雑記帖 - つれづれのことのは

No.131
春うらら

今日の富山は、ぽかぽこ春うららな陽気。 ぽこにゃんは、日向ぼっこしながら気持ちよさげにお昼寝。お休みをとって、布団を干したついでというか、陽気に誘われ、普段は開かずの押入を開け、風を入れながら防虫剤を入れ替え、箪笥の中の整理整頓に夢中になっていたら、も~う夕方。連日の寒さもあってちょっと風邪気味だし、多少落ち込んでいたのですが、それもどこへやら、すっかりお部屋も片づききれいになってさっぱり!それにして年末、大掃除したはず筈なのに、いったいこのゴミはなんだ。さぁ、広沢虎造さん聴きながらこれからお風呂です。

(2004-03-10)

No.132
春のたより

春を知らせてくれるのは、富山では、なんと言ってもほたるいかです。最近は、躍り食いなどというものもありますし、新鮮な酸素をたっぷり入れたどでかい箱にちょっぴり生きたまま入った贈答品等、あの手この手の商戦も盛んなのですが、やっぱりホタルイカは浜茹でしたものをほんの数匹分葱とぬたというのが一番美味しい!沢山たべるものではないのですが、これが出回るとやっぱり春が来たなあと思います。

この頃、傷が回復して、元気になってきたぶちさんの「にゃ~ごぉ~!」にも春を感じます。すっかり痩せてしまったので、今のところはぽこさんが先に高い処に登って、偉そうにしてるのが、なんともおかしいのです。

(2004-03-11)

No.133
角と牙

風邪がすっきりしなくて(といっても気は益々元気なのでかえって厄介)、大人しく?読書三昧の日々。「ゲーテさん こんばんは」は、思わず唸ってしまうほどの名文家・ドイツ文学者池内紀さんによる文章。読み進む程に話術の冴えにすっかり虜になってしまうこと請け合いです。

ゲーテさんは、教育パパに育てられ6カ国語をものにし、ピアノを弾き、絵を描くのも旨く、石(蒐集総数はなんと19000個)と骨のマニアで、またヨーロッパの山々を歩き、政治家であり科学者でもあった酒豪で文豪。しょっちゅう恋をして、ややこしくなると逃げ出す人だったとか…。数十年に渡って稿を練り上げ、80才を過ぎて完成した「ファウスト」を、もう一度読み直してみたくなりました。

骨相學をもきわめていたゲーテさんが骨の研究をするくだりで「角のある動物には牙がない。牙のある動物には角がない」。なるほどそうかとなると、時には牙を剥き、角をも生やすわたくしめは珍種?

(2004-04-08)

No.134
かさぶた考

洟垂らしながら鼻の下まっ赤にしてプールに入っていたのがいけなかったのか、日頃、下向きに寝るクセがあるので、ようやくかさぶたが固まったかと思うと夜中にまたシーツにこすりつけて「わぁっ、いたたっ!」と目が覚める。鼻の下がいつまでも赤いです。

「あんまりひどくなると、もうお嫁にいけなくなるよ」と、ぽこさんは医者に行くことを勧めるし、「下向きに寝る人は長生きできるそうだから大丈夫」と、もう他には嫁に出せないものと諦め半分?のトさんは慰めてくれる。知人の皮膚科におずおず出掛けたら、拡大鏡を覗き込みながら「これは、ヘルペスですね。大丈夫、もう治るところですよ、ところで、先日のピアノなかなかでしたね」と入善コスモホールで聴いたファジル・サイさんの話に花が咲く。

「最近のレーザー治療は目覚ましいものがあって、実は、僕も今治療受けているのです。3ヶ月後には治る予定ですよ、ホラッ」とご自身のシミの治療の様子を見せながら話されるので、笑ってしまい、「先生もお大事に」と帰ってきたのでした。

(2004-04-19)

No.135
煮干し

今朝は、「辰巳さんが放送されるよ」と友人から電話がかかり、いつもは見ないテレビに注目。和の出汁に煮干しを大切にする辰巳芳子さんの手に母の手が重なりました。乾物屋さんで買ってきた煮干しの頭とわたをとりさらに半分に裂く横で、私もおしゃべりしながら手伝ったことを思い出します。歳を重ねてからは、骨粗鬆症にならない為にと、手回しの擦り器を手に入れ愛用してました。どちらかというと昆布と鰹節と干椎茸の出汁が好きな私は、煮干しといえば煮物に入れる位で、もっぱらぽこちゃんがぼりぼり食べてしまうのです。

(2004-04-26)

No.136
春スキー

「かぁちゃん、いこう」。時刻は午前2:50。しばし寝たふりをしていたのですが、意を決して「よし、いこっ!」。3時起床で、15分後には出発準備完了。いったいこのすばやさはなに。チーズとクラッカー、りんごジュース、ぽこさん印の生八橋で腹ごしらえしながら走る、走る、ひた走る。

志賀高原熊の湯ゲレンデでは、朝の6:00から8:05まで、このシーズン限定の早朝ランが出来るのです。本来はレーシングチームの強化のためのものなので、万全に整えられたピステにはポールがぴしっと設置されております。そのゲレンデに、なぜか、場違いなとうちゃんとかぁちゃんが立っており、6時かっきりにリフトが動き出すと同時に、嬉しそうな顔して乗り込んでいったのです。

遠くのアルプスが茜色に輝き、雲という雲は志賀の空から一掃されてしまったようです。360度青・青・青の空は、日の出と共にだんだんと色を鮮やかにしていきます。梢には鳥たちが休日を祝福して鳴き交わし、木々の芽吹きも今日はひときわ緑がくっきり。ふかぁーく深呼吸をすると、なぜかあふれる涙がこぼれそうに。ゲレンデに立つと、スットクもささらないようなアイスバーン。「よっしゃっ!」と自らに気合をいれ、8時5分の終了まで後はひたすら滑るのみ。

朝の温泉の後は、石の湯さん手作りの本格的朝食を頂き、もう一度ゲレンデに向かうトさんを夢心地で送り出し、後はひたすら眠りました。沼の底に沈みこんだみたいに…。お昼はいつも地元の料理を出してもらえる食堂へ出かけ、おじさんおばさんに今シーズン最後のご挨拶。野沢菜の炊いたのや、朝採りの山菜の天麩羅をどっさり御馳走してもらいました。「来シーズンも、また来てくださいね。」「またきます。お元気で!」

(2004-04-29)

No.137
しあわせボケ

「わぁ、たいへん、たいへん」。今朝は木曜日で資源ゴミの日。連休で事務所のゴミも持ち帰ったし、その上、前回間に合わなくて貯まりに貯まっているのです。チョキンがこんなに貯まっているのなら、うっししなのだが、ゴミの場合は、なぁ…。

「ねずごしてしもたがいねぇ」といいながら、どたどたと階段を下り、大慌てて服に着替えてチャックに手を掛けながら、勝手口へ飛び出し、とりあえず、両の手にひとつづつ持って、まず2つは完了。「まだ、だすよ、だすよ!」とぽこさんに叫んだら、「まだ大丈夫やよ」とヤケに冷静な様子に「んっ?」。で、ようやく1時間間違えている自分に気が付きました。

さて、事務所にて、仕事机に座り、PCを立ち上げ、検索作業を済ませて電話対応出来るように準備完了。つぎつぎにかかってくる電話を順番に捌いている内に、Gさんが「ご依頼の書類をお持ちしました」とやって来て、「やややっ、そうだった」と、しんどい仕事があったことをはじめて思い出しました。連休というマンホールの中で、すっかり完璧に忘れていたのです。休み前には、夢にまで出てくる悩ましさだったというのに…。休み中は、全く思い出しもしなければ気にもならなかった自分に驚きながら、呆けるということは、とっても「しあわせ」なのかもしれないと、今日は大発見をしたような、恐ろしいような複雑な気分を味わいました。

(2004-05-06)

No.138
一番花

咲きました。まさに茄子紺の大きな一番花が! えんどう豆にもかわいい花が次々開花し、いちごにも白い花が咲きそろってる。嬉しくて、御礼に木酢を丁寧に散布しました。このところ、あまりに寒くて心配でしょうがなかっただけに、うれしいっ。

この季節になると、通勤の途中にもよその畑ばかりが気になります。昨年は、夏の途中からまったく手入れされなくなった畑が心配だったけど、今年は、また沢山植え込みされていて、にこっ。先日は、腰に手ぬぐいぶら下げ麦わら帽子に長靴、鍬を手にした正しい農家のおじぃちゃんが作業中で「あっ、元気だった」とほっとしました。

(2004-05-12)

No.139
雪の下

今朝は思わず布団を干してしまいたくなるほどの青空。日当たりのよくない庭なのですが、苔むした灯籠の台座に、今年も雪の下の白い小さな花がいっせいに開きだしました。透き通った朝の空気にきらきら輝いています。農家の庭先のシャガ、畑の一角の小菊、庭の飛び石の横にひっそり咲いている蘭や都忘れ。山肌の野のすみれ。野菜の花と同様、思わず見とれて、ほっと優しい心持ちになれるのが好きです。

(2004-05-28)

No.140
しびれる~

昨夜は、こまつ座公演「父と暮らせば」を観た後、久し振りに「あ蔵」さんで、採りたての山菜やら、おいしいもんをどっさりいただき、すっかり幸せになって帰宅。寝床で武田百合子さんの「言葉の食卓」を読みながらいつのまにかすやすや…。

今晩たっぷり食べたとろとろのふぐの白子には、なんと毒があったようで、だんだん手先のしびれが腕にきて「う~っ、しびれる~」。「大変だ、3人で食べたのだから、3人ともダメかもしれない、早く凸さんに報せなくては…、ううっ」というところで目が醒めました。いつものことなのですが、枕はどっかへおしやり、読んでいた本も伏せたまま休めの体勢、右手は身体の下敷きになり、腕には皺が寄ったみたいに赤くまだらの模様が浮き出て、確かに「しびれて」いたのでした。

(2004-05-29)