あのとんがった槍ヶ岳へ行ったのだの巻
  (H11.8.25〜28)
 槍ヶ岳へ行って来た。 25日のうちに槍岳山荘のあたりまで行く予定だったが、荷物が自分の予想以上に重く(85L以上)、槍沢ロッジ近くのババ平でテント泊。
 26日に、「いざ槍よ!」と気持ちを引き締め出発。しかし、ザックがだんだん「子泣きじじい化」してきて「ほれほれ、簡単には槍を拝まさせんぞ。」とささやき、ぼくを苦しめてきた。「なんの、なんの。」とグリーンバンドを乗り越え、やっとのことで槍の穂先を拝むことができた。
 天気は快晴!山荘の方の話によると「今シーズン1番」の天気だそうだ。テントを張り(すごいところに張った)、身を軽くしたところで「はやく来なさい、はやく!」とさっきからぼくにささやいている槍の穂先を目指した。しかし、槍の穂先はみんなにも同じことを言っていたようで大渋滞。ガイドでは30分のところ1時間もかかってしまった。でも槍は「そうそう慌てなさんな。登りながら途中の景色も楽しみな!」と言ってきたのでその通りにした。「うーむ、なかなかの眺めだぞ。」と切りだった岩場からまわりの景色を楽しんだ。どうも槍は、がむしゃらに登るぼくの性格を知っていたようだ。
 槍の頂上からの眺めは「これでどうだー」と言わんばかりのすばらしいものであった。遠くは富士山、そして常念岳、燕岳、八ヶ岳、浅間山、立山、剣・・・・・・ 満足の一言。  
 その夜は下から吹き上げるすごい風でテントごと飛ばされるのではないかとびくびくさせられた。でも、きれいな星空!そして、テントの入り口からはデーンと槍!満足!!!
 27日の早朝、槍のてっぺんからご来光を見るために準備。しかし、槍の頂上は狭い。槍の方に目をやると既に登っている人の明かりがちらほら。もう満員でのぼれないのじゃないかなと不安を抱きつつ、「せっかく来たのだから」と言う思いでチャレンジ。ぼくの前にはだれも登っておらず、今回は15分で頂上へ。
「間に合った」
 槍の神様感謝しますと唱えつつご来光を全身に浴びた。満足!

 その後、涸沢に向かってえっこらえっこら。本当は南岳〜北穂高岳の縦走コースを行きたかったのだが、自分のザックの重さと徐々に崩れてきそうな天候を考えて横尾までいったん降りて涸沢に向かうことにした。単独行の時には無理は絶対にしないようにしているのだ。槍沢を一気に降りたので、膝が「けらけら」と笑っていやがった。だから本谷橋からの涸沢への登りはきつかった。このときぼくの頭には
「生ビール カレーライス」
という言葉しかなかった。
 やっと涸沢ヒュッテにたどり着き、早速カレーライスと生ビールを注文!
「ング ング ング・・・・プハァ〜」
うまい! その時、隣にいたお兄ちゃん達がぼくのその姿を見て、「おもしろい」と話しかけてきた。なかなか気のいい兄ちゃん達で、結局ワインまでごちそうに成った。ありがたや、ありがたや。いろいろおもしろい話を聞いて、疲れていたためか酔いが回るのが早かった。(この2人組の兄ちゃん達、これを見たらメールを送っておくれ) 1人で山に行って寂しくないかいとよく言われるが、このように見知らぬ人といろいろ話が出きるのでそんなことはない。山ではおばちゃん達ともよく話をするなぁ。

 さて、夜はあこがれの涸沢のテント場でキャンプ。「明日は奥穂高に登るぞ!」と野望を抱きつつ、ごつごつとした寝床で夢の世界へ。 28日早々朝。パラパラパラ・・・・・・なんだぁ〜ーーーーーーーー 雨だ!!! 「もう足がふらふらだろ、出直して来な!」と奥穂高が霞の上からささやいてきたので、「なら、また来るよ。」と返事をして渋々上高地へ。 それから新穂高の湯に入って、懐かしの我が家へ。しばしの別荘生活はとりあえずおしまい。
 奥穂高岳よ、待ってろよ!!きっと行くからな。

        
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