２骨量の減少について

3レントゲン写真

4骨の量（骨塩量・骨密度）の測定

5骨粗鬆症による骨折について

6骨量減少の危険因子

7骨粗鬆症の予防

8骨粗鬆症の治療

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• 最も重要な機能は、体に必要なカルシウムの補給庫としての機能です。カルシウムは筋肉の活動や細胞の興奮に必須のイオンで、血液中のカルシウムが不足した場合は骨が溶けることでカルシウムの不足を補います。
• 身体の支持組織としての機能で、骨が支点となって筋肉が作用します。また、骨は内蔵の保護としての働きもしています。

２骨量の減少について

• 脊椎骨（背骨）の方が長官骨（腕とか大腿とか下腿の骨）よりも早く骨量が減少します（すなわち骨が弱くなります）。骨量が減少すると容易に骨折しやすくなります。お年寄りで腰が曲がるのは、背骨が正常の四角形からくさび形につぶれてしまう（骨折）からです。

３レントゲン写真

• 整形外科に受診すると、まずレントゲン写真が撮られます。脊椎の場合は骨粗鬆症がどの程度になっているかを診断したり、骨粗鬆症によって脊椎骨がつぶれていないか、つぶれていればどの程度つぶれているかを調べたりします。

４骨の量（骨塩量・骨密度）の測定

• レントゲン写真の他に、特殊なレントゲン撮影によって骨粗鬆症の度合いを測る（骨塩量、骨密度の測定）方法や超音波によって骨塩量を測定することがあります。この場合、骨塩量は数字で出てきますので、同じ医者に診てもらっているときは、定期的に検査することで骨塩量が改善してきているか分かります。

５骨粗鬆症による骨折について

• しりもちをついたときなどに起こる脊椎の圧迫骨折。
• 転ぶときに手を突いて起こる橈骨遠位部の骨折（手首のところの骨折）。
• 転んだときに起こる大腿骨頚部骨折（足の付け根の部分）。
• 転んだときに肩を打って起こる上腕骨近位端骨折（腕の付け根の骨折）。

６骨量減少の危険因子

• 遺伝
  • 若年者で起こる場合は遺伝的な関与が考えられますが、老齢者で起こる骨粗鬆症の場合は後天的な要素が大きいです。
• 運動量
  • 骨は運動することでその骨量を保っています。従って、運動量が少ないと骨は弱くなってしまいます。
• 女性の閉経
  • 女性は５０歳前後に閉経が訪れますが、これによって卵巣の機能が停止し女性ホルモンの分泌が行われなくなるために骨が顕著に少なくなります。（簡単に言えば、体内のカルシウムの量を維持するために、骨が溶けてそれに使われます）
• その他疾病
  • 卵巣摘出術後・胃切除後・糖尿病・甲状腺機能亢進症・高血圧・副腎皮質ステロイド投与などでも骨粗鬆症は起こります。特に副腎皮質ステロイドは整形外科ではお年寄りの膝が痛いときなどに注射に使うことがあり、この注射をし続けることで骨が折れやすくなります。（膝の注射には副作用のほとんどない注射もあります）

７骨粗鬆症の予防

• 若年者、成長期
  • まず、成長期に運動などをして骨量を増やしておくことが重要です。骨量が多ければたとえ老年期に骨量が減少しても、相対的には減少量が少なくて済みます。
• 老年期
  • 日光浴、運動、カルシウムの多い食べ物（牛乳、豆腐、小魚など）を取る、この３点が一番重要です。

８骨粗鬆症の治療

• 薬や注射による治療法
  • 医療では、減少した骨量を薬や注射で補うことに主眼があります。

女性の閉経前後からの骨粗鬆症では、減少した女性ホルモンを補うホルモン補充療法が行われます。この治療では、時に不正出血や子宮体ガンなどを起こす可能性が高くなるなどの副作用が報告されていますが、各種ホルモンを調合することでその危険性は少なくなっています。（この治療の際は、産婦人科の先生にも御相談された方がよい場合があります）。

不足しがちなカルシウムを補う方法として、体への吸収性を良くしたカルシウム剤や吸収を改善するビタミンＤ製剤、骨吸収を抑制するばかりか骨量増加が期待できるビタミンＫ製剤があります。

注射でも甲状腺から分泌されるホルモンと同じものがあり、この効果は骨吸収を抑制するばかりか骨に由来する疼痛をやわらげる作用があります。