雑記帖 - yo:ku:nel

No.131
白老122号

白老122号が届いた。トのお気に入り酒の一つ。今年の122号は軽く仕上がった。今晩の肴、秋刀魚の塩焼き、舞茸の焼きにピッタリ。白老は愛知県常滑市の純米こだわり蔵澤田酒造製。なんで常滑の酒と言われそうだが、かって常滑は灘、伏見と並ぶお酒の大生産地。あの、朱色の常滑焼きの急須だけではありません。とのお気に入り盃(常願寺川石使用)とビール盃の陶芸家鯉江良二さんの窯もかって常滑にあった。

白老を買うと、白老通信が送られてくるが、これが優れもの。江戸時代からの酒造りが学べます。白老の純米酒「千寿」は、長野の無農薬農園「ゆい自然農園」で味噌造りにいそしむ5人百姓のリーダーであり人生の達人Hさんのお気に入り。70にして飼い犬を放し飼いにするため、鎌倉から福島に移ったHさんお元気かなー。

全国の虎ファンの皆様、今年は、ホントに最後の最後まで、はらはらしました。龍ファンにとって、最悪のシナリオ、逆に虎ファンにとって、最高のシナリオは10月12日で逆転!なんとか、なんとか直前で回避できてほっとしております。祝勝会、残念会酒いろいろありますが、我が心かくの如し。

「ふくみたる酒のにおひのおのずから独り匂へるわがこころかも」牧水

(2006-10-12)

No.132
得月 朝日山酒造

寿司貫で「なんか、うっまい酒ないけー?」と言う問いに出てきた酒がこれ。女将のなみちゃんが、名前通りなみなみとついでくれる。かの久保田の蔵。久保田の最高級酒は、「万寿」。それと同レベルの季節限定純米大吟醸酒が、「洗心」「得月」。なかなか、いや非常に良いじゃないですか。しまった品が良い香りと味。冷やしすぎない方がいい。

(2006-10-13)

No.133
秋のお江戸

江戸、えど エド エード えーど 江ー戸。秋のお江戸は、暑かった、10月も末というのに、Tシャツ姿や、麻のジャケット、パンツの人もいた。行く前にどんな格好すっかねーとの会話。ペコさんは、お洒落な人は季節を先取りすっもんやちゃ。でも、暖かいということも判っているしなー。案の定、東京は歩きに歩くこともあって、サマーウール、背抜きジャケットなのに汗、汗、汗。今晩富山へ帰ると、なんと13度。日本は広い。従って、お酒も日本各地の特徴があって当然やちゃ。

今回のお江戸では、両国で肉筆浮世絵を堪能した。フロムボストン美術館というのが、悲しい。浮世絵をパリに大量に持ち出したのが、富山県出身の明治の画商林忠正、一時国賊などと言うひどい言われかたをしたことも。でも、彼のおかげで、印象派に多大な影響を与え、世界中に浮世絵が広まったことは事実。彼は、高岡の銅器も、パリへ持ち込んだが、浮世絵には、とてもかなわなかった。

だいぶん前にネパールポカラの「フィッシュテールロッジ」の暖炉の前で団欒してたら、隣のイタリア人から「俺は、歌麿もってるぜ」と自慢された。初めてのカルチャーショック。考えて見ると、日本の美術品の中で、浮世絵ほど、世界レベルで評価が高い物はないだろう。これを江戸庶民のパワーが生み出した。いかに、文化の完成度が高かったかと言うことだと思う。明治以降、特に昭和35年以降は、これを加速度的に捨ててきた。

そこで、今回は、浮世絵、歌舞伎、江戸のお蕎麦を堪能してきました。「流石」のお酒は「悦凱陣」「松翁」では、十四代純米吟醸中取り 備前雄町、「あぶくま」純米吟醸ひやおろし 五百万石。このなかでは、「あぶくま」が、小さな蔵らしく、上品な滋味を感じた。「十四代」は香りは流石だった。日本の良さがどんどん捨てられている中で、美味しいお酒が元気だ。日本酒、焼酎、泡盛は世界に通じると思う。きょうから、日本シリーズ。愛知の「白老千寿」燗酒で小さな乾杯。

(2006-10-21)

No.134
にごり酒「芋」

かって、報告した「こいじゃが」の黒瀬安光杜氏の作った芋焼酎の無濾過酒。真っ白な瓶に入っている。無濾過とは、濾過しないこと、即ち炭素に通さないことと思いきや、ことはそれほど単純ではなくて、3,4ヶ月寒気がくるまで、毎日のように朝晩表面の浮遊物フーゼル油(米ぬかや芋油)を取り去り、一番フーゼルの多い部分は、濾過し、残り約7,8割は無濾過でブレンドするという。日本酒で言えば、生酒。生酒と同じように口当たりが柔らかくて、マイルド、クセがない。芋臭さはほどほどで、飲みやすくてすいすいはいるので、ご注意、いわばウィーンのホイリゲのワインみたいだ。なかなか、よかですたい。

(2006-10-24)

No.135
やけ酒

全国のセリーグファン、特にシーズン最後まで競り合った阪神ファンの皆様、無様な日本シリーズお見せしまして心からお詫び申し上げます。日本シリーズは、種目で言えば短距離。シーズン優勝は長距離ランナーの世界。ドラちゃんは、名将落合監督に率いられ猛練習をこなしてきた努力家集団なので、真面目人間の集まりで、長距離ランナーか。

頭の配線が、かなりの本数ぶちきれているSINNJOの存在が大きい。あんなのがいると、皆さんリラックス。片方はガチガチ。責任感の強さが悪い方へ、悪い方へ。急性タイムリー欠乏症の試合を観る度、聞く度、ストレスがたまる一方。やけ酒の日々に明日から、脱却出来るという情けない喜びのこのたびのシリーズでした。スンマセン。

(2006-10-26)

No.136
諸白(芋焼酎)

黒瀬安光杜氏の3部作。「こいじゃが」「にごり酒」そして、普及酒が、「諸白」。非常におとなしいというか、品が良いというか、飲みやすい。「宝山」は、お湯割りにしても、喉がざらついた。「宝山」は、穴水の焼き肉「華店」で飲んだ全量芋が、ぐーだった。「諸白」は一切引っかかりなし。かの「森伊蔵」にしたってこんなもんじゃないかい?

(2006-10-30)

No.137
焼酎の日

きょう、11月1日は、焼酎の日という。昭62.9九州の焼酎業者の会議できめられたとか。理由の1つ、焼酎は、8~9月に仕込まれ、11月1日頃仕上がってくる。もう1つは、10月が神無月、と言うのも各地の神様が出雲に出張するので神無。11月1日には神様が帰郷するというめでたい日だそうな。神様と言われてもぴんとこないが、黒島のお祭りや、能登のお祭りを体験すると、具体的になってくる。

そこで、今日は焼酎だけ。今日の新顔は、「蔵純粋」芋40.5度。大石酒造製。鹿児島県阿久根市。大石と言えば、球磨焼酎の大石。ブランディ樽使用で有名。同じ会社かと思えるほど、似た感じがあって、とろっとした感じ。ブランディライク。芋というのに、臭さは少ない。度数は、手書きでアル。一本ごとに異なると言うことか。首には検定酒というラベルもある。検定とは、どんな意味かな、検定と聞くと自動車学校での「検定中止」を思い出す。今でも、道路の脇にハザードをつけて泊まっている自動車学校の車を見ると、頬がゆるむ。「あんたはん、検定中止け、また、頑張られかー」

(2006-11-01)

No.138
宗玄特別純米酒「純粋無垢」

金沢更級藤井さんで、しこたま飲んだが、美味しかった。昨晩は、金沢で、六代目小さん襲名披露落語会の流れで、蕎麦だろーと更級藤井さんへ。かろく・馬風・小円歌さんにもち、小さんに腹を抱えた後、なだれ込む。邦楽堂は、能登の檜と言われるアテと欅に漆塗り、壁は朱壁と鶯壁。なんか、規模は違えど我が家のボロ家と似ていて親しみを感じた。高岡も能登文化圏やちゃ。

宗玄も、能登の珠洲の古い蔵。近所の酒屋にも昔からあって、親父によく買いに行かされた。いままで、甘口というイメージがあったが、いまやそれほどではなく非常に飲みやすく、女性でもすいすいはいる感じ。優しくて、滋味があって大量生産酒に無い味。Tさんも呼び出し、美味しい料理と楽しい語らいについつい酒が進んだ。

(2006-11-06)

No.139
生元秋あがり「初孫」純米吟醸

ヶたま子さんからの贈りもの。この味は、トぺこしかわかるまい?うっめー。山形県産米出羽燦々100%使用。酒田市の蔵。久在屋のひろうず等の煮物。白井の鰯丸干し、久在屋の胡麻豆腐、いずうの鯖寿司などのご馳走にピッタリ。

(2006-11-08)

No.140
T-ONE復活

いよいよ寒波襲来、寒ブリが揚がり、ずわい蟹が解禁のお知らせ。 しかし、いずれもご祝儀相場で、我々庶民には高嶺の花。処が、今日、歩いて約300mの北前船資料館で、北海道物産展が開催、そこでなぜか、新湊の紅ずわい蟹と甲箱蟹が格安で売っていた。おばちゃん、2つとも5ハイもろから、中身重いがくだはれ、おばちゃんせっせと選んでくれる。ぺこさん曰く、甲箱ちゃんと雄雌選んできたがけ、はー、しらなんだ。

T-ONE修理に愛知から巌鐵さんと相棒の大工さんが朝から駆けつけていた。床下に潜ったり、四苦八苦の末、漸くTーONEが本来の燃焼を取り戻す。寒波に間に合って良かった。ペコさんが能登の塩で茹でた蟹に舌鼓。しばし沈黙の時間。3合たきの釜炊きご飯があっという間に無くなる。見事な食べっぷりでした。夜も、宴会。酒は、白老「豊饒」と三千盛純米大吟醸「まる尾」。アバウトに言うと、良く似た酒だった。とにかく、これから、寒さに震えずに済んで良かった、良かった。巌鐵さん、大工さんきょうは遠路ご苦労さまでした。

(2006-11-12)