雑記帖 - 旅日記

No.6
2003秋~明日香再訪 その1「原点回帰」
絵:行程
行程
絵:もすもす?
もすもす?

「突然ながやけど~、いいお天気だし~、一緒に奈良を回らんけ?」
「生憎、これからちぃさんの実家へお出かけで…」
「ありゃ~そうけ。じゃ~気を付けていってこられぇ~」

ちぃ凸さんちとの久し振りの会話は、あっさり済んだ。
古ぼけた公衆電話にしばし哀感と寂寥感を覚える。

「え~ん、ふられたよ。しかたないっ、やっぱり、ふたりでまわろまいけっ!」

「今年は仕事30周年にもあたることだし、ここで一度日本人の原点に戻ろう!」
と言うわけで、最近にわかに考古学の本を読み出した「と」さんの希望で、まずふたりが目指すは、奈良田原本町の唐子・鍵遺跡。弥生時代の集落としては、現在発掘されているものでは最大の遺跡とあっては、平成の御代に生きるモンとして、やっぱり一度は行ってみんなんちゃ。

発掘された土器の破片に描かれた建物が復元され、この遺跡のシンボルとなっている。大和三山を眺めながら、畑の中の田舎道をてくてく歩いて、たどり着いた体育館には無料の資料室が。古代のロマンに魅せられ、目を☆マークにして訪れてくる人が後をたたない。退職後の熟年御夫婦や、いまや日本全国どこでも元気なおばさん隊はもちろん、腕くんだ若いカップルや親子連れも目立つのがなんとも嬉しいところ。

発掘された土器、井戸などの遺跡、曲玉、木製の鍬などの農耕具といったものたちから再現された弥生時代の生活は、江戸時代と余り変わりがない。カシュガルやラホールで見た玉やラピスラズリィーとも似ている装飾品の数々に「人間って、2千年たってもそうそう変わらんなぁ~」。

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