名機にロックオン


沙羅曼蛇


(1986 konami)




● 満を持して登場したグラディウスシリーズ第二弾

沙羅曼蛇が初めて私たちにその片鱗を見せたのは、ゲーメスト第2号の表4(裏表紙)広告でした。牙をむく蛇(沙羅曼蛇)のイメージイラスト、今までに見た ことがないような美しいグラフィック、そして何よりもその自機がグラディウスゆずりのビックバイパーだったこと----。入稿された時点ではまだ誰も見た ことがなかったそのゲームに、皆期待していたのでした。

そして発売。縦横交互スクロールの変化に富んだステージ構成、2人同時プレイ可能、吹き上げるプロミネンスなどの美麗なグラフィック、そしてステレオサウ ンド、何よりもゲーム自体の面白さ----沙羅曼蛇は私たちの期待以上の世界をひっさげて登場したのでした。実にグラディゥスから1年。シューティング王 国コナミの実力がうかがえるゲームでした。

win95への移植も決定したことですし、皆さんも沙羅曼蛇の世界を堪能してはいかがでしょうか?


● 悲運の専用筐体

沙羅曼蛇には2種類の専用筐体が存在したのですが、そのうちの1つに構造上の欠点が発見されていました。具体的なことについては伏せておきますが、「ある条件のもとでは投入したコイン数以上にクレジットカウントするケース」が散見されたのです。メン テナンスがしっかりとしていたオペレーターにおいては被害はなく、一方「放任主義」のオペレーターにおいては、その欠点を悪用した心無いプレイヤー達の ターゲットとなり、かなりの被害にあったと聞いています。後日対策を施したバージョンが出たため、大事にはいたらなかったのがせめてもの救いでしょう。


● 3−5の恐怖

さて、どんなに上手いプレイヤーでも必ずハマッたのが3周めの5面、3−5でした。3周めからはグラディウスシリーズの定番(?)打ち返し弾が登場してく るため、今まで(2週めまで)のパターンを根本的に変えないと対処できなかったのです。その他の面は2周めまでの応用も少しはきいたのですが、3周め以降 の5面は別でした。

とくに通称「囲み」と呼ばれたザブの攻撃はかなり長期間プレイヤーを悩ませました。2周めまでは8方向から自機を囲んでくるザブをレーザーで撃破するだけ でよかったのですが、3周めからはそのザブが打ち返し弾を出すのです。みんな最初のころはザブを撃ち、打ち返し弾をよけようとしていたのですが、やはり至 近距離からの攻撃をかわすのは難度が高かったようです。----で、「どうせ打ち返し弾なんてよけられない から----」と、遊び半分に攻撃せずにレバーだけで操作していたら----なんとザブの囲 みをすり抜けるではないですか!!左、右、左----交互にレバーを入れるだけで難関地帯が突破できるようになったのでした。

しかし、それだけで抜けられるほど3−5は甘くなかったのです。ザブの後に現れる高速ベルベルム編隊。画面一面を埋め尽くさんばかりに攻撃してくるこいつ らも打ち返し弾を撃ってくるのでした。2周めまでは画面前方でレーザーを撃っていればよかったのですが、ここからは後方でも対処しなければいけませんでし た。さらに落とし穴だったのが最後のボス「デス」。まるでレーザーのようにつながった弾を出したままの状態で出現するため、ザブとベルベルムをぬけて 「ほっ----」としていたプレイヤーはまたまた泣かされたものでした。

3−5の攻略は打ち返し弾との戦いがすべてだった----と言えるのかもしれません。


● 深夜の沙羅曼蛇ハイスコアラーの宴

当時、都内の巣鴨キャロットの常連には確実に5周以上できるプレイヤーが7〜8人はいたのですが、夜行性(?)の人がほとんど(中には規則正しい生活の中 学生もいたけど)だったので、通常の営業時間内ではそんなに何回もプレイすることはできませでした。そこで彼らは24時間営業のボーリング場のゲームコー ナーに目をつけたのです。新宿や池袋といった街に終電間近におもむろに出かけ、朝までみんなでプレイするのが常となりました。----「まわすぞ!!」の掛け声とともに2周交代でプ レイする、というルールだったようですが、タコミスでやられたりしたらまわりの皆にいじめられたり、「ジュースおごり!」とか言われたり、結構楽しんでい ました。その中にはバルトリックのコーナーでお話した小川さんの姿もありました----このころが一番楽しかった----と感じるのは私だけでしょうか? もっとも私は3周めに行くのがやっとでしたから、交代プレイには参加できませんでしたが----


● 近いようで遠かった1000万点への道のり----9957200点の悲喜劇

さて、交代プレイでもりあがってはいたものの、実はこの頃には1000万点は達成されていないのです。1人プレイのときは途中でプレッシャーに負け、交代 プレイのときはつい調子にのって大道芸に走り、タコミスしたり----パターン的にはほぼ確立されていたものの、なかなか1000万点の声は聞けれません でした。

そんなある日、すぱいきっど大和氏(当時ゲーメストライター)が9957200点という実におしいスコアを出したのです。1000万点まであと42800 点という、実にマラソンで42kmをトップで走りぬいて、ゴール目前トラックで棄権してしまったたようなこのスコア。いろいろな人にほめられたり笑われた りしたようです。当時の本人は以下のように語っていました。
「いやぁ、調子よくって絶対1000万点いくと思ったのに直前で死んじゃって、目の前真っ白で----。 1000万点いったよーとか言おうかとも思ったんだけど、1000万点の桁があるかどうか知らなかったし----。で、正直に言ったら皆に笑われちゃって さぁ----。そういえば4面のハッチの稼ぎ2回失敗したのが心残りだよねぇ----」
----実にサラッとしていていいですねぇ?----


なお、彼は後日私の目前で無事1000万点を達成しました。ちなみに1000万点の桁についてはプレイ中のスコア表示については100万点単位の桁(7 桁)を表示のみですが、ランキング画面ではちゃんと1000万点の桁があります。


● 沙羅曼蛇のビデオは2種類!?

さてさて、コナミからは沙羅曼蛇とタイトルのついたビデオが2種類出ていたのはご存知でしょうか?1つは前述のすぱいきっど大和のプレイした攻略ビデオ。 7周めぐらいのプレイを再現しており、なかなか見ごたえかがあります。ただし----ビデオ上では編集によりカットされていますが、1面の肉ダンゴ地帯で 「このように稼ぐのだ」とか解説を入れておきながら、その直後に死んでたりします。

そしてもう1つが問題(?)の「沙羅曼蛇−瞑想のパオラ−」----なんとイメージアニメビ デオだったんです。ストーリー自体はわがまま王子ロードブリティッシュと助っ人が協力してバクテリアンをたたく----ありがちなものなんですが、作品中 には一応ゴーレムとかも出てきますし、ゲームミュージックも少しだけ流れてたりします。今となってはレアなアイテムですが、興味のある方は探してみては?



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