雑記帖 - 旅日記

No.5
2003夏~信州 その4「星降る高原へ」
絵:ラガーネコ
ラガーネコ

最終日の早朝、芳が平への日の出ツアーが計画されていたが、起きたのはぺこさん1名のみ、予想通りみんな夢の中で日の出を見ることになった。朝食は、自家製リンゴジュース、トーストには手作りジャムをたっぷり塗り、サラダには手作りドレッシング(数種類あって迷う)をかけて、玉子のおかずも残さず平らげて、コーヒー、紅茶で締めくくる。とても気持ちの良いオーナー&スタッフの人達に見送られて、石の湯ロッジを後にした。

志賀山文庫は、志賀高原の上林温泉にある洋風木造建築(旧渋沢邸を移築)で、志賀高原を愛した文化人の作品を収蔵・展示している。洋風建築といっても、ごてごてした感じはなく、風景にうまくなじんで、好感の持てる建物。シンプルでお洒落なステンドグラスや、趣向を凝らしたドアのノブが楽しい。そこから、車は小布施を経由して須坂へ。ここらでちょっと小休止、「たけの春」のお蕎麦で小腹を満たしていこう。

さて、本日のメインイベントは、高校、大学とラグビーにいそしんだ凸さんの汗と涙?のしみ込んだ地、ラガーメンのメッカ菅平高原でのラグビー観戦。練習試合といっても、現在の大学ラグビーの2強、関東学院と早稲田の一本目(レギュラー)同士の対戦とあっては、観客数も相当なもので、選手も観客もかなり熱くなっている。つられて気温もぐんぐん上がる。凸さんはもちろん会場に着く前から興奮状態。「こんな暑い日にほんとにラグビー観るのぉ?」と小声でつぶやいていたちぃさんも、試合がはじまるとなぜかこぶしに力が入り、熱い声援をおくる。炎天下での迫力満点の肉弾戦は、関学が圧勝。でも凸さんによると決して早稲田も弱いわけではないそうだ。

絵:無言の絵
無言の絵

熱い暑い高原から、上田へと一行を乗せた車は向かう。今回の最終目的地である「無言館」へ到着。こちらには、太平洋戦争で志半ばで戦地に散った画学生の遺作、遺品が展示されている。 もっと生きたかったに違いない、もっともっと絵を描きたかったに違いない、彼等の残した作品、戦地から出した手紙や遺品は、様々なことをそっと心に語りかけてくれる。その静かなる魂を胸の中に受けとめて、無言館を出た。信濃デッサン館にも寄りたかったのだが、すでに夕方近くなり、ちぃ凸さんの電車の時間がせまっていたので、やむなく出発。

無事松本に到着し、ちぃ凸さんとはここでお別れ、2人は名古屋経由で京都へと電車にて帰路をたどる。さて富山組3名は高岡までもう一走り。安房トンネルまでの道は、途中から大型バスひきいる大名行列に加わることになったものの、さほどひどい渋滞もなく、スムーズに富山まで帰りついた。旅の仕上げは「彩々」で、久しぶり?(4日振り)の富山の新鮮な海の幸を存分に味わって、いつものごとく盛りだくさんの満腹旅行にとどめをうったのであった。

文・絵 ぽこ

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