名機にロックオン

SDI

<SIDE 2>



●究極ビデオの作成にむけて

創刊当初からゲーメスト編集部では「ゲームビデオを作って後世に名作を残そう」と各ゲメーカーに呼びかけていました。しかし、当時はなかなかメーカーの理解が得られず、ほんの数タイトルが発売されたのみにとどまっていました。しかも、当時のアーケードゲームビデオのスタイルはどちらかといえば「BGV」(バックグラウンドビデオ)すなわち、イージーウオッチング&リスニングという「環境ビデオ」的な方向性が強かったのです。各メーカーの社員が片手間に(失礼!)プレイしたものを収録したかのような、マニア層のプレイヤーにしてみれば(テクニックなどの面で)物足りない内容であったため、「これじゃぁ参考にならない」とか「買って損した」とかいった声も結構出ていました。企画・制作ともにゲームメーカー(もしくは関連会社など)が行うのですから、ある意味しょうがなかったのかもしれませんが。

「単に環境ビデオとして残すのであれば、基板さえあればいつでも再現できる程度のものでしかない。プレイヤー(=購買者)が真に望んでいるのはその時点での最高級のテクニックを網羅した究極のプレイの再現であり、保存である。そのゲームの世界、魅力を最大限に引き出すビデオを作成するには、スーパープレイヤーの協力が不可欠である。その結果、ビデオタイトルとして恥ずかしくない1つの[作品]が完成する。」という編集部の主張がメーカーに少しは受け入れられてきたかなぁ----と感じたのが、SDIを含む6タイトルを収録したゲームビデオ<SEGA−SUPERGAME6>でした。

このビデオの収録のために、「おそらく全国初のSDIノーミスオールパーフェクトオールシークレット達成者」であるSPREAM−SOL氏(当時福島県在住)に協力の依頼をしたところ、快く引き受けてもらえました。彼も思いは同じだったようです。はるばる東京まで出向いてくれることになりました。

撮影のプレッシャーも何のその、わずか数回のプレイでノーミスオールパーフェクトを達成し、収録はあっけなく終了しました。実は私もコントラ(コナミ)のビデオ撮影に協力したことがあるのですが、何回も撮りなおしたあげく満足のいくプレイはできませんでした。ああいった独特の雰囲気のなかでベストに近いプレイってなかなかできないものなのです。そのへんはさすがはスーパープレイヤー、といったところでししょうか。

●究極のノーミスオールパーフェクトめざして----プレイヤー達の苦悩

さて、前項で「ノーミスオールパーフェクトオールシークレット」なる言葉がでてきました。言葉で言うと簡単そうですが、実際は試行錯誤と研究・練習の繰り返しの日々をプレイヤー達は重ねていたのでした。そんなときにこのSEGA−SUPERGAME6が発売されたものですから、テープがすりきれるほどに(決して大袈裟な表現ではない)繰り返し見て研究したというプレイヤーが続出したのです。ハイスコアラーのコメントでも「SOL君のビデオが役立った」という声が非常に多かったと記憶しています。

全国TOPも獲得したFGK−COM氏なんかは私のアパートに何日か居候し、ひたすらビデオを見る毎日----なんてこともありました。(余談ですが、当時私はあの巣鴨キャロットから歩いて数分のところに住んでいたので、プレイヤー達の溜まり場になってたりしたものです。そのへんの話は「みのり荘の青春」とでも題してまた別の機会にでも----。)

はたまた某氏からのメールでは「常連でやたら上手い人がいて,凄まじいまでの無駄のない動きにガクゼンとした記憶があります.あとで聞いたのですが,その人は知人2人と共同で,画面の上にサランラップをはりつけ,マジックでマッピングして画面データを蓄積して自機と照準の動きを最適化していったそうです.あの店がランキングに参加していれば,結構上位に行けた人だと思います.思えば[SDIは熱い]というイメージはこの時に植え付けられたのでしょう・・・.」とあったりもします。(実は最適化だけではハイイスコアは出ないのですが)


● ノーミスオールパーフェクトオールシークレットも通加点!さらなる究極を目指して

SIDE1で「現在でもハイスコアが更新されている」と言いましたが、ここ数年の更新は実はこれはたった1人のプレイヤーの手によるものなのです。最初のうちしばらくは他のプレイヤーも追随していたのですが、ゲームセンターからSDIが消えていくにつれ彼の独壇場になっていったのでした。その人「GTO−やんちゃ姫氏」の姿は今でも秋葉原の某ゲームセンターでみかけることができます。

オールパーフェクトボーナスが1,000,000点、シークレットボーナスが最高100,000点、残機ボーナスが1機1,000,000点、ハイスコアが79,000,000点以上のゲームですが、更新されているのは10点単位だったりします。誘爆で敵を倒すと+10点、ミサイルブースター+50点----といった細かい点の積み重ねがハイスコアにつながっているのです。このへんが「最適化だけではハイスコアは出ない」理由なのです。SDIの究極スコアは重箱の隅をつついた結果ともいえるでしょう。

数年前に彼のプレイを収録したビデオを見る機会があったのですが、照準や自機の動きのすばやさ・正確さは特筆に値します。


● 熱いSDIワールドを感じ取れるページ

トップページへのリンクです。WEB内のどこにSDIの息吹があるかは皆さんでさがしてみてください。他のコーナーもオススメのWEBです。

■■■■■ arcade memoire ----SDIハイスコアの変遷を見ることができます。

翼右ムェゲ ----前述のやんちゃ姫氏のビデオについての話が出ています。


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