雑記帖 - yo:ku:nel

No.111
瑞泉「おもろ」

10年熟成古酒。43度。 瑞泉は、首里城内の泉の名に由来する。一方「おもろ」は奄美に伝わる神歌「おもろそうし」に由来とのこと。 瑞泉は、那覇の酒なので、国際通りや那覇空港でよく目立つ。極端な言い方をすれば、瑞泉のような那覇の泡盛は、品が良く、地方の泡盛は個性的である。琉球王朝の時代には、首里城東の赤田、崎山、鳥堀の3箇村だけに、泡盛作りが許されていたという。飲みやすいクセのない泡盛である。

(2006-08-16)

No.112
SOLAIA 2002

今日、プールで、久しぶりに同年配のお茶屋さんに会った。膝を痛めて好きなテニスもママならぬと言う。やっぱ、水泳が一番やチャと言いつつ帰宅すると、玄関口に夜警の「お鈴」が待っている。田舎ではまだこれが生きている。なにはともあれ、「チリン チリン」とならして、町内周り、今晩は自転車で、勘弁して貰う。帰ると、あっちゃー食卓の上にSOLAIAが、あったがいねー。理由の詮索はともかく、まず飲まねばならぬ。

イタリアトスカーナを代表するワイナリー「アンティノリ社」のワイン。カベルネソーヴィニオンを主体にした同社の最高級ワイン。イタリアワインというよりは、フレンチのイメージ。カベルネソーヴィニオンの最上の部類に近いと思う。というのは、最上といわれる「ペトリウス」を飲んだことがないので。「ラ・トゥール」や「ロートシット」は忘れてしまった。オーストラリアのカベルネの代表格「ペンフォールド」は、濃厚かつ果実味が豊かであるが、どこか野趣があった。ソライアはこれより洗練されている。生きも良い。なるほど、これが、イタリアの最近のスーパーワインの一つか。

そーいえば、昨日久しぶりに行ったテニスコートで贈呈主のSさんにであい「あれ、どーやったけ」と聞かれたところだった。「大事やから、なんか良いことあるまでとったがいちゃ」 彼には、ドラマチックなイタリア旅行を共にしたことから、今年イタリアを家族旅行した御礼に貰ったのだった。その会話の後だった。今日の良いことは、なに? 「ソライア」を飲めたこと。

(2006-08-22)

No.113
宝山芋麹全量

夏との別れはあ~さびしいよ~♪(ネーネーズ)どかっと雨が来た7月、じりじり暑かった8月。いろいろあった今年の夏。今や我が家の庭には鈴虫が鳴いてます。

今晩は、腹ごなしに「国分の浜」へチャリしました。浜辺では、家族ずれが名残の花火を楽しんでいました。黒島には、ちょっと、いやだいぶん負けますが、空にはうっすらと天の川と夏の大三角。波がざんぶー。海風が心地良い。我が家が散々海水浴をした浜は、今や消波ブロックにガードされ、昔の面影はないのですが、夜の海は、七難かくして、気持ちいい。岩崎鼻灯台の灯が、何秒おきかにサークルするのも昔から見慣れた光景。

さて、表題の焼酎は、能登穴水の噂の焼き肉店「華店」で、飲んだのでした。この店は、珠洲の湯宿の坂本さんや、Tださんのお勧め。建物は坂本と同じ設計士さん。肉、酒にこだわる、マスターお勧めの焼酎がこれでした。石焼きビビンバが旨い。そして、能登牛と。宝山の印象はとにかく、芋の香りがコイ。バニラの香りのようなという表現もあるが、美味しかった。焼酎を夏の浜辺でうだうだ飲みたいという向きには、三岳とかがあっていると思うが、これはこれで良い。

(2006-08-23)

No.114
思い立ったら能登

午後から半日休暇で、うり・ぺこと能登方面へ。まず、蕎麦は、七尾の「欅亭」にて腹ごしらえ。ココは田舎10割蕎麦が、太くなくて、香りが高い。腹ごなしに出かけた(3時間後に焼き肉が待っている)七尾美術館では、「岡本太郎」展を鑑賞。絵画、彫刻、写真に、岡本かの子のウェアー。岡本ワールドをたっぷり鑑賞しました。絵画は、ワンパターンの用に思えるが、解説を読みながら進むと面白い。彫刻は可愛い。「芸術は爆発だ」に象徴されるように、精神的に突き抜けている事がよくわかる。岡本かの子のファッションには、いくそった。全て、パリの有名デザイナーのオートクチュール。現代でも斬新。靴もかっこいい。

美術館だけでは、腹ごなしは足りぬと、一行は、和倉温泉総湯へ。ここがまた、ヨカッタ。循環、掛け流し併用で、掛け流しの部は、ちょっと嘗めるとめちゃ塩っ辛い。一行は、日頃の疲れをたっぷり流している模様。トは、早めにあがり、近くの「角偉三郎・辻口」ミュゼへ出かける。折しも、テラスで、七尾が生んだ天才パティシエ辻口氏が海をバックにしてTV対談中。このミュージアム付近(有名旅館加賀屋製)には、若者達が押し寄せる。確かに、そんな魅力があるスポット。 一行は、和倉温泉総湯の大広間で、辻口パティシエの代表作セラヴィを食したのでありました。うんまいものはどこで食べても旨い。

更に、一行は、穴水の焼き肉「華店」でお腹ぽんぽこ林にして、本日の目的輪島大祭へ。「能登」の作者パーシヴァル・ローエルさんは、穴水まで来てここから先は一緒やろーと引き返したが、ローエルさん、ここからが本当の能登ですよといいに行きたくなる。

輪島大祭は、キリコ祭。キリコは石崎に比べると小さいが、総漆づくり。お土産に買った猫のブローチがうん千円なら、一体、キリコはいくらだと勘ぐりたくなるほど。そして、輪島はなんといったって、「御陣乗太鼓」。老いも若きも男女を問わず、次々に太鼓を叩いて、やんやの喝采。石崎は「飛び散る汗」の迫力。輪島は太鼓。祭の場で、老若男女が、一つのことに力を合わせるのはいいもんです。次は、越中八尾の「風の盆」。いよいよ秋だ。

(2006-08-23)

No.115
LE CLOUS

例のロマネコンティオーナーの白ワイン。 ブルゴーニュ コート シャロネーゼ地区。ブルゴーニュなので当然、シャルドネ種。シャルドネとしては、充分美味しいワイン。華やかさは、8割方だが、味の方は滑らかで適度な酸味がある。

一方、呉羽梨幸水の品の良い味。ワインとどっちが良いか。 せり人さんに申し訳ないが、今日は、あっちとこっちで、幸水がオヤツで出た。今年の幸水は、8月暑かったので、いつになく甘かった。幸水の期間は短い、少ないとなるとますます沢山食べたい。

(2006-08-30)

No.116
松藤

金武町崎山酒造製泡盛。昨年サムさんちとの能登旅行で飲んだのが最初。ビールのようなブルーの瓶が特徴。第22回全国酒類コンクール本格焼酎泡盛部門第一位と誇らしげにラベリング。今年、那覇空港で目立ったので、黒島まで持ち込んで、トの誕生日に宿で一緒になった皆さんと飲んで撃沈した。階段を後ろから支えられてやっとのことであがった(ようだ)。なんたったって43度。

老麹(ひねこうじ)山水仕込みがうたい文句。今晩返り討ちにしてくれんと開けてみた。おりから、BSでは大曲の花火大会のリプレイ。43度だけに口の中が花火。そのあと口中にじわーと旨みが広がる。今晩は、階段は大丈夫。

花火は奥が深い。どうして、あれだけ複雑な構成が出来るのだろー。大曲は、今年80年記念で、なんと75万人の人出。見ていると、なんとなく違いがわかる。旨い人のは、間がある。名人の話によると、0.5ミリの世界とか。経験に裏打ちされた創造性が必要だと思う。やっぱり、これも生で見ないと。 花火をフランス人は「セラヴィ」と言った。例の辻口パティシエのケーキの代表作が「セラヴィ」。

本日、ストーブの煙突掃除。これまでお師匠さん頼みだったが、今年は、煙突掃除セットを送ってもらい、見よう見まねで実行した。掃除ブラシを先頭に、カーボン製の竿を継ぎ足して、下部から送ると煤がビニール袋にがさがさ落ちてくる。約茶碗一杯分。まーまー良い感じ。昨年用意した薪があるし、これでいつ寒くなっても大丈夫。

(2006-09-03)

No.117
東京のお酒その1 ロオジェのテーブルワイン

予約が取れないと評判のロオジェを凄腕ペコが何と前日ゲットした。たまたま2名キャンセルあり。ぺこさんの一番希望は、銀座で働くドトラーさんご推薦店だったのが、連絡が取れないので急遽評判の資生堂さんのフレンチへ。さて、ロオジェは、一階がエントランス、円形階段を上がってウィーンの舞踏会に踏み入れるような2階がお食事処。階段を登る途中で舞い上がって高級ワインをボトルで注文するほど二人はやわじゃ無いしお○もなし。そこで、苦肉の策で、白赤のテーブルワインを注文。これが、さすがにいずれも美味しかった。

その前に食前酒は、シャンパン巨峰和え。やや甘く、もうちょっときりり感が欲しい。カメリオッテの食前酒が忘れられない。白は、サンセール。アルフォンス・メルロー社(?)。サンセールは、かって、とぺこぽこがハーグでのフェルメール展に出かけたとき、白はこれしか飲まなかったという思い出のワイン。 葡萄は、ソーヴィニオン・ブラン種で、料理に調和する。近くのワインにプイィ・フュメがあり、良く似ている。 さわやかで、活きが良かった。トマトやアカザ海老、ほたて料理ににマッチ。

赤は、ぺこが、ブルゴーニュのヴォルネー・シャンパン。透明感の高い色、香り高くてさすが、ピノ種。トは、こくのある物という注文に、スペインのアリオン。鶏肉料理にマッチ。 テーブルワインを数々飲んだが、ココのはさすがである。料理も当然ながら、サービスもヨーロッパのミシュラン2つ星、3つ星クラス(殆ど経験がないけれど)、日本では珍しい。チーズやデザート、菓子類がふんだんに出てくるのもヨーロッパスタイルで、日本のレストランでは珍しい。石川県羽咋出身のスタッフとも話が弾み、楽しい一夜を過ごした。

ミスマッチと言えば、直前は枯れかれの入船亭船橋さんの落語だったこと。この流れは、お新香お茶付けが正解だったか。

(2006-09-06)

No.118
東京のお酒その2 蕎麦屋にて

蕎麦のニューウェーブ銀座の「流石」は、階段を下りて地下でした。敷居はありませんでした。「ゴージャス」さんは、外見は田舎野ねずみには、こんなとこ入って邪魔ないがかとのけぞるような雰囲気でしたが(○姉妹的)、内部は品よくまとめられており、サービス等も実質がありました。

流石の由来は、流石と思わせる蕎麦を出すからと思いきや、修善寺の「朴念仁」で修業したので石井さんの流れをくむからとのこと。田舎蕎麦の玄蕎麦は細くて美味しい。他方反対側の銀座の「成富」は、「ほそ川」で修業。2店とも、美味しい料理と地酒のメニューが充実しているのがうれしい。内装は素敵なデザインで、既存の名店よりゆったり感がある。

流石には、三千盛もあった、他に東洋美人、喜久酔、奥播磨、神亀、鷹勇、雛願、黒龍など。成富には、例の早瀬浦、山法師、飛露喜、香月、伯楽星、開運、往馬など、今回は、帰る日だったので、山法師をなめただけだったのが残念だった。

昼成富、夕流石、ここで、やめときゃいいがに、帰りの機内で出た弁当持ち帰り禁止のため、食べてしまうところがお互い貧乏の性やねと顔を見合わせました。あーあ。

(2006-09-07)

No.119
純米大吟醸李白

出雲杜氏大廻長信の酒。山田錦使用。松江市の銘酒。 夏の大ちゃんパーティの主人公の持参酒。彼のコードネームは、リファク。その由来は?。李白は日本酒の銘酒の中で名前の挙がるお酒の一つ。「豊の秋」と並んで、島根を代表する銘酒。辛口で、わざとらしい吟醸香はなく上品な香りで、口に含んで、滋味がある。かって飲んだときは、違った印象だったが…、楚々としたお酒で、楊貴妃とは違う世界。

李白と言えば、杜甫が「李白一斗詩百扁」と歌った。「月下独酌」や「山中幽人対酌」(一杯一杯復一杯)の歌で酒仙人の名を恣に。彼に対抗できるのは、願わくば酒の甕になりたいと歌った大伴旅人であろう。こちらの酒の歌もなかなか。「なかなかに人とあらずは酒壺に成りにてしかも酒に染みなむ」どれくらい飲めばこんなどっぷりはまった詩が詠めるのか、うーんまだまだ修業が足りぬわい。いっそのこと、どこぞの酒蔵のタンクに飛び込んで、バタフリャーでもしてみせれば、一皮むけるかも。

(2006-09-12)

No.120
醉鯨高育54号

醉鯨は、言わずと知れた土佐の高知の銘酒。特にここの純米大吟醸が、とぽこのお気に入り。鯨を酔わせるというネーミングが凄い。しかし、鯨は飲むか?メロンの香りがぷんぷん、軽い。

さて、純米吟醸クラスの54号、やや甘く感じる。日本酒と言うよりも、それこそメロンの上澄み液を飲むような。しかし、今日はたっぷり冷やしたので、甘みが引っ込み、良い感じ。美味しかった。 もっとも、今日は、大ちゃんやたまこさんには申し訳ないけど何を飲んでも美味しく感じたのかも知れない。ホントは、カップ酒「ドラ」を飲もうかと思ったが、いやいや相手はまだまだしぶとい、それに大願があると自粛した。

本日は、ペコポコ京都出張につき自力で夕食。と言っても、冷蔵庫の総ざらいをしただけでした。唯一の創作料理は、「湯豆腐」。 羅臼昆布一枚ひいて、暖めただけでした。それにポコ猫からくすねた花鰹をぱらぱらと。昨日まで、冷や奴だったのに、やっぱり秋ですねー。リーンリーン。

(2006-09-15)