雑記帖 - つれづれのことのは

No.61
赤ひげ

前進座「赤ひげ」を観てきました。「医は仁術」であり「医食同源」を実践しようと、まさに心血を注いだ「赤ひげ」先生と弟子達との心の動きが感動的に描かれてました。時の幕府の緊縮財政により小石川養生所の予算を大幅に削られる状況はまるで平成の世にもそのまま当てはまり、貧しく弱い物達が虐げられるのはいつの時代も変わらないのかと、単純な私は義憤と怒りに耐えない思いで静かな怒りに燃えました。食べる物にも事欠く貧しさが引き起こす病に涙し、会場にはすすり泣きする人も。「人間は、何をしたかが大切なのではない、何をしようとしているかが問われるのだ」と説く赤ひげ先生の言葉を胸に、生命(いのち)を信じて、明日に向かって生きようと志し高く帰宅。

ところが、お腹をぺこぺこにすかせていた三人は、プッシューと缶ビールを開けたと思うと、ぐびぐび喉を鳴らして飲み干し、ひたすら黙々ぱくぱく食べて空腹を満たし、どちらかというと、松平の殿様にそっくり。ああ~。

(2002-07-22)

No.62
土用干し

梅雨明け後、もうひとつはっきりしない天気が続き、昨日もスコールのような雨が降ったのですが、今日は快晴。待ちに待った土用干しです。天気予報によると、明日も明後日も、降水確率0~10%。その上、ちょうど週末ときています。こりゃもう今日やるしかない。汗をふきふき、丁寧に一粒一粒、皮を破らないように、ざる一杯に梅をひろげました。今年から、息子夫婦の分と2軒分なので嬉しさも倍増!まさにカンカン照りで梅にしっかり皺がよることでしょう。たのしみ、たのしみ。

(2002-07-26)

No.63
菜園は元気

暑さに負けずうちの菜園は元気いっぱい。昨シーズンは不作だったキュウリも今年はず~っとなり続けていて、うっかりするとヘチマのように。。。初めて作ってみたインゲンも、植えた覚えのない千石豆も、どっさり収穫。どちらも柔らかくてあま~い。胡麻和えにして毎日食べてます。ナスは、朝採りをそく、塩漬け、ぬか漬けに。ピーマンと味噌炒めにしたり、あぶらげと一緒にピリ辛に煮き合わせたり、煮物は冷やして食べてもおいし!

(2002-07-29)

No.64
キウリの恩返し?

今朝もナス、キウリ、ピーマン、トマト、ニラが2ザルとれました。ことにキウリは特筆です。日中かぁ~っと暑く、朝晩しのぎやすい毎日のおかげなのでしょうか、今年のキウリはとっても元気。糠漬にしたり、酢のもんにしたり、塩漬けにしたり、うっかり見過ごしヘチマ状態に大きくなったのは煮物になったり。あんまりたくさんとれるので、ご近所やお友達にもお裾分け。実は、苗の植え付けの頃に、ダンゴムシに襲われほとんど消滅したため、新しい苗で再度挑戦。真夜中に見回りし、ジャガイモおとり作戦が功を奏し、立派に大きくなってくれました。昨年に比して倍以上の収穫でニコニコ。

(2002-08-02)

No.65
さよならアズキ・キャンディー

夏になるときまって食べるアズキ・キャンディーがありました。街のお菓子屋さん手作りの美味しい大納言の小豆と濃厚なミルクのアイスキャンディーでした。ところが昨日、「これをたべなきゃ~夏じゃない~」と口もとなめながらお店に買いに行ったところ。。。「機会が故障して、見積してもらうと経費が割り合わなくてね~。跡継ぎでもいれば。。。」と、うつむき加減で残念そうな店のおじさん。こうしてまたひとつ、職人技の庶民のお菓子が消えてゆくのかと思うと心の底からがっかり、がっくり肩を落として帰ってきました。もう、私の夏は、中途はんぱのままで終わったような気分です。

(2002-08-05)

No.66
地獄のあまり風

今日も朝から家中が暑い、洗濯指数は100点満点で、雨はぽとりともきそうにない。暦の上では確か立秋だというのに、朝からむわ~っと熱い風が通りを吹いている。これじゃまるで、「地獄のあまり風」。水の大好きな茄子も弱り気味の様子なので、ばっさばっさと思いきりよく切り戻しました。その小ぶりの沢山の茄子を息子夫婦から届いたへんこ山田のごま油で揚げ、鷹の爪も気持ち多めにピリ辛味に揚煮。ずっしり重く固いカボチャも大小5個の収穫。こちらは鶏のひき肉との甘煮。鰻の白焼きにはたっぷりおろした山葵を添えて、茄子の塩漬けキャベツとキウリの切漬、どれもこれもう~んおいしいっ!夏バテってなんだっけ!?

(2002-08-09)

No.67
つんどく

子供達が小さい頃、本の読み聞かせが大好きでした。「いない、いないばぁ~」を始めとする松谷みよこさんの赤ちゃんの本シリーズは何度読んでも笑い転げるのでこっちも可笑しく楽しい本で、それ以来、友人知人への誕生のお祝いはこれと決めています。

「おおきなかぶ」なんか「よっこらしょ、どっこらしょ」とかけごえかけながら大収穫になるまで、せがまれて繰り返したものです。「モチモチの木」「八郎」「花咲山」「ベロだしチョンマ」等斉藤隆介・滝平二郎コンビの本にも思い出がいっぱい。「3びきのおばけ」に出てくる魔法のことば「ぽぽろぽ~やのぽっぽろとん」は、今でもお願事する時におもわずつぶやいてしまうくらいです。

だんだん成長し自分達で本を選ぶようになると、面白かった本を「か~さんも読んでみられ」と愛読者の一人になるようせがまれるようになりました。寝床で読書が大好きな私の枕元は、推薦図書の山。
「ね~、ね~、よんだけ~?」
「次ぎに読むね」
「おもしろかったけ~?まだけ~?」
「今度ね」
と、自分の読みたい本に夢中になっておりましたら、ある日のこと、ドンドン増える「読んで欲しい本」の山に更に新たな本が置かれてありました。
本の名は「速読術」でした。

(2002-08-15)

No.68
胡麻油党

実は私、天麩羅にはちょっとした自信があるんです。秘訣其ノ一がごま油。料理雑誌で「プロの技に学ぶ」を読んでから、天麩羅にはごま油を使うようになりました。ごま油で揚げる天麩羅は、さらっとからっと仕上がります。高価なので、勿論一滴たりとも捨てません。料理の後にはすばやく漉しておき、炒め物等で最後まで使い切ります。使用中に温度を高くしすぎないよう注意すれば悪くならない、とも書かれてありました。かようなわけで、我が家は、随分昔からごま油党です。

秘訣其ノ二。揚げる直前に冷たい水に、冷やした粉をさっとふるっていれ、太めの菜箸でさっくさっくと混ぜて、冷やしておいた材料の水気をぬぐって揚げること。衣を溶いた器は更に氷水の入った器で冷やしながら使います。衣はつけすぎないこと、油の表面の半分程度の量で揚げること、天カスはこまめに取り除くこと、そして、油は新しい物を使い、揚げる最後にちょっと高温になるよう温度をまめに調節します。これだけ揃えばもう大丈夫。揚げ物をしている間は、他の用事は御法度!電話がかかってきても出ないことになってますので悪しからず。

(2002-08-30)

No.69
小鰺の南蛮漬け

「釣鰺は淡泊な味がするのでたたきや刺身に、網鰺はあぶらがのっているので酢のもの干物が美味しくことに初秋が最高」と料理好きだった立原正秋のエッセイで読みました。しかし、釣りたて獲れたてならば、なんにしても最高!ちなみにトさんは、お刺身が大好物です。子供達が小さい頃には、骨までみんな食べられる小鰺の南蛮漬けをしょっちゅう作りました。鯖の竜田揚の甘酢あんかけと並んでお魚の揚げ物の定番です。

材料は 料理酒・酢各大匙2 味醂・醤油各小匙2 位の割合の漬け汁さえあれば準備オーケー。小鰺に塩をし、片栗粉をまぶし、低温の油でじっくり(約3~4分)揚げます。チョット大きめの鰺ならば、一度揚げたものを今度は高温でさっと二度揚げすると骨まで食べられます。熱いうちにじゅっといわせながら準備した調味液に漬けこんでゆき、好みで、たかの爪や青ねぎの小口切り生姜の千切りをちらします

(2002-09-03)

No.70
模様替え

考えてみると、四季のハッキリしている日本では、時節に応じて、実にいろんなしつらえを施しますね。我が家でも、真夏にはなくてはならなかった立簾(すだれ)は、台風情報が出るとまず仕舞い込みます。もう少しして秋祭りの頃になると、敷物は籐から絨毯に、綿の鍋島は毛織物へと交換。色も浅いベージュや薄い藍色から濃い色合いへと変化させ、暖かさを演出します。明日は床の間の掛け軸を「虫食いの柿に鳥」に替えるとしましょう。

(2002-09-14)