原子力技術はそれ自体平和利用も兵器としての利用もともに可能である。 どちらに用いるかは政策であり国家意思の問題である。 日本は国家・国民の意志として原子力を兵器として利用しないことを決めているので、平和利用一本槍であるが、平和利用にせよその技術が進歩するにつれて、兵器としての可能性は自動的に高まってくる。 日本は核兵器を持たないが、(核兵器保有の)潜在的可能性を高めることによって、軍縮や核実験禁止問題などについて、国際の場における発言力を高めることができる。 (岸信介、「岸信介回顧録」、廣済堂出版、83年) |
自民党は決して原発を諦めない。その理由を、11年10月に、石破茂自民党政調会長(当時)が以下のように説明している。 |
原発を維持するということは、核兵器を作ろうと思えば、一定期間のうちに作ることができるという「核の潜在的抑止力」になっていると思っています。 逆に言えば、原発をなくすということはその潜在的抑止力をも放棄することになる、という点を問いたい。 (中略) 核の基礎研究から始めれば、実際に核を持つまで5年や10年かかる。 しかし、原発の技術があることで、数力月から1年といった比較的短期間で核を持ちうる。加えて我が国は世界有数のロケット技術を持っている。この2つを組み合わせれば、かなり短い期間で効果的な核保有を現実化できる。 (「SAPIO」2011年10月5日号) |