められた祭壇にキアルスの声が響く。
「あんた…何者だ? 普通の人間がそうそう魔法珠を持っているはずがない。
 流れ込んできた力でわかる。あれは光の魔法珠だった。
 そして…どうしてここにいる…?」
 あたしも疑問を投げかける。
「何者…って、見ての通りただの剣士だ。
 さっきのは一族に伝わるものだが、少し魔法とは違う。原理はほとんど同じだけどな。
 俺はリアール。リアール・フェディだ。
 魔法珠にはちょっと興味があってな。
 あんたこそ、どうやって魔法珠の力を取り込んだんだ? 俺にはどうやっても無理だった」
(さて、こいつに本当のことを言っていいものだか…。でも…何か情報を知ってるかもしれない…)
「……こっちにもいろいろあって、魔法珠を探してるんだ。
 あたしも最初は驚いた。こんなもの吸収するなんて思ってもみなかったし。
 そーゆーわけで、もしあんたが他の魔法珠のことを知っているんだったら教えてもらいたい」
「本当に…全部吸収出来るのか…!?
 器が小さければ、吸収しきれずに死ぬんだぞ……!」
(死ぬ…?
 私はサラズィアさんが手に取れば、封印が強力になると聞いただけ…。吸収したのもそれだけのことだと思ってた。
 だけど…そこまでは知らなかった。
 もしこのまま続けていけば…)
「他人に出来ないことが知らずに出来るんだから、多分大丈夫なんだろ。
 あたしはそれだけの器があるから、魔法珠に選ばれたんじゃないのか?」
「そんな気楽なこと言ってる場合じゃないでしょう。
 リアールさん、それは間違いないのですか?
 私もいろんな事情があって、魔法珠についてはけっこう知っているつもりでしたが、そこまでは聞いたことがありません。
 もし、そうなら…」
(私は記憶を戻す方を選ぶでしょう)
 その言葉を飲み込む。

 主要キャラ3人目の登場です でも、ホントはもっとあとの方に出すつもりだった… そう、暴走してくれたんです…
 ふと思ったんですが、実は俺ってかなりめちゃくちゃな章の区切り方しているような気がする… 作ったときはこれでいいと思ってるのに……
 やっぱ文才ないのかなぁ…  まあ、好きなんだからいいじゃないか…
 次、どうぞ

魔法珠 〜Magic・Soul〜 10