カ ル ト

福井市善照寺 寺報 「帰去来」より


 あなたはカルト教団ということばを、知っていますか。
 事件を起こしたり、社会問題になった宗教団体を思いうかべた人も多いでしようが、カルト教団はあのようなものだけではありません。

☆ ○万円ら入会金で、とてもいい話か聞ける研修会があるが、行きませんか、と知人がさそう。
☆ 難民や恵まれない子どものために、募金をお願いします。
☆ 資格をとりませんか。確実に合格できて、いい収入になりますよ。
☆ あなたには先祖の悪い因縁がついています。これを買えば因縁が消えます。
☆ あなたの幸福と健康を祈らせてください。
☆ 同窓生が集まって、とてもいい映画を見ます。あなたも来ませんか。
☆ 普通の化粧品は、ガンのもとですよ。この化粧品は、そんなことはありません。
☆ いい家庭用品を紹介するパーティがあります。影響もでますよ。いらっしゃい。
☆ 世界的に活躍している人の本です。読めばあなたもしあわせになりますよ。
☆ 聖書について、この本を読んでください。

 こんなさそいだけではありません。
親切で親しいが、魅カ的な話しをする人、こんな人でも、話がおかしいと思ったら、きっぱりと断ってください。
自分だけでは断わりきれないときは、家族や知り合いに相談してからにしてください。
住職に相談する。
おおいにいいことです。
都道府県の消費生活センターなども、頼りになる相談所です。

 あなたが少しでもすきをみせると、しつこくさそってきます。根負けして入ってしまうことも少なくありません。
また、カルト教団は、かるい気持ちで出入りできるところではありません。

 カルト教団は、困っているひと、不幸なめにあっているひと、自分ひとりが不幸だと思っているひとをねらいます。

 信仰をしないと、たたりがあるような宗教。教団へ奉仕をしないと(献金をしなければ)いけない宗教。
そんなものは宗教とはいいません。

 お釈迦様は、無縁のひとを救うことを、生涯つづけられました。
仏教に縁がないひと、仏教をそしったひとを、救うことをなさいました。
ひとは社会生活をするのだから、助けあうのがあたりまえだと、教えられました。

 話が分かりやすいからと、飛びつく前に、信頼できるひとに相談してください。


カルト

具体的な被害

「運勢占い」「街頭アンケート」「治療器寝具によるマルチ商法」「○○○○の子どもたちを救おう講演会」「美術品販売」「宝石販売」「やせる教室」などを装ってカルトに取り込んでしまう手口があります。

社会的なもの
地域では宗教施設の誘致に対する反対運動、既設の施設に対しては退去運動が生じ、地域住民が精神的、肉体的、経済的負担を強いられる。

個人的なもの
財産被害

姓名判断、因縁・タタリの話で壷や印鑑、仏壇、宝塔など高額な商品を買わされる。巨額な献金・お布施などで生活に困窮したり、借金を繰り返したり、最終的には全財産を失ったりする場合がある。
(霊感商法など)

精神的被害
途中で脱会したくなっても脅しに近い圧力を受けたり、マインドコントロールによって教祖に対する絶対的忠誠心や恐怖観念などが脱会後も抜けず、長期の精神的後遺症をきたす。正常な人間関係が結べず離婚、親子離別、交友関係の崩壊などをきたす。

身体的被害
教団の批判者・反対者に対して圧力をかける。(直接、自宅を訪ねて来たり、内容証明郵便などで警告文・抗議文を送りつける。夜中の無言電話など)甚だしい場合は拉致、監禁あるいは暴行、傷害、殺人事件まで起こしたケースがある。


事例1

研修から帰ってくると異様な父が・・・

父は最近、会社を定年退職しました。普段、法事などでしか親戚づき合いはない叔父から、ある日の夕方家に寄るとの連絡が入り、数人を連れてやってきました。
私は、直接には会いませんでした。
父は30分ほど話してるうちに、普段なら絶対に持ち出さない印鑑を押してしまい、名簿に家族と親戚の名前と住所、年齢を書いたようです。
そして、研修にいかなければいけないと言い出しました。
突然すぎて訳が分かりませんでしたので、叔父の言った○○○という言葉でインターネットを検索したら、問題の多い宗教団体だと分かりました。
それを見て父も青くなり、叔父に連絡を取りましたが、「もう断れない」の一点張りでとりつくしまもありませんでした。
父は、「叔父の顔を立てるために行く、洗脳なんて絶対にされない」という手紙を書いて出かけました。
その時数十万円持ち出したようです。
ところが帰ってきた時の父の顔、目、話し方は洗脳されたとしか思えない異様なものでした。
○○○の事を絶賛し、百万円出しても良かった、自分がお金を出すから私にも行って欲しいとまで言いました。
その日はその話し合いで遅くなり、私もショックで会社に行く気力もありませんでした。不安で仕方がありません。


事例2

突然の訪問、そしてだんだん深みに…

どのように近づいてくるか

 私は、早く夫をなくし次男も失って落胆していた。
ある日突然知らない女性の訪問があり、無料で手相を見てくれるというのです。
そして手相を見ながら「ご主人は、武士の因縁がたたって早死にしたのですが、あなたにも55才以後悪いことがある。
その因縁を断つために印鑑をつくり替えるとよい」といわれ、20万円余りの印鑑を作るはめになってしまったのです。
そして、3回くらいに分割して集金にくる間、家のこと、財産のことなど聞かれるままに話してしまいました。

だんだん深みに

 「今度霊に強いえらい先生が来られます。一度みてもらってはどうですか」と2度目の誘いがありました。
迎えの車に乗って霊場へ誘い出されると、そこには、いつの間に出来上ったのか私の家の家系図を前にしてえらい先生が「先祖の霊が、今生きている子孫に救いを求めてきています。」と言ってから、「祈って来ます」と座を立つのです。
戻って来ると、「先祖は、女の人が役目を果たさなかったので、男の人にたたりが来て、早死にするのです。
その因縁がまた長男に下り、次男に次いで長男が命を絶たれます。先祖の因縁が下りないようにするためには出家するのがいいのですが、家族も家も捨てることは無理でしょう。
もう一度祈って来ましょう」また、えらい先生は、中座します。
その間、私を案内してくれた女の人は、私のそばを離れず、お茶や、お菓子がすすめられます。
御手洗いへ行きたいと言えば、戸の外で待っている始末でした。
やがてまた、先生があらわれ「霊界が開かれました。
あなたは自分の生命を捧げる位の覚悟がありますか」黙っていると「貴女は本当に霊を救いたいのですか!」と、怒なるのです。
こわくなって「ハイ」と答えると、「自分の命の次に大切な財を捧げなさい」「400万か300万かを捧げなさい」と言って「つぼが授かりました」と申し込み書を書かされてしまいました。
仕方なく、300万円のつぼを買う約束をしました。セールスマン達は「つぼを授かって良かったですね」とやさしく言ってくれました。

霊にとりつかれたように

 ビデオセンターでビデオを40本みるように言われて何かにつかれたようにビデオセンターヘ通うようになりました。
そして次の誘いは、
「おたきあげがあります。
 この紙に、自分の悩みと財産を全部書いて下さい。
 書き残した財産があるとそれに因縁が下りて、交通事故にあったりして、死に金となってしまいます」
そしておたきあげの結果を聞きに来るように言われ、以前のところへ行くと
「赤いすじが1本残りました。
 あなたの先祖は、色情の罪を犯しています。
 それがあなたの体が弱いのも先祖からの血が悪いのです。
 赤いすじが1本残っているのは、それを表しています」
そして、またえらい先生は中座し別の部屋で祈ってくると
「色情因縁の血統転換の為に霊薬(高麗人参濃縮エキスを飲みなさい。
 つぼにもお供えしなさい。
 2〜3日以内に400万用意しなさい。
 これは、人に言ってはいけません。
 49日間はへんなことをいう人がいても信じてはいけません。救われることのみ信じることです。」
断わろうとすると
「家族を見殺しにするのですか!」といわれ、
こわさと、家族を救いたい気持ちと相まってとうとう400万円も支払ってしまいました。


事例3

 飲食店を経営していました。
障害者の子を抱え、経営も大変な状況でした。
そんな時、夫は駅前で配られている本『ゼロの力学』を読み、健康を回復できると思い、会場へ出かけました。
そこで足の裏診断を受け、このままでは益々悪くなると言われ、商売もそっちのけで通うようになりました。
その後、妻も入信し、間もなく閉店してしまいました。

(福井県消費生活センター「ゆたかな消費者」NO193より)