雑記帖 - つれづれのことのは

No.241
くるくるまい

今週は怒濤の1週間。カナダ行きを諦めたとさんのスキー熱は、いつもなぜかシーズンも終わりになるにつれて盛り上がってくる。日曜日の内に仕事の準備を終え、春休みをとって、朝もはよから志賀へ向けて出発した。ゲレンデは-10度のコンディション。風が強くてほっぺを真っ赤にしながらくるくる舞して滑った。まるで壊れたレコードの如く。なんでこんなにおもしろいんじゃろうと不思議なのだが、なんべんくるくるまいしてもほんに楽しい。雪はパウダーでこの上なく快適。ゲレンデには10人ばかりのスキーきちの姿しかなく、まるでマイゲレンデの贅沢さ♪

水・木・金と残業して仕事に励んだと書きたいところだが、木曜には予約の取れない京都の「草喰 なかひがし」さんでお食事会。昼食も抜きで出発ぎりぎりまで仕事をこなし、うりこさんの運転で駆けつけ、お腹をぽんぽこぽんにして大満足、おやっさんやおかみさんとも楽しくおしゃべりしてちぃ凸さんからは美味しいお土産を貰いトンボ帰り。

こんなわけだから、土曜は休日と言っても休んでいられない。朝早くから家を出てあちこち用事に掛けづり回っていたら、お寺の境内の桜がほんのり色づいているのに気がついた。「春は朧にしらうおの~」先日の河竹黙阿弥さんの名台詞が口をついて出る♪さて、明日も明日とてゆっくりはしていられない。義妹が志賀のゲレンデで呼んでいるのだ!

(2006-03-25)

No.242
やってもうた~

思わぬ事故により、私のスキーは、横手山山頂に向かう第二リフトのゲレンデで今シーズンの終わり迎える事となってしまいました。リフト乗り場に向かう近道を横切った処で思わぬハプニング。「あれっ、ひっかけたぞ」と軽く考えたのですが、5年ぶりのはでな転倒。ピステをしていない斜面のキャタピラの溝にスキーをひかっけてしまうという大ドジをこきました。

救急車は大げさなので氷で冷やしながらトさんの運転で麓の病院へ。「本日、スキー場から運ばれてきた患者さんの中では最高齢です」と、おちゃめな日直の先生に笑われ、その場で松葉杖を買い込んで練習しながらとにもかくにも帰宅。翌日、やけにテキパキ手配してくれたとさんと一緒に整形へ。20年前にトさんが靱帯断裂の際にもお世話になったスポーツドクターに診ていただき、くるくると包帯を巻き込んでギブスのできあがり!「えっ、ほんとに帰るんですか?慣れるまで入院しなくて大丈夫ですか?」と看護師さんに引き留められつつ「また、きます」と我が家へ。

始めてのギブスの感想は「とにかく、重いっ!」松葉杖をつきながらなんとよろけてしまい、ギブスで固まった曲がらぬ脚のまま「どってん~」と早くも転倒してしまいました、どじ。つくつく歳を感じている今日この頃なのであります。といっても、翌朝見た夢は、松葉杖マラソンに登場している夢!みんなが応援してくれているのですが、走れど走れどゴールにはほど遠く、くたくたに疲れているのです。眼が覚めたら肩がこってぐったり。日頃、うつぶせ寝が習慣の私には、仰向けに寝ることだけでもえらいこっちゃという位の難題。その上片足が固まったままというのは、なんともはや…。

ぽこさんがテキパキと準備してくれたベットにはライト付き読書スタンドもしっかりセットされ、ラジオ付きの特別室。日頃は畳にせんべい布団を愛用する身なのですが、こんな時にはやはりベットに限ります。暮れからの忙しさで(ちょうど一段落したところでヨカッタ)、どんどん積み上がるばかりだった本とCDの山に埋もれている日々であります。お相手はぽこにゃん。生まれたてのころに骨折を経験したぽこにゃんは、ひたすら嘗めて眠って治した大先輩なので強い味方。「なになに、なにしてんの?」と興味深げな顔のぽこにゃに、「うまいでしょ」と自慢しながらゴミ袋にテープを巻き付けてしっかりギブスをガードし、お風呂に入ってみたり。松葉杖の扱いにも慣れてきて、運びもややリズミカルになって参りやした。

もちろん?トさんは、翌日とって返して妹の待つ志賀へトンボ帰り。私の分まで滑りを楽しんで貰いました。この際、せいぜい腹筋を鍛えて来シーズンに供えるとします。それにしても惜しい、最近は調子がよくてもう少し上達するはずだったんだけどなぁ~。バタフライの練習もしばらくお休みだな。ショボン。

(2006-04-01)

No.243
怪我の功名

みなさま、アホでまぬけな友への暖かい励ましに嬉しくて涙です。私ときたら、小さい頃からの入院・通院歴が両手両足で足りない程のヨワタレもんで、病歴の他には自慢するものもなく、肝臓も腎臓も心臓も患ってこれがほんとに肝腎要のあかんたれをしみじみつくづく実感することいと哀れ、経験を積むたびにどんどん気だけは強く口ばかり達者になっていくのでこれまたやっかいこの上なく端迷惑なのであります。

薬にはできるだけ頼らないの家訓に従い痛み止めも夜のみと多少のヤセ我慢をしていた為、さすがに食欲はなかったのですが、痛みがだんだん和らいできたこの頃はむくむくと元気が回復。内臓の病気と違い「日薬」が何よりの妙薬のようで、あれもこれも食べたくなったなぁ~と献立の注文が日に日に増えていきます。困ったもんです。

「え~っと、ギブスはどちらの脚でしたか」と看護婦さんに尋ねられて、付き添ってくれたトさんが思わず「あの、口にもギブスを」と冗談をとばしていた気持ちが、だんだんに切実でおもんばかられる回復ぶりです。トさんは、哀れでドジな怪我人を慰めんとあれこれ買い込んできてくれます。美味しい小林さんの鱒寿司。フェアトレードのスイス製チョコレート。富山にガラス工房を持つ吉田薫さんの金彩入りの真っ赤な花入れ。前々から欲しいと思っていた角偉三郎さんの「安子椀」。その上、昨夜は散歩にでかけて、空き地の水仙を摘み帰り、買ったばかりの花入れにざっくり投げ込んで枕元においてくれるという気配りまで。今日は家中に野生の水仙が香っています。惚れ直すかもしれないなぁ~~♪

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その名も「安子椀」
(2006-04-04)

(2006-04-04)

No.244
骨折り甲斐?

日曜日は地域恒例の花祭り。朝からテントが立ち上がり景気づけの演歌も賑やかしく流れ、婦人会や商店会・産直の屋台が並びそれなりに盛り上がっていた。小雨の降る肌寒い曇り空もお昼過ぎにはなんとかお日様が顔を出し、あとは寅さんのやしがでれば完璧という風情。我が特別室にも人々の賑わう声がもれ聞こえてなんとなく気持ちもお祭り気分。もちろんぽこにゃんは、そわそわとあっちへ行ったりこっちへ行ったり♪

この季節になると何度も聴き惚れてうっとりしてしまう歌がある。大好きな中田喜直先生作曲・加藤周一先生作詞カウンターテナーの米良良和さんが唄う「さくら横丁」。家持さんが「もののふの 八十乙女らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花」と詠んだ国府跡にふさわしく、是非にもこんな唄など流し、八十乙女らにたおやかに舞など踊って貰うのが相応しく、この上ない春の宴と思うのですが…。

さて、月曜日は期待の診察日。最近は骨折の痛みよりも脹ら脛の痛みが気になっていたのだがそれもその筈、まだまだたっぷり内出血していてやたら腫れている。魚を捌くのは平気なクセに、どうも小さい頃から例え映画でも人の血を見るのは大嫌い、というよりも見ていられない。ところが好奇心が災いし怖い物見たさで片目で治療の具合をみてしまったらもうダメだ。気分が悪くてふらふらしてしまった。

ギブスを多少短くして貰い足首が軽くなったというのに腫れと痛みですっかり食欲もなくし落ち込んでいたのだが、なにげなしにダイヤルを合わせたラジオから米良さんの声がきこえてきた。ボリュームを大きくすると美輪明宏さんの「よいとまけの唄」ではないか。コックピットには前から欲しい欲しいと思っていたボウズの新機種が導入され音もなかなかのものなのだ。

早速米良さんにリクエストをしたいもんだと、えっちらおっちら松葉杖でパソの部屋にたどり着き、思い入れも深くメールを書いたところで、気がつけばちょうど放送時間が終わるところだった。どうもやることがどんくさい。しかし、養生のおかげで久方ぶりに美輪さんと米良さんの声がきけ元気が出てきたので骨折り甲斐?があったということにしておこう。「とうちゃんのためな~らエンヤコラ!こどもためな~らエンヤコーラ!じぶんのためにもエンヤコラ♪

(2006-04-11)

No.245
こぐこぐ

リハビリに「こぐこぐ」をとりれることになった。さっそくぽこさんが、コックピットにトレーニングマシーンを設置してくれた。買ったままで宝の持ち腐れになりそうだったコンビのエアロバイクが役に立ち、「喜ぶべきか悲しむべきか・・いずれにしてもあってよかったがいね」と感謝しながら、ひたすらこぐこぐ、こぐこぐ。マット上ではヨーガの呼吸でゆっくりストレッチしながら股関節の左右開脚を、次に上下運動をとリハビリで教えて貰った運動を実に忠実に真面目にこなすこと20分。カルシュウムたっぷりの健康食をもりもり食べるのが毎朝の日課です。

幸いデスクワークなので、脚が曲がるようになって事務所での仕事を再開したところ、当然溜まっていたわけで毎日があっという間に過ぎてゆき…、へろへろになって帰宅するとまず入浴。ここでもしっかりストレッチに努め、またまた美味しく夕飯を平らげた後は再びリハビリに励みます。

「不幸は幸せのはじまり」とか。なるほど、両手がふさがっていた先週までとは違い、運べなかったお盆がもてるようになりました。新米の出前のお兄ちゃんのようでちょっとあぶなかっしいながらも、これも進歩。お風呂に入るときも片手を添えねばこせなかった段差が曲げてこせるようになったのも進歩。自分の足なのに自分の爪が切れなかったのに、今週は自分できれるじゃないか!とにんまりするのも進歩。あたりまえのことなんですが、ひとつひとつに悦びを感じられるというこの新鮮さが「生きてる喜び」というものかな♪

今夜は「なんださか、こんなさか」と言いながら、負荷を5にして15分もこぐこぐ。単細胞なおばさんは、鼻歌歌っているつもりなのですが、鼻息があらいのでありました。ぜぇ~ぜぇ~、はぁ~はぁ~♪

(2006-05-12)

No.246
お灸

昨日のハプニング。事務所からの帰り道、県道の2車線道路をぽこさんの運転で走っていたところ、信号のある交差点だというのに軽トラのおっさんがいきなり細い小道に向かって右折しようとするではないか。運転するぽこさんは、とっさにブレーキでクラクションをならしてレッドカードをアピール!しかし、おっさんはくわえ煙草でぼ~っとしたままあやまる様子もない。なんという非常識と怒ってみても、ぶつかられてしまってはいやな思いをするばかりなのでことなきだったことが幸い。

しかし、最近、つくづく、お年寄りののろのろ、うっかり、ふらふら運転が目につくのだ。田舎は公共の乗り物が少なく、その上近くの町並みから商店が消え、まさに消店街になりはててしまった。買い物は大型店に、スーパーに、逝かざるを得ない核家族の老人夫婦は、殆どがシルバーマークをつけたミニカでお出かけなのだ。

子供達が小学校の頃、自転車乗りには免許制度があり、校区内許可証が発行されていたはずなのだが、現在はまさに自動車免許にもこんな制度が必要かも?まして加えた煙草で信号無視なんてとんでもない、お灸をすえて反省を促したいことだった。

(2006-05-17)

No.247
シルバー自動車

昨日の今日というのか、ここの所、やっぱり最近お年寄りの自動車事故が目立って増え続けているそうだ。しかし、私だって転ばないスキーを自他共に認じていた筈なのに、転んだではないか!いまだかって事故を起こしたことがない運転だって、未来永劫保証されているわけでなないのじゃなぁ。明日は我が身。

その上、2年後には団塊の世代が定年を迎え、シルバー予備軍が野に街に溢れることは想像に難くない。ことに田舎では自動車無くして生きられない仕組みになりつつある。かくなる上は限定シルバー自動車に乗っていただくのが安全策というのもではなかろうか。

例えば、指示器を点滅せずに右左折・または発進しようとするとハンドルが回らないとか、「おわすれですよぉ~」と警告しながらハンドルがびりびり振動するとか、もう急いで生きる必要はないのでスピードは40キロ上限とか、車体の周りにはカンガルバーならぬシルバーバーがついていて強力ゴム製、事故っても自分にも他人にもやさしいとか…、そんな車は作れないものだろうか。

なんか暇をもてあまして随分ノンキなことを考えているって?そうなんです。実は熱心なリハビリの余り、膝も股関節も痛んでへこんでいるのです。とほほっ。トレーニングマシンにもシルバーマークがいるかも…。

(2006-05-18)

No.248
再デビュー

近所のホームプールは一応身障者仕様になってはいるのですが、肝心のプールサイドもシャワー室も身障者には不便だとわかっているので、「隣町の木造のプールがいいよ」というぽこさんの提案で、トさんの運転でおでかけ。最近リハビリしながらラジオを聴いている。寝返りうつと眼が覚めてしまうので深夜放送のインタビューを聴くこともある。植村直己賞受賞のリヤカーおじさんのいっぽいっぽの冒険談に励まされたり、車椅子で活躍するスキーヤー岡野善記さんに励まされたりしていた。

田辺聖子さん流にいえば「世の中には、リハビリが大好きな人とそうでない人と、人種が二手に分かれるらしく、かもかのおっちゃん(田辺さんの連れ合い)は何にもしない人に属する」そうなのですが、私はどうやらスポーツ好きが幸いするのか前者。トさんが買ってきてくれた判りやすい教科書を読みながら、ヨーガの呼吸法もアレンジし、せっせと、すぅ~はぁ~すぅ~はぁ~。日頃、努力は苦手と自認しているのですが、意外に地道な自分を発見しておやややっ?なのだ。

さて、着替えに便利なコーナーもロッカーもついている身障者用シャワー室を使わせて貰い、難なく水着を着用し、滑りやすいので松葉杖を使ってプールサイドへ。ゆっくり水中ストレッチの後は杖のかわりにビート板を使って歩き出したところ、やれやれ大丈夫、大丈夫。今日のメニューは、杖替わりのビート板を使って水中歩行350、バタ足350、クロ250。そして最後に、ゆっくり自力で歩くこと50。らぁらぁららぁ~~とハミングしながらひとりでに笑顔がこぼれる調子良さでござった♪ぽこさんがどっさり煮込んでおいてくれたふきの美味しかったこと!!「すじのとぉおったぁ~ふぅ~き♪」は先が見通せるぞ。

(2006-05-21)

No.249
変身ムース

ここのところカルシュウム強化食メニューのおかげで苦手なヨーグルトを食べている。ぽこさんが、生乳の美味しいヨーグルトをみつけては目にいいブルーベリーのジャムもいっしょに買ってきてくれる。寒天クックの料理パンフを見ていたら、ちょうどブルーベリーをのっけたおいしそうなヨーグルトゼリーがでているではないか。そこで「たまには私の手作りおやつも♪」と事務所のスタッフの喜ぶ顔を想像しながら秘かに夜に台所でこそこそ。

朝、どんなことになったやらと期待しながら冷蔵庫を開けて、さっそく試食。ところが「あじゃ~、なんだかなぁ~、こりゃあかんわ。私がひとりでたべっちゃ…」

ところが、3時のティータイムにかわいいカップに入って登場したおやつは「ええっ、これが!」というおいしさ♪なんと、ぽこさんのマジックハンドでバナナ入り柔らかなムースの口当たりに変身していた。「おいしいねぇ~」といいながら食べてお茶の時間が楽しい。怪我人は「怪我の功名ですちゃ」と、得意げ?に顛末を語るのでした。

(2006-05-25)

No.250
かゆいとすっぱい関係

「蚊に刺されるようになったら、ご飯には酢やね」 「そろそろ赤紫蘇ジュース作ってのまんなんね(=のまねばならない)」 「今年の梅はちょっと控えめに5キロにしとこうか」 3日連続、蚊さんの食欲を満たしてあげることになった私。今年もまた蚊とのバトルが始まることになるのだ。共同購入の梅と赤紫蘇に○印をつけながら、今朝の我が家の食卓での会話でした。

炊きあがったご飯をわっぱのお弁当に詰め込み、残りはお櫃に移し替えるのですが、この時、ぷ~ぅんと匂う炊きたてご飯の香りが大好きです。 この季節になるとお酢をちょっと垂らして炊きますので益々食欲そそられることになり、食べないうちから唾がいっぱい。ご飯好きには、たまりません。 還暦が近くなってきた身に、衰えぬ食欲がちと困ったことでもあるのですが…。

今朝は納戸の片付け仕事をしながらちょうど殻になった桐の米櫃も掃除。玄米をいれていると隅に糠がたまるのです。綺麗になったところで駐車場からお米を運びこんできたのですが、なんと自分で持てました。うれしいぃな♪ スキーで痛めた膝の骨折と股関節の回復具合は、杖なしで5キロのお米を運べるまでになりました。よしよし。 次なる目標は、杖なしで階段を上れるようになること!

(2006-06-14)